井川遥:「おちょやん」で千代憧れの女優・高城百合子に 自身と「対極」の存在

NHK連続テレビ小説「おちょやん」に高城百合子役で出演している井川遥さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おちょやん」に高城百合子役で出演している井川遥さん (C)NHK

 杉咲花さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」に、第2週「道頓堀、ええとこや~」(12月7~11日)から出演している井川遥さん。演じているのは、ヒロイン千代(杉咲さん)の憧れの女優・高城百合子。その美貌と情熱的な演技で観客を魅了し、芸術のために自由な人生を突き進む姿に、千代は大きな影響を受ける。「純情きらり」(2006年)、「半分、青い。」(2018年)に続き、今作で3度目の朝ドラ出演を果たした井川さんが現在の心境を語った。

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 ◇3度目の朝ドラ 「純情きらり」で杏姉ちゃん、「半分、青い。」でひしもっちゃん

 「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優の浪花千栄子さんの人生をモデルにしながらも、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描く、103作目の朝ドラ。

 主人公の竹井千代は、明治の末に大阪・南河内の貧しい家に生まれ、9歳で道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。多くの芝居小屋が建ち並ぶ街で、華やかな芝居の世界に魅せられた千代は、自らも女優を目指すようになる……というストーリーを展開する。

 今作で3度目の朝ドラ出演となる井川さんは、「多くの方の生活の中にある朝ドラに出演できるのは、やはり特別な喜びがあります。勇気やひたむきさ、主人公の生き方に見ている私たちが背中を押される。朝ドラにはそんな魅力がありますよね」話す。

 井川さんは、「純情きらり」ではヒロインの姉・杏子を演じ、「半分、青い。」では「ひしもっちゃん」の愛称で親しまれた秘書・菱本若菜を好演。「出演した時は必ず、『杏姉ちゃん』『ひしもっちゃん』とその役名で呼ばれるのもうれしいんです」と朝ドラ出演を喜ぶ。「お話をいただいて、今回は人の何倍もの濃い人生を歩んだ女性を演じるので、私自身がタフで、エネルギッシュでなければと思いました」と百合子を演じる上での意気込みを明かした。

 ◇百合子は自分のやり方にまったく迷いがない 自分とは「対極」の存在

 百合子の役どころについて「今回演じる百合子は、千代が憧れるスター女優。この時代に女性が社会進出をして、芝居の道に進むのはいばらの道だったと思いますが、力強く切り開いていく新しい女性です。百合子は自分のやり方にまったく迷いがない」と説明する井川さん。

 自身と百合子を比べて「私自身はいつもこれでいいんだろうかと考えてしまう方なので、対極にあるような気がしますね」と明かす一方、「時代の変化や弾圧などさまざまな時代背景の中で、臆することなく突き進み、命がけで生きる姿は本当に驚くばかりです。千代もそのすさまじいエネルギーや、舞台の高揚感、臨場感に雷に当たったみたいに魅(ひ)きつけられたんですよね」と百合子の魅力を語った。

 また、「梛川(善郎)監督からは、芝居をしているときの口調と普段とが変わらない根っからの女優で、スターなんだとアドバイスをいただいています」とやり取りを明かし、「誇り高さや優雅さを醸し出せたらと思います」と意気込む。さらに百合子を演じる上で「往年の女優さんのインタビューなども拝見しました」と役作りの裏側も語った。

 最後に視聴者に対して「今年はさまざまな困難なことがありましたが、千代が前向きに立ち向かっている姿はきっとエールになると思います。笑いと涙、人情味あふれるすてきな作品です。この時代を毅然(きぜん)と道を切り開いた一人の女優の生き方と、ちょっと天然でつかみどころのないおかしみの部分もあわせて百合子の魅力として楽しんでもらえたらと思っています」と呼びかけた。

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