橋本環奈:出演作途切れず モチベーションを保つ秘訣明かす ドラマ「インフルエンス」で主演

ドラマ「インフルエンス」で主演を務める橋本環奈さん
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ドラマ「インフルエンス」で主演を務める橋本環奈さん

 2011年の映画「奇跡」でのスクリーンデビュー以来、10年という歳月が流れた女優の橋本環奈さん。近年は作品ごとに新たな一面を見せ、いい意味でファンの期待を裏切る活躍を続けているが、最新作となる連続ドラマW「インフルエンス」では、秘密を抱え、陰のあるヒロインを好演。作品が途切れることなく続く現状に「モチベーションをいかに保つか」と課題をあげた橋本さんが、常日ごろから大切にしていることとは――。

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 橋本さんの2020年は、公開映画が5本を数えるなど大活躍で、演じた役柄も多岐にわたり、質量ともに充実した一年だったように感じられる。そんな橋本さんの2021年、最初の作品となるのが連続ドラマW「インフルエンス」だ。社会問題など重厚なエンターテインメントを世に送り出してきたWOWOWのドラマ枠であり、橋本さんが演じた主人公・友梨も“殺人事件”が絡んだ人間関係に翻弄(ほんろう)されるというチャレンジングな役柄だ。

 橋本さん自身も「これまで重厚感がある作品が多い連続ドラマWで主演をやらせていただくことに、身が引き締まる思いでしたし、原作はもともと読んでいた作品だったので、友梨という役を演じられる喜びも大きかったです」と強い意気込みで臨んだという。

 友梨は大変な事件を巻き起こしてしまうが、本質は“地味な女の子”。橋本さんは「狂気的な部分はまったくない」という部分を芯に据え、普段の日常と事件にまつわるときのギャップを意識したという。こうした友梨の心の機微を丁寧に表現していき、これまでの連続ドラマWと肩を並べられるものになれるようにという思いで、キャラクターに向き合った。

 友梨と共に秘密を共有する親友の真帆役の葵わかなさん、幼なじみの里子役の吉川愛さんという同世代との芝居も、橋本さんにとっては大きな刺激となった。

 「今回の役は3人で作り上げていくものだと感じていました。わかなちゃんも愛ちゃんも同じように感じてくれていたようで、自然とご飯に行ったりしてコミュニケーションがとれました」と撮影を振り返ると「これまで3人とも、相手のお芝居を受けることで引っ張ってもらっていたという自覚があったようで、今回は『それぞれがお互いに引っ張り、引っ張られることで相乗効果になればいいね』と話していました。二人とも敏感に出し入れできる方だったので、すごく熱量高くお芝居ができたと思います」と感謝を述べていた。

 切磋琢磨(せっさたくま)しながら、原作の持つ重厚なメッセージをエンターテインメントに昇華していったという現場。橋本さんにとっても「すごく大きな出会いだった」と本作への位置づけを語ると、作品が途切れず続く現状について「近年は、新しい面を見せることができる役柄をいただけているので、すごくありがたいのですが、作品に臨むという部分では、いかにモチベーションを向上させるかに注力しています」と課題をあげる。

 続けて「常に100%の力を出したいと思っていますが、作品と作品の間の時間が短いと、丁寧にやりたいという思いと裏腹に、気持ちを持っていくまでの過程が難しいんですよね」と苦笑い。

 そんなときに役に立っているのが「メモを取る」ということだという。橋本さんは、常日ごろから感じたことを書き留めることが習慣化されているという。「日記というほど堅苦しいものではないのですが、忘れたくないことはもちろん、すぐ忘れちゃうようなことも感じたことを書き残すようにしています」

 メモをときどき見ることで「『このときすごく熱い思いだったな』とか、現状の自分との変化が分かるんです。変わった部分で『変わらない方が良かったな』と思えば直そうとするし、変わったことで得られたことも分かる。あとは書いてアウトプットすることで、自分の気持ちも整理できたりするんです。そうすると、また新しい気持ちで臨めるんですよね」とその効果について述べてくれた。

 フレッシュな気持ちで臨んだ意欲作。橋本さんは「原作を読んだときの面白さが、脚本にも詰まっています。とても重厚感がある作品ですが、見ていてもズーンと重い気持ちにはならない。最後まで意外性が楽しめるドラマです」と見どころを語った。(取材・文・撮影:磯部正和) 

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