ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
人気アニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズの20周年記念作で、オリジナルスタッフが製作する劇場版アニメ「魔女見習いをさがして」(佐藤順一監督、鎌谷悠監督)が、11月13日に公開される。「おジャ魔女どれみ」世代の3人の女性がヒロインで、春風どれみら魔女見習いたちが登場することも話題になっている。1999年にスタートしたテレビアニメ第1期からどれみの声優を務める千葉千恵巳さんは「どれみと一緒に成長した」と感じているという。当時のアフレコ秘話、「おジャ魔女どれみ」の魅力、新作「魔女見習いをさがして」への思いを聞いた。
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「おジャ魔女どれみ」は、魔女見習いになった主人公のどれみと、仲間たちが一人前の魔女になるための修業の日々が描かれた。テレビアニメ第1期が1999年2月~2000年1月、第2期「おジャ魔女どれみ♯(しゃーぷっ)」が2000年2月~2001年1月、第3期「も~っと! おジャ魔女どれみ」が2001年2月~2002年1月、第4期「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」が2002年2月~2003年1月に放送された。「魔女見習いをさがして」は、22歳の教員志望の大学生の長瀬ソラ、27歳の会社員の吉月ミレ、20歳のフリーターの川谷レイカが主人公で、子供のころに「おジャ魔女どれみ」シリーズを見ていた3人が出会い、一緒に旅に出ることになる。
「おジャ魔女どれみ」シリーズの新作が作られると知った時、千葉さんは「ファンの皆さんを裏切ることになったらどうしよう」と不安もあったと明かす。千葉さんら「おジャ魔女どれみ」の声優陣は「魔女見習いをさがして」の詳しいストーリーは知らず、東映アニメーションの関弘美プロデューサーからも「大丈夫、どれみたちも出るから」としか聞かされていなかったという。その後、「おジャ魔女どれみ」世代の3人のヒロインがメインのストーリーが描かれることを知ることになった。
「普通に考えたら『おジャ魔女どれみ』の世界で、あのメンバーが走り回っている映画を想像するじゃないですか。それが違うんだと。ファンの皆さんを裏切ることになったらどうしようと思って、ドキドキしていたんです。でも、完成した『魔女見習いをさがして』を見て不安は解消しました。キャラクターたちの顔、音楽だったり、あの世界観が『おジャ魔女どれみ』のまんまだった。3人のヒロインがあの世界観、空気感に溶け込んでいた。すごく難しい表現だとは思うのですが、それを佐藤監督、鎌谷監督が見事に描いてくれていました。当時子供だった子たちが大人になった物語を描くとしたらこうなるんだ、なるほど、すごいなと思いました」
「魔女見習いをさがして」では、どれみたち魔女見習いがそろって、テレビシリーズではおなじみの「ハッピーラッキーみんなに届け」というせりふを言うシーンがある。千葉さんは「あのせりふをみんなで言うのは、この映画がはじめて」という。
「『ハッピーラッキーみんなに届け』は、私がテレビシリーズの予告の最後で言うせりふだったので、ほかのメンバーは言ったことがないんです。だから、アフレコではなかなかそろわなかったですね(笑い)。私がちゃんとしたリズムで言っていればよかったんですけど、そうじゃなくてやりたいようにやってしまっていたから、微妙なところを合わせるのが大変でした。最初はみんな『合わせよう』という意識が強くて、関プロデューサーからも『それでは気持ちが伝わらない』と。合わせるよりも『気持ちを大切に』と言われて、みんなが『なるほどそうか』となって演じたらOKが出ましたね」
千葉さんら「おジャ魔女どれみ」声優陣は、テレビシリーズ終了後もさまざまなイベントで顔を合わせることが多く、今も「すごく仲がいい」という。
「不思議なのが、1年ぶりぐらいにみんなと会っても『昨日も一緒にいたよね』という空気感なんですよね。20年前のあの時に戻れる。それは他の作品にはない感じだと思います。20年もたっている気がしないから、当時見ていた世代が大きくなって、しっかりお仕事をしているというのも不思議な感じなんですよ」
今も変わらず多くの人に愛される「おジャ魔女どれみ」。千葉さんはその魅力を「どれみたちは魔法が使えるのに、いろいろなことを魔法で解決しない。一人一人が持っている力で乗り越えていく」と語る。
「『おジャ魔女どれみ』って、魔法少女ものなんですけど、毎回何か問題が起きても魔法で解決しないんですよ。最終的にはそれぞれの人間力、一人一人の力で乗り越えていったり、解決したりする。そこがやっぱり今も愛される理由なんじゃないかな。誰にでもある日常の一コマを描いていて、見ている人が『あの時、どれみちゃんたちはこういうふうに解決していたな』『悪いなと思ったらちゃんと謝っていたな』とヒントがある。そこが新しい映画になっても変わっていない。最終的には『一人一人が持っている力で乗り越えていけるよ』というのがどれみの世界のキーであって、それが今もきちんと描かれていることにすごく感動しました」
声優の仕事を始めて間もない頃にどれみを演じることになった千葉さん。自分にとってどれみはどんな存在となっているのだろう。
「どれみと一緒に成長しました。声優というものが何かも分からない状態で入って、現場でいろいろ教えてもらいましたし、作品の中で『あ、そういうことなんだ』と、どれみとして気付くこともたくさんありました。一緒に成長させてもらえた作品ですね」
「魔女見習いをさがして」は、3人のヒロインたちが魔女見習いの呪文を唱えるシーンも見どころの一つだ。千葉さんは、テレビシリーズのアフレコで「一番大変だったのが呪文」と明かす。どれみの呪文「ピリカピリララ ポポリナペペルト」の誕生秘話とは……。
「テレビシリーズの本当に最初のアフレコの時なんですけど、台本に『ピリカピリララ ポポリナペペルト』とカタカナでばーっと書いてあって、『何パターンか言い方を変えて読んでみて』と言われたんです。『え? このカタカナをどう変えます?』みたいな(笑い)。しかも、ほかのメンバーは後ろに座って待っているわけですよ。マイク前に一人で立って『そんな引き出しはないぞ』と思いながらも頭をフル回転させて、『1個ずつ音を伸ばすところを変えてみようかな』という荒業をやったら、その一つが採用になりました。それが私の中で一番の山場でした」
その後、他の声優陣も呪文の収録をしたそうだが、「私がやった後なので、『一個一個伸ばすところを変えてみたらいいや』となったそうです(笑い)」と話す。そのなかでも、瀬川おんぷ役の宍戸留美さんは、呪文の収録で「一発OKだった」といい、「すごい、おんぷちゃん!と思いましたね」と振り返る。
「魔女見習いをさがして」で3人のヒロインが呪文を唱えるシーンを見て「素晴らしい」と感じたという。
「例えば、あいちゃん(妹尾あいこ)の呪文をあいちゃんの言い方でいうのではなく、大人になった今の彼女がいう呪文として唱えていました。せりふは一緒でも全然違う、彼女の呪文になっていた。普通に呪文を言おうとすると、あの言い方になりそうだけど、寄せてこなかったところが素晴らしいなと。『大人になった私が唱える呪文だから』というところがすごく表現されていました」
千葉さんは「おジャ魔女どれみ」がそうであったように「魔女見習いをさがして」にも「今悩んでいることを乗り越えるヒントがある」と語る。
「そういうヒントがすごく自然に物語の中にあって、見てくれた人の背中をちょっと押すきっかけになるような作品だと思います。楽しい明日を迎えられるような、すごくいい作品だと思うので、ぜひたくさんの人に見ていただきたいですね」
千葉さん演じるどれみたちが勇気や元気をくれたように「魔女見習いをさがして」も「楽しい明日」に進んでいく力を与えてくれるはずだ。
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