麒麟がくる:染谷将太「『織田信長』という亡霊から解放された」 歓喜と興奮に包まれていた“最期”

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」最終回のワンシーン 染谷将太さん演じる織田信長 (C)NHK
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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」最終回のワンシーン 染谷将太さん演じる織田信長 (C)NHK

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)最終回(第44回)「本能寺の変」が2月7日に15分拡大版で放送された。同回では、副題通り「本能寺の変」が描かれ、信長役の染谷将太さんは、「本能寺のシーンでは、攻めてきたのが光秀(長谷川さん)であったことへの喜び、悲しさ、切なさが入り交じった複雑な感情が巻き起こりました」と明かした。

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 染谷さんによると、「やっと、自分が自分から解放される。『織田信長』という亡霊から解放されるという安堵(あんど)」があったといい、「だったらもう、最後の戦を思いっきり楽しもう、と。最期のときは、相手が光秀という歓喜と興奮に包まれていたように思います」とも告白。「信長の人生が幕を閉じる、1年以上演じてきた信長が終わると思うと、僕自身も興奮したし、同時に切なさも感じました」と振り返った。

 また、信長が光秀に「そなたが、わしを変えたのじゃ!」と言い放ち、将軍・義昭(滝藤賢一さん)を「殺せ」と命令するシーンについても言及。「二人が対峙(たいじ)する最後のシーンです。信長は自分のことしか見えていません。演じながら、その場に自分ひとりしかいないような、真っ白な何もない世界にいるような孤独感を感じました」と話すと、「そして、救いようのない悲しみも……。そんな信長を凝視する光秀。そのときの光秀の目を見て、もう信長は殺されたと感じました。それほどの眼光でした」と語った。

 最後に「撮影が終わり、今は普段の生活に戻ってきた感じがしています。1年半という長丁場を振り返ると、やはり異質な時間でした。撮影時はもちろん、撮影を離れていても、どこか頭の片隅でいつも信長がぐるぐる回っている感覚がありました」という染谷さんは、「そんな異質な時間から得たものは、間違いなく自分の宝です。長谷川博己さんをはじめ、『麒麟がくる』の共演者、スタッフの皆さん、そして作品を楽しんでくれた皆さん、本当にありがとうございました!」と感謝の言葉で締めくくった。

 最終回は、宿敵・武田家を打ち滅ぼした戦勝祝いの席で、光秀は信長から理不尽な叱責を受け、饗応役(きょうおうやく)の任を解かれる。追い打ちをかけるように信長は、光秀と縁深い四国の長宗我部征伐に相談もなしに乗り出すと告げる。

 戸惑う光秀に信長はさらに、「備後の鞆(とも)へ向かえ」と告げると、鞆にいる将軍・義昭を「殺せ」と究極の命令を突きつける。将軍を討てば「戦が終わる」と考える信長に光秀は「殿は戦の度に変わってしまった」と、その行き過ぎた態度をいさめるが、信長は「己を変えたのは戦ではなく光秀自身だ」と冷たく言い放つ。

 やがて光秀は伝吾(徳重聡さん)、左馬助(間宮祥太朗さん)、斎藤利三(須賀貴匡さん)の3人の重臣に「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す」と謀反の決意を伝える。信長を討ち、心ある者と手を携え、世を平らかにすることが自分の役目であると考える光秀は、天正10(1582)年6月2日未明、軍勢を率いて本能寺を急襲する……という展開だった。

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