ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
怪獣映画「ゴジラ」の完全新作のテレビアニメシリーズ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」。「ゴジラ」は、海外制作のテレビアニメシリーズや日本制作の劇場版アニメはあったが、日本制作のテレビアニメシリーズは初めて。「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」などの高橋敦史さんが監督を務め、芥川賞作家の円城塔さんがシリーズ構成、脚本、SF考証を担当するなど豪華スタッフが集結した。「ゴジラ S.P」は、難解な専門用語も出てくるが、意外にすんなり理解できる。理解できたような気になっているだけかもしれないが。実験的で難解なところもあるが、ユーモラスでもあり、考えれば考えるほど深みにはまっていく。まさに“円城塔ワールド”とも言える。設定も複雑なようではあるが、円城さんは「基本的に『ドラえもん』くらいのありそうで、なさそうな設定なんです」と話す。円城さんに「ゴジラ S.P」の制作の裏側を聞いた。
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「ゴジラ S.P」は、“存在しない生物”を研究する大学院生の神野銘、“なんでも屋”な町工場に務める男性技術者の有川ユンが、人類に訪れる未曽有の脅威に対して、周囲の人間たちと共に挑む物語。手描きアニメとCGのハイブリッドで、「僕のヒーローアカデミア」などのボンズ、「宝石の国」などのオレンジが制作する。TOKYO MX、BS11ほかで放送中で、Netflixでも配信中。
円城さんの参加を提案したのは、高橋監督だった。「自由な発想で制作してほしい」とオファーを受けた高橋監督の「しっかりしたSF考証、仕掛けを」という思いから円城さんに白羽の矢が立った。
「監督からテッド・チャンの『あなたの人生の物語』が原作の映画『メッセージ』みたいにしたいという話があったのですが、『ゴジラ』は『メッセージ』にはならないですよ……と。いろいろな要素、パーツがハマるパズルのように作りたい、例えば『パルプ・フィクション』のようにという話もありました。でも、『ゴジラ』は『パルプ・フィクション』にもならないですよ……と(笑い)」
「自由な発想」と言われても難しいところもある。何をやってもいいわけではない。
「映画と違って、全13話のテレビアニメシリーズなので、そもそも間が持たない、いろいろ気になるところも出てくる。テレビシリーズとしてどうやって組み立てるのか?という話をしました。例えば、ゴジラは毎年やって来る台風のようなもので、いっそ学園ものにしてしまうとか。それともゴジラ自身が『遅刻!遅刻!』と走って来るとか。僕は真面目に主張したんですけどね。あまり感触がよくなかった(笑い)。結局のところ、一度スタンダードにやっておくべきだろうということになりました。最初は、映画『第9地区』くらいのリアリティーなのかな?と話をしていました」
円城さんはSF考証も担当した。これまでの「ゴジラ」シリーズを参照しながら、設定を考えた。
「最初に『ゴジラ』を見たのは中学生の時の1984年版。その印象が強い。84年版で気になっているところを埋めていく。あんなに大きい生き物が立っているのか? 戦車砲に耐えられるのか? 昔から疑問に思っていたことから設定を広げていきました。今回、SF設定のためにいろいろ見直したのですが、SF設定としては『ゴジラvsビオランテ』『ゴジラvsデストロイア』で大体のことはやられている。そこで今回は、ゴジラや怪獣が出てきた時に『恐竜だ!』となる世界。怪獣が歴史の中にいない。恐竜に似たものと認識する。そういうリアリティーにしようということになりました」
「SFでよく言われるのは、一つだけ大きなウソをつく。それ以上は収拾がつかなくなる」と“ウソ”を設定し、さらに設定を広げていった。
「今回のゴジラはいろいろと姿を変えます。『シン・ゴジラ』で可能になったことですね。いきなり巨大なゴジラが出現して出ずっぱりでは間がもたないわけです。今回はアニメーションとして生かすために、いろいろ仕掛けをしました。立っていてもいいけど、スタスタとは歩かない。ハリウッド製作の『GODZILLA ゴジラ』のゴジラのように走ったりもしない。今回のゴジラは最初、シロナガスクジラくらいの大きさですし、シロナガスクジラが陸に上がったとして、スタスタと歩かないかな?と。普通とは違う素材でできていることにする。G細胞のように、細胞としての性質が違う、と。軽いし、自己再生もする。その素材はどこからきたのか?とパズルのように組み立てています」
本編には夢の新素材・アーキタイプが登場する。既存の物理法則では説明がつかない超物質で、劇中でも説明されている。説明は難解なようで、意外にすんなり理解できるところもあり、バランスが絶妙だ。
「あんまり気にしなくていいですよ。飛ばしてしまっても大丈夫。アーキタイプの説明も、何となく光が戻ってくるというもので、あれは『ドラえもん』なんですよ。ドラえもんが未来から来て、のび太に宿題をやらせる話がありますよね。8時間後のドラえもん、6時間後のドラえもん……と複数のドラえもんを未来から連れてきて、宿題をやらせると早く片付く。基本的に『ドラえもん』くらいのありそうで、なさそうな設定なんです。どこでもドアはないですけど。それくらいの説明でフワッと見ていただければ」
ゴジラがなかなか出てこないことも話題になっている。もしかしたら出てこないのでは……という声もあり、円城さんは「出てこない案も初期にあったのですが、まあ、今回それはやめよう、となりました。大丈夫です」と明かす。
アニメには、ゴジラは登場したものの、まだまだ謎は深まるばかりだ。バラバラだったパズルのピースがどのように組み合わさるのか? 今後の展開がますます気になるところだ。
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