天国と地獄 ~サイコな2人~:クウシュウゴウ、十和田元、東朔也…新たな謎を“整理” “日高”綾瀬はるかの目的は 

連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」第7話のワンシーン(C)TBS
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連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」第7話のワンシーン(C)TBS

 初回から第6話までの期間平均視聴率(世帯)が14%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を超える女優の綾瀬はるかさん主演の連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」(TBS系、日曜午後9時)。これまでの連続殺人事件の被害者の手に書かれていた「Φ(ファイ)」に酷似した記号を意味する「クウシュウゴウ」というキーワードや、謎の人物「東朔也(アズマサクヤ)」が登場するなど、物語の中盤で新たな謎が次々と出現。混迷を深める物語を改めて整理してみた。

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 ◇「クウシュウゴウ」はすでにこの世にいない…

 ドラマは、口の中に大量のパチンコ玉が詰め込まれ、手のひらに「Φ」と書かれた田所仁志の殺害事件で幕を開けた。同じく手のひらに「Φ」と書かれ、遺体となって発見されたのが、2018年に殺害された一ノ瀬正造、田所の後に発見された四方忠良だった。

 第4話で、魂は日高陽斗(高橋一生さん)の望月彩子(綾瀬さん)がターゲットのリストを見ながら「田所仁志は『2』、四方忠良の『4』。次は何番ですかねぇ」とつぶやきながら、曇ったガラスに指で数字と「Φ」という記号を書いた。ここで、連続殺人事件のターゲットは、名前に数字が入っているという共通点が判明した。

 そして、第6話で物語が大きく動き出す。刑事の河原三雄(北村一輝さん)が、一ノ瀬殺害事件でうその目撃証言をした戸田一希から、「クウシュウゴウ」と名乗る人物が一ノ瀬の名前が入ったジムの顧客情報を買い取っていたという情報をつかんだ。その後の捜査で、「クウシュウゴウ」と登録された銀行口座の持ち主が十和田元(田口浩正さん)だと分かるが、十和田は、すでにこの世にいなかった。

 不動産屋が保管していた十和田の「死体検案書」には、推定で「2018年11月下旬」に「自殺」と明記されていた。戸田の通帳には、平成30年10月22日に「クウシュウゴウ」から振り込まれた記録があったので、金を振り込んだ後に死亡したことになる。

 ◇東朔也は十和田と日高に接点 “朔”は新月の意味も…

 第6話のラストでは、特殊清掃業者の「アズマ」が、十和田の遺品から物語の鍵をにぎるとみられるマンガ「暗闇の清掃人Φ」の原稿を持ち出したことも判明した。また、彩子<魂は日高>が「死亡届 検索」で「東朔也」と検索。日高<魂は彩子>は奄美大島の民宿の主人から、日高が奄美大島で「アズマサクヤ」と名乗っていたとことを知った。

 急に登場した十和田と東だが、関係を整理すると2018年が発端になっていることが分かる。2018年に戸田から顧客情報を入手した十和田が、同年11月下旬に亡くなり、そして東が顧客情報と「暗闇の清掃人Φ」を持ち出した。その後、何者かが一ノ瀬を殺害したということになる。ちなみに、日高が「コ・アース」社を設立したのは前年の2017年だ。

 日高が、十和田が持っていた「暗闇の清掃人Φ」を所持していることもあり、十和田と東、東と日高に何らかの接点があることは間違いない。彩子<日高>が東の名前を検索した理由が、この連続殺人事件の真相に迫る一つの鍵になりそうだ。

 また、このドラマは月が大きく関わっている。彩子と日高が入れ替わった夜は満月。そして、殺人は新月の夜に行われている。望月彩子の「望月」は満月という意味を持ち、東朔也の「朔」は新月という意味を持っているのだ。まだ、点と点の段階だが、終盤でどのようにつながってくるのか期待が高まる。

 ◇彩子<日高>の目的は? 「ミスターエックス」は清掃業者? 「十」の人物?

 十和田と東が登場したが、もう一つ気に掛かるのが、新月を迎える前夜に彩子<日高>が「会えますかねぇ、明日こそ」とつぶやいたシーン。このせりふから、日高は連続殺人事件に関係する人物と会う機会を逃していることが推測できる。新月の夜の翌朝には歩道橋の「9」という字を見て「来なかった。何かあった」と驚く姿を見せたこともあり、久米夫婦の家に忍び込んだ彩子<日高>の目的は、久米家の前に現れた男に会うためだったのだろう。

 そしてもう一つ分かったのが「暗闇の清掃人Φ」のストーリーの一部。清掃会社に勤める「Φ」が「ミスターエックス」から数字が書かれた紙を渡され、法では裁けない悪人たちを殺害していくという内容だった。劇中には度々、清掃業に関わるワードが登場してきた。日高のコ・アース社は洗浄剤の製造元。清掃業者をしていた人物は、東のほか、派遣清掃アルバイトの経験がある渡辺陸(柄本佑さん)と、陸が“師匠”と慕う湯浅和男(迫田孝也さん)だ。

 また、ミスターエックスを「ミスターX」と書くと、「X」にローマ数字の「10」の意味を持たせることもできる。事件には数字が関わっていることから、第6話までに登場している「十」が入った人物を調べてみると、十和田のほか、警視庁捜査第1課・管理官の五十嵐公平(野間口徹さん)、同課課長の十久河広明(吉見一豊さん)、そして日高の元共同研究者で現在は逮捕されている九十九聖(中尾明慶さん)がいる。ミスターエックスは清掃業に携わった人物なのか、はたまた十が入った人物なのだろうか。

 ミスターエックスの正体が一番気になるところでもあるが、これまでに“伏線”として登場していた彩子と日高の魂が入れ替わった理由、魂が入れ替わる方法、日高が奄美大島にいた理由なども明かされていない。オリジナルとして同作の脚本を手掛ける森下佳子さんが、どのような形でこれらの伏線を回収していくのか、はたまた新たな謎を視聴者に届けるのか、今後も目が離せなくなりそうだ。次回第7話は2月28日午後9時から放送される。

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