わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
女優の木村文乃さん主演の連続ドラマ「七人の秘書」(テレビ朝日系、毎週木曜午後9時)の勢いがすごい。10月22日に放送された第1話は平均視聴率(世帯)が13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。2桁の好発進を切り、第2話13.7%、第3話13.4%と13%台を維持し、11月12日放送の第4話で14.8%と番組最高を更新した。夏ドラマと比べて、全体的にスロースタートとなった民放の秋ドラマの中にあって、とりわけ視聴者の支持を得て“筆頭格”に躍進した理由を探った。
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ドラマは、東都銀行の常務秘書・望月千代(木村さん)ら秘書たちで構成される“影の軍団”が、金や権力にまみれた非情な支配者たちを一掃し、理不尽だらけの日本社会を裏から変えていく様を描く。秘書たちは、普段は秘書として自らの上司に忠実に仕える一方、裏では副業として人助けを請け負う。だが影の軍団としての仕事では、たとえ自らの上司にあたる人物でも、悪事に手を染めていれば容赦なく懲らしめる。完全な勧善懲悪もので、心苦しい思いをしてきた秘書たちが、悪者を鮮やかに成敗する様は見ていて爽快だ。
作品を彩る豪華なキャスト陣もポイント。木村さん以外の“影の軍団”のメンバーは、広瀬アリスさん、菜々緒さん、シム・ウンギョンさん、大島優子さん、室井滋さんがそれぞれ演じる。そして、影の軍団の元締めで秘書と共に人助けを請け負うラーメン店「萬」の店主・萬敬太郎役を江口洋介さん、影の軍団に立ちはだかる物語の黒幕・粟田口十三役を岸部一徳さんが務めている。
木村さんをはじめ、数々の映画、ドラマで主役級の活躍を見せる女優陣の芝居は華やかで見ごたえ十分。表では、腹に一物抱えながらも秘書として組織の中で懸命に働きながら、裏では影の軍団として存分に悪を退治するさまは、見ていても「必殺仕事人」や「チャーリーズ・エンジェル」などに通じるカタルシスがある。また、そんな売れっ子女優たちによる毎話幕間の“水着シーン”も話題を呼んでいるようだ。
もちろん豪華キャストをそろえた勧善懲悪のストーリーにしただけで視聴率が取れるわけではない。「ドクターX~外科医・大門未知子~」(同局系)、「ハケンの品格」(日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説「花子とアン」など、数々のヒットドラマを生み出してきた名手・中園ミホさんの筆による設定とストーリーとの“さじ加減”が絶妙なのだ。秘書たちがそれぞれ抱える悲しい過去や謎といったさまざまなバックボーンを仕込みつつ、「ドクターX」のように一話完結の作品としても十二分に楽しめる。そうした作品としての懐の深さが多くの視聴者に受け入れられているのだろう。
物語は、11月19日放送の第5話から後半戦に突入。第5話では“黒幕”の粟田口十三が、突然「ラーメン萬」に現れ、萬、“影の軍団”と対峙(たいじ)する。「7人の女弁護士」「刑事7人」などテレビ朝日には7人の名を冠する名作ドラマが多いが、「七人の秘書」も、新たに伝統の“7人シリーズ”の系譜に名を連ねる名作になるか、今後にも注目したい。
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