激推シネマ:「るろうに剣心 最終章 The Beginning」 アクション抑え、「現代的な時代劇」に落とし込む

映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のビジュアル(C)和月伸宏/集英社(C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会
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映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のビジュアル(C)和月伸宏/集英社(C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 MANTANWEB編集部の“激推し”作品を紹介する「今週の激推シネマ」。今回は、6月4日に公開された、佐藤健さん主演の映画「るろうに剣心」(大友啓史監督)シリーズ最終章2部作の第2弾「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を“激推し”する。

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 原作は和月伸宏さんの人気マンガ。幕末に「人斬り抜刀斎」と呼ばれて恐れられた剣心が明治維新後、不殺(ころさず)を誓った流浪人(るろうにん)として、新時代の生き方を模索する姿を描く。1994~99年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、テレビアニメ化もされた。

 「The Beginning」は、原作屈指の人気エピソード「追憶編」がベース。動乱の幕末、緋村剣心(佐藤さん)は暗殺者として暗躍していた。ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴(有村架純さん)に人斬り現場を見られ、口封じのためそばに置くことに。

 その後、幕府の追手から逃れるため巴と共に農村へ身を隠す。そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見いだしていく。しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまい……。

 ほかに、桂小五郎役で高橋一生さん、沖田総司役で村上虹郎さん、高杉晋作役で安藤政信さん、辰巳役で北村一輝さん、斎藤一役で江口洋介さんらが出演する。

 過去のシリーズ作とは打って変わり、大胆だったアクションを抑え気味にしつつ、今まで以上にストーリー性を重視した演出になっていると感じた。剣心の十字傷の謎にまつわる悲劇を描くため、「現代的な時代劇」に落とし込まれている。原作ファンとしては、重厚なストーリーが実写映画でどのような見せ方になっているのか気がかりだったが、この転換は非常にうれしい。シリーズのラストを飾るにふさわしい傑作だ。

 そのほかに、6月1日に浜辺美波さん主演の実写「賭ケグルイ」シリーズの新作映画「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」(英勉=はなぶさ・つとむ=監督)、4日にジャニーズJr.の人気グループ「美 少年」の浮所飛貴(うきしょ・ひだか)さんの初主演映画「胸が鳴るのは君のせい」(高橋洋人監督)などが公開された。

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