全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
俳優の眞島秀和さんの主演ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)。「カワイイものが好きすぎる」という秘密を抱える眞島さん演じる“イケオジ”の葛藤と、同志たちとの交流を描くコメディー作品で、9月10日の放送で最終回を迎える。SNSでは、「おじカワロスに耐えられる自信がない」「続編かスペシャルドラマ希望」といった声が上がるなど、視聴者に愛されている。ドラマを手がける小島祥子プロデューサーに、今作への思いや、続編の可能性について直撃した。
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ドラマは、ウェブマンガ誌「COMICポラリス」(フレックスコミックス)で連載中のツトムさんの同名マンガが原作。バツイチで容姿端麗、渋くて紳士的、仕事もできる“イケオジ”の営業部課長・小路三貴(おじ・みつたか、眞島さん)は、犬のキャラクター「パグ太郎」を癒やしとしている。見た目とのギャップがありすぎる秘密を、致命的な機密のように抱えて葛藤しながら生きる小路と、周囲の人間たちのやり取りを描く。
8月13日に第1話が放送されると、ツイッターでは、ハッシュタグ「#おじカワ」がトレンド1位となるなど大盛り上がり。小島さんは、「これだけの方が共感してくださるというのはすごくうれしくって、(第1話の放送を)号泣しながら見ていました(笑い)」と明かす。
読売テレビに入社して10年という小島さん。6年ほど報道記者を経験した後、編成部に異動。ドラマの編成担当として3年ほど経験を積んだ後、ドラマ制作部へ異動した。今作は、小島さんにとって初めて企画した作品だったという。
そんな小島さんは、20代後半の頃、「それまで信じてきたことが覆ってしまうような、しんどいことがあった」とそっと記者に打ち明ける。あるアニメ作品と出会ったことで、救われたといい、「そこに現実逃避することで、つらいことも一時忘れられるというか……。それで生きてこれたなという時期があったんです」と涙ながらに当時を振り返る。
当時好きになったアニメについては、誰にも話していなかったといい、「言ってもわかり合えないかもしれないし、もし否定されたらと思うと……。本当に小路さんと一緒ですよね。自分で静かに一人でめでていられればいいっていう(笑い)」と明かす。
そんな経験を持つ小島さんが、今回の原作を読んだとき「“推し”があるだけで幸せなんだよと肯定してもらえた気がして、すごく元気というか、勇気をもらった」といい、「ちょうど私もドラマの現場に異動してきたばっかりのときだったので、これを企画にしたいなと思って、企画書にして……という流れだったんですよね」と振り返る。
眞島さん演じる小路について、SNSで「可愛い」と話題になった。好きなものである“推し”に感謝する姿や、「好きなものは、人に言っても言わなくても、好きなままでいい」という信念、43歳にして初めて出会ったケンタ(今井翼さん)という“同志”とのやりとりについて共感する声が多く上がっている。
実は、企画書を書いている段階から、小路は眞島さんに演じてほしいと思っていたという小島さん。「もともと好きな俳優さんだったというのもあるんですけど、まず第一にスタイリッシュさ。渋くて、かっこいい、という(小路の)イメージにぴったりハマると思った」と起用理由について話す。
また、「このドラマの成功の鍵って、小路さんがどれだけ魅力的で、どれだけ愛されるかってところだと思っていた」といい、「そこを違和感なく、幅広い感情の振れ幅を演じ分けてくれる人は誰がいるだろうかと考えたときに、いろいろなドラマでバイプレーヤーとして、幅広い役をやってこられて、コメディーもシリアスな演技も定評ある眞島さんがぱっと浮かんだ」と明かす。
「『眞島さんにお願いしてよかった』と撮影初日から思いました」と話した小島さん。「ほかの皆さんもそうなんですけど、期待以上というか。キャストさんもスタッフも、『この作品をいいものにする!』っていうことに対して、みんなが思いをもってくれているなという感じがあった。議論はしつつも、皆で盛り立てて、笑いが起きたりもして……すごくいい空気でした」と感謝の思いを語る。
「(藤原大祐さん演じる)真純くんのセリフに、『気持ちが届くって幸せ』ってあるんです。企画書を出したのは私だけど、プロフェッショナルな人たちがそれぞれ最高の仕事をして、思い描いていた以上の作品にしてくださった」と思いを語った小島さん。「(ドラマを見た人が)それぞれの人生を肯定できるきっかけになったりとか、ちょっとでも元気が出るようなきっかけになるようなことがあったら、そんな幸せなことはないです」と続ける。
9月10日放送の最終回では、「しばらく小路さんと会えないです」というケンタ(今井翼さん)の言葉がよぎり、心が晴れない小路(眞島さん)の姿が描かれる。小路は、ケンタへのサプライズにと応募し当選した“パグ太郎ドリームショー先行体験”のCMを見ては、切なくなるのだった……。
一方、真純(藤原大祐さん)のもとには、出版社からマンガ家デビューに向けて話がしたいとの連絡が。真純は、鳴戸(桐山漣さん)に、うれしくも不安な胸の内を明かし……と展開する。
全5回の物語も、きょうの放送で最終回。SNSでは、すでに「続編希望」の声が上がっている。小島さんに、「続編を期待してもいいですか?」と尋ねてみた。「ありがたいことにいろいろな方にそうおっしゃっていただいて。脚本家の坪田(文)さんも『(今作の脚本を)無限に書けるよ』と心強いことをおっしゃってくれているんです。今回、視聴者の皆様のお声があったからこそ実現したことはたくさんありますし、私自身、先に繋がっていけばと願っています」。
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