山本千尋:香取慎吾のすごみを実感 三谷幸喜とは「信頼関係を築きたい」 新世代アクション女優が受けた刺激

テレビ
ドラマシリーズ「誰かが、見ている」に出演する山本千尋さん

 特撮ドラマ「ウルトラマンジード」のヒロイン・鳥羽ライハ役などで知られる女優の山本千尋さんが、香取慎吾さんと三谷幸喜さんがタッグを組んだAmazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」で、シットコム(シチュエーションコメディー)に挑戦した。山本さんは、「香取さんは舞台に出た瞬間にお客さんの心をわしづかみにしてしまう。香取さんと三谷さんの間には深い信頼関係があることも伝わってきて、私もいつか三谷さんとそういった関係を築けたらうれしい」と語る。“新世代アクション女優”として活躍している山本さんに、今作で受けた刺激や今後の夢を聞いた。

 ◇三谷作品に初参加「気合が入った!」

 今作はアマゾンが企画から参加した日本オリジナルドラマシリーズの第1弾。何をやってもドジばかりで予想もしない失敗を繰り返す主人公・舎人真一(香取さん)と、書斎の壁に偶然発見した“穴”から、真一の生活をのぞき見するのをひそかな楽しみとしている隣人・粕谷次郎(佐藤二朗さん)を中心に巻き起こるドタバタを描く。山本さんは、のぞき穴と父のひそかな楽しみに気づき、真一の不思議な魅力のとりことなってしまう次郎の娘・あかねを演じた。

 三谷作品への出演は初めてという山本さんは、「三谷作品といえば、誰もが一度は見たことがあって、ベテランの俳優さんが出ていらっしゃるイメージがあり、まさか自分がキャストに選んでもらえるとは思いませんでした。本当にうれしかったです!」とオファーを喜びつつ、「とにかく皆さんに食らいついていこうと必死。『皆さんの何倍も頑張らないといけない!』と気合が入りました」と前のめりで取り組んだという。

 現場は、観客の前でほぼノンストップで撮影するライブ感あふれるものだった。心地よい緊張感と共に撮影に臨んだというが、支えとなったのは現場に流れる温かな空気だった。

 「三谷さんは、経験の浅い私のために、皆さんのリハーサルとは別に、マンツーマンのリハーサルをしてくださったんです。そこでは、三谷さんが香取さんの役をやるなど、すべてのお芝居に付き合ってくださって、あらゆる動きやせりふのレッスンをしてくださいました。ものすごくぜいたくですよね!」と目を輝かせ、「私の緊張をほぐすために、いろいろな工夫もしてくださいました。現場でも三谷さんが誰よりも笑ってくださるので、常に温かい空気に包まれていました」と感謝する。

 父親役の佐藤さんの作品に向かう姿勢には、コメディー演技において学ぶものがあったという。「二朗さんもたくさんアドバイスをしてくださいました。コメディーというと『アドリブが多いのだろう』と思われるかもしれないですが、二朗さんの台本にはメモがびっしりと書かれていて、『こういうことをしたら面白いかもしれない』という引き出しをいくつも考えていらっしゃるんです。面白いものを生み出すためには、アイデアを持って現場に臨むことが大事なんだと感じました」と明かす。

 ◇香取慎吾は「一瞬にしてお客さんの心をわしづかみにする」

 あかねは、香取さん演じる真一の魅力のとりこになってしまう役どころ。山本さん自身も、香取さんの芝居に魅了されたという。「香取さんは、舞台に出た瞬間にお客さんの心をわしづかみにしてしまうんです。その力は、本当にすごいなと思いました。お客さんも『何が始まるんだろう』という緊張感を持って、観客席に座っていらっしゃったと思います。でも、香取さんが出てきた瞬間にその緊張感がなくなって、真一が動いて話し出したら、面白いことの連続。香取さんはお客さんの反応をよく見てらっしゃって、まるでお客さんとの間で“コールアンドレスポンス”が出来上がっているようでした。私自身、香取さんのお芝居のとりこになりましたし、真一を見て、何度も涙が出るほど笑いました」と声を弾ませる。

 香取さんと三谷さんといえば、2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」をはじめ数々の作品でタッグを組んできた。山本さんは「友情や愛情とも言えるような、お二人の深い信頼関係を感じました」と明かす。「香取さんは『三谷さんはきっとこう思っているだろう』『これを求められているのだろう』と察知する。三谷さんも『香取さんがこういうことをやったら面白い』という目で、香取さんを見ていらっしゃる。私もいつか三谷さんとそういった関係を築けたらうれしいなと、うらやましく思いました」と、大いに刺激を受けたという。

 ◇コロナ禍で改めて強くした女優業への思い

 山本さんは幼い頃から武術太極拳に親しみ、世界ジュニア武術選手権大会で金メダルを2度獲得した経験を持つ。その実力を生かし、アクション女優としての地位も確立している。「三谷さんからは、冗談交じりに『せっかく世界チャンピオンのスキルがあるのに、まったく生かせない役でごめんね』と言われて(笑い)。でもあかね役には『普通の女の子だと思っていたら、キレキレの動きをするというギャップがあるとうれしい』と言われたので、私も武術のネタを考えて、役に取り入れてみました。それはきっと、『体を動かすと緊張がほぐれる』という三谷さんのお気遣いだったと思うんです」と話し、今作でもキレキレの動きを見せていることを明かした。

 さらに「今回、夏木マリさんに武術の指導をさせていただく機会があって! 私は名前が“千尋”なので、(スタジオジブリの劇場版アニメ)『千と千尋の神隠し』に出演していらっしゃった夏木さんとこんなふうにお話ができるなんて、大感激でした!」とうれしそうに語る。

 「武術をやっていたお陰で、今回も打ち上げの場所や、舞台の幕間に武術を披露させていただくことができて、そういった面でも存在感をアピールすることができました。やっていてよかったなと思います」と武術の経験が、新たな出会いにもつながっているようだ。

 夢は「時代劇やハリウッド映画に出ること」という山本さん。「夢や目標がずっと増え続けているんです」と笑い、「今回シチュエーションコメディーに参加させていただいて、もっとコメディーもやってみたいと思いました。また三谷さんとご一緒できるように頑張ろうという目標もできました」と目を輝かせる。

 コロナ禍において、「お芝居ができない状況も続き、いかにこれまでの生活が恵まれていたのかが分かりました」と改めて女優業への思いも強くした。

 「焦りやもどかしさを感じることもありましたが、その気持ちをコントロールして勉強につなげようと思いました。その期間のお陰で『今の自分にはどんな準備、工夫が必要なんだろう』と考えることができたんです」と言い、「三谷さんに教えていただいたように、声に出してお芝居のレッスンをしてみたり、本を読んだり、武術においてももっとレベルアップできるのではないかと、自宅できることをいろいろとやってみました。またここで新しいスタートが切れる気がしています」と前向きに語る。チャレンジ精神あふれる山本さんの今後の活躍が楽しみだ。

 Amazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」は、9月18日から動画配信サービス「Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)」で配信。

 (インタビュー/成田おり枝)

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