麒麟がくる:“摂津晴門”片岡鶴太郎が見せる期待通りの悪役ぶり 「幕府のラスボス」を多彩に表現

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で摂津晴門を演じる片岡鶴太郎さん (C)NHK
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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で摂津晴門を演じる片岡鶴太郎さん (C)NHK

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)に、摂津晴門(せっつ・はるかど)役で出演している片岡鶴太郎さん。10月18日放送の第28回「新しき幕府」に初登場すると、即座に「あっ、コイツは絶対に悪いヤツだ」と思わせる、期待通りの悪役ぶりを披露し、視聴者からも「さすが!」の声が上がった。第28回から本格的にスタートした「京~伏魔殿編」の盛り上がりの一翼を間違いなく担う、“分かりやすい悪”摂津役の片岡さんに求められたものとは……。

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 ◇信長から罵倒され、分かりやすく復讐を誓った摂津晴門

 摂津晴門は幕府政所頭人。義輝(向井理さん)、義昭(滝藤賢一さん)にいたるまで室町幕府の執務を取り仕切る。幕府の存続を第一に考える保守的な人物で、信長(染谷将太さん)とともに上洛(じょうらく)した光秀(長谷川さん)と幕府のありようをめぐって、ことあるごとに対立する。ビジュアルのキャッチコピーは「老獪(ろうかい)な室町幕府官僚」だ。

 初登場となった第28回で、新たに将軍の座についた義昭が三好勢に襲撃を受けた際の幕府の対応に激怒した信長から罵倒された摂津。その場では慌てふためき縮こまってみせたが、裏では信長に対して「成り上がりの分際で、満座でわしに恥をかかせおった。今に見ておれ~、一泡吹かせて、見せようぞ~」と分かりやすく復讐(ふくしゅう)を誓っていた。

 片岡さんも自身の役どころを「プロデューサーの方からは、『今回悪役です』と言われました。物語のステージが変わっていく中で、後半戦の盛り上がりの1パートをご指名いただいた感じがします」ときっちりと認識していた。

 ◇抜き差し、小芝居で“単調さ”回避 求めたのは「多彩な表現の積み重ね」

  「麒麟がくる」の チーフ演出・大原拓さんは、今回の摂津を「幕府のラスボス」と位置づけた上で、片岡さんのことを「鶴太郎さんとは10年近く、仕事でご一緒してきて、その都度(演技を)変えてくれる。コメディーの部分とシリアスな部分を巧みに使い分けることができる」と評価する。

 また「基本的にはシリアスで、常にそこに何か裏があるというふうに見せていきたいと、鶴太郎さんとは話しました」といい、「(2014年の大河ドラマ)『軍師官兵衛』のときは、変わり身の早い、どっちつかずの、優柔不断な小寺政職(こでら・まさもと)を演じていただきましたが、今回は悪い人で一本。ただ悪い人をストレートに演じてしまうと単調になってしまうので、悪い人を前面に出しつつ、抜き差し、小芝居含めて、いろいろな表情と表現をしてもらいたくて。すでに28回の中には、ジトーッとした感じから、おびえたり、ギラついたり、三つ、四つの表現があって、そういった要素を積み重ねていってほしいとお願いしました」と明かす。

 さらに大原さんは「壊して改革していく」信長や光秀に対しての、「壊されてたまるか」という“古き摂津晴門”を「楽しんでもらえたら」と語った。

 10月25日放送の第29回の副題は、そのものズバリな「摂津晴門の計略」。片岡さんが多彩な表現で見せる「幕府のラスボス」摂津晴門の悪役ぶりに、引き続き注目だ。

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