麒麟がくる:“悲劇の剣豪将軍”がハマり役に! 向井理“足利義輝”「夏の終わり」まで…

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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第24回の一場面 向井理さん演じる足利義輝 (C)NHK

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)で、室町幕府第13代将軍・足利義輝を演じてきた向井理さん。9月20日放送の第24回「将軍の器」では、義輝の壮絶な最期が描かれるという。向井さんは、役を演じるにあたり、「没落してゆく将軍家を感じながら、武家の棟りょうであるプライドも持ち合わせているところ」を大切にし、また「13代目まで続いてきた重みと、いずれ滅びる儚(はかな)さを両立させることは意識してきました」と語っていたが、にじみ出る悲哀と孤独さは視聴者を大いに引きつけた。ここでは、まさにハマり役となった義輝の名場面を振り返りたいと思う。

 ◇ビジュアルには勇ましい甲冑姿 タイトルコールで光秀に「道」を示し… 

 室町幕府第13代将軍の足利義輝は、塚原卜伝にも師事したといわれる剣豪。父・義晴とともに、混迷する京の情勢に翻弄(ほんろう)され、近江と京を出入りすることを余儀なくされた悲劇の将軍で、三淵藤英(谷原章介さん)を通じて、光秀(長谷川さん)と知己を得る。キャストビジュアルのキャッチコピーは「悲劇の剣豪将軍」。向井さんの勇ましい甲冑(かっちゅう)姿を目にすることができる。

 初登場は、2月16日放送の第5回「伊平次を探せ」だった。同回は、斎藤道三(本木雅弘さん)の命を受けた光秀が、鉄砲の作り方に加え、なぜ将軍家が鉄砲を大量に必要としているのか探るべく、再び京へ向かう。腕利きの鉄砲鍛冶・伊平次(玉置玲央さん)を捜しにやってきた本能寺で光秀は……と展開。義輝は、細川藤孝(眞島秀和さん)と対峙(たいじ)していた光秀の前に馬に乗って現れると、その威光によって、2人の斬り合いを止め、さらに「見事な太刀さばきじゃ」との褒め言葉を残して去って行った。

 そんな義輝が、光秀に「道」を示したと言われるのが、3月29日放送の第11回「将軍の涙」。タイトル通り、義輝役の向井さんの静かな熱演が話題となった。同回の終盤、義輝が自分の力不足ゆえ、平和をもたらすことのできないことへのふがいなさと諦観をにじませつつ、王が仁のある政治を行うときに必ず現れるという聖なる獣「麒麟」について語るシーンで、約2分間にわたる長ぜりふは視聴者の心を震わせた。

 戦が絶えないことを「わしの力が足りぬゆえ、世は平らかにならぬ」と嘆く義輝は、父・義晴から子供のころに聞かされた好きな話として、「強い子になれ。声は大きく、よい耳を持ち、よく学べ。さすれば立派な征夷大将軍となろう。世を平らかにできよう。さすれば、麒麟がくる。この世に麒麟が舞い降りる」と語ると、「この世に誰も見たことのない麒麟という生き物がいる。穏やかな世を作れる者だけが連れてこられる、不思議な生き物だという。わしは、その麒麟を連れてくることができぬ。無念じゃ」と涙をこらえる。

 ここで義輝は、気を取り直して戦寸前の織田と今川に遣いを出し、和議を命じることを光秀に約束。さらに「十兵衛、麒麟がくる道は遠いのう」と呼びかけると、SNSでは「将軍によるタイトル回収……!」「将軍様、お美しくタイトルコール!」「義輝さま~『麒麟がくる道は遠いのう』泣ける」「向井様が神々しかった」「向井理の公方様、すばらしい!」「麗しい将軍様の涙に見ほれてたら、もう43分経ってた」といった声が上がった。

 ◇本編再開で“やさぐれモード”? 関白・近衛前久と緊張感のあるやりとりも

 義輝は約3カ月ぶりの本編再開となった8月30日放送の第22回「京よりの使者」にも登場。このときは関白・近衛前久(本郷奏多さん)を前に、すっかりやさぐれた姿を披露し、視聴者の関心を誘った。

 前久から「何故じゃ? 何故、義輝殿は改元の申し出をなされぬ?」「今年は60年に一度の甲子の年。この年はいにしえより必ず改元を行ってまいった。帝(みかど)に改元のお伺いを立てるのは代々将軍家の務めであるぞ。それをせねば改元はできぬ。前代未聞のことじゃ。将軍の名に傷が付く」などと苦言を呈されると、義輝は「それがしを将軍と思われますか? 京を治めているのは誰であろう。私ではない。三好長慶です。私には何の力もない」「将軍などと名ばかり。帝も私を軽んじておられます」などと反論。

 徐々に感情を高ぶらせると「帝は私に何も知らせず、勝手に永禄に改元あそばされた。軽んじている証拠。悔しゅうて……」「あのときから私は帝を信用しておりません。帝が何ほどのものですか。武家の後ろ盾がなければ何もできぬではありませぬか」と発言。ここで前久は「言葉がすぎる!」ととがめるも、聞く耳を持たない義輝は「私は改元など知りませぬ」と言い放ち、その場を去ってしまう。

 オープニングタイトルバック前の導入シーンでありながら、重厚かつ緊張感のあるやりとりに「『麒麟がくる』が帰ってきた!」と感じた視聴者も多かったのではないだろうか。

 ◇そして、夏は終わった… 「遅かった」「十兵衛、また会おう」にもらい泣き

 そして、前週9月13日に放送された第23回「義輝、夏の終わりに」である。ここでは、義輝が涙ながらに光秀(長谷川さん)に向けて発した「欲を言うと、もそっと早うに会いたかった。遅かった!」や「十兵衛、また会おう」といった言葉にもらい泣きする視聴者が続出する。

 第23回は、上洛(じょうらく)を求める義輝の文を手に信長(染谷将太さん)の元に向かった光秀。しかし、肝心の信長は美濃攻めに苦戦しており、話どころではなかった。代わりに取り次ぎを任された藤吉郎(佐々木蔵之介さん)から、京で三好長慶(山路和弘さん)の子らによる義輝暗殺計画のうわさがあると聞く。裏で糸を引いているのが松永久秀(吉田鋼太郎さん)であると知り、衝撃を受ける光秀。すぐに大和の松永の元を訪ね、その真意を問いただすも、松永は「義輝はもはや将軍の器ではない、このままでは世が治まらないので、殺しはしないが追放するつもりである」と告げる。

 やがて光秀の訪問を受け、頼みの綱の信長の上洛も期待できないと知り、一人諦観する義輝。すでに三淵藤英、細川藤孝といった家臣もそばを離れていて、「やむを得ぬ、皆、戦に忙しいのじゃ。もはや和議を命じても誰も応えぬ。都がこれほど寂しいところとは知らなかった」と孤独をにじませると、庭を眺めながら「夏は終わった……わしの夏は……」とぽつり。ここで義輝は「十兵衛、越前へ帰れ。短くはあったが、ようわしに仕えてくれた。礼を言うぞ」としながらも、「欲を言うと、もそっと早うに会いたかった。遅かった!」と涙ながらに本音が爆発。最後に「十兵衛、また会おう」とかみ締めるように伝えると、光秀は涙をこらえ「はっ」とうなずくしかなかった……。名シーンの誕生である。

 義輝役の向井さんは同シーンについて、「義輝の『遅かった!』という言葉には、光秀ともっと早く分かり合える関係になりたかったという思いだけでなく、何か達観した、覚悟のようなものがあったように思います。将軍とはいえ一人の人間。その危うさのようなものが感じられ、とても感慨深いシーンになりました」とコメント。SNSでは「つれえ」「『また会おう』があまりに切ない」「泣かないで(涙)」「上様の夏は終わった(涙)」「あぁ、もう涙なしには見られない」「生ある限り、また会おう。この言葉が重たい……」 「また会おうって(号泣)。切なすぎる」「号泣なんだが……」といった感想が次々と書き込まれた。

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