名探偵コナン
#1189「W・アリバイ」
1月17日(土)放送分
「スペース☆ダンディ」「ワンパンマン」などで知られる夏目真悟監督が手がけたテレビアニメ「Sonny Boy(サニーボーイ)」が最終回を迎えた。オリジナルアニメということもあり、先の読めない展開が続き、最終回に衝撃を受けた人も多いはず。「前向きな終わり方」を目指したという夏目監督にネタバレありで制作の裏側、最終回について聞いた。
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「Sonny Boy」は、異次元を漂流し始めた学校に取り残され、超能力に目覚めた36人の中学生の少年少女の理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が描かれている。マンガ家の江口寿史さんがキャラクター原案を担当し、「銀杏BOYZ」が主題歌「少年少女」を書き下ろすなど豪華クリエーターが参加。モノローグを廃し、BGMをほとんど使わないなど攻めた演出も話題になった。
最終回のラストシーン、主人公・長良の笑顔が印象的だった。長良は「人生はまだこれからだ。先はもう少しだけ長い」とつぶやく。長良は、人生に諦めを感じ、どこか冷めたところもある中学3年生。漂流の中でさまざまな人、社会と接点を持つ中で、変化し、現実世界に戻る。世の中は不条理なこともあるけど、生きていこうとする。そんな長良の変化を感じる笑顔にも見えた。最終回を見た後、第1話から見直すとまた違う感じ方をするかもしれない。
「『Sonny Boy』は成長物語。漂流はメタファーでもある。最終回は、雨のシーンが続き、最後に雨がやむけど、夜なんですよね。自分として前向きな終わり方として作っていましたが、最後の長良の笑顔が不気味に見える人もいるかもしれない。見た後、どう感じるかは、その人の価値観によって変わると思います」
最終回に至るまでは紆余(うよ)曲折があった。ヒロインの希が消えてしまうのも衝撃的だった。
「第9、10話のシナリオ執筆時はキツかったですね。行き詰まりました。第11話から目的が明確になる。モヤモヤする中で希が消えて、悲しいけど、進んでいく。希が消えてしまうことは、当初から構成として考えていました。死を描くのは簡単だけど、そこに理由があるのか? 安っぽくならないか?と悩みましたね。オーディオコメンタリーを録(と)った時、希役の大西沙織さんが『希が死んだ時、あまり感情が動かなかったけど、長良と瑞穂が弔っている時に、初めて悲しい感情を持った』とおっしゃっていました。そうなんですよね。誰もがいつか死ぬし、それが突然のこともあります。亡くなった後の隙間(すきま)が喪失感になり、周りに影響を与える」
夏目監督はアニメーター出身で、これまで「スペース☆ダンディ」「ワンパンマン」などさまざまな作品を手がけてきた。「Sonny Boy」では全話の脚本を手がけ、脚本の執筆自体は初めてだった。
「シナリオを書いている時は精神的につらかった。大変でしたね。ただ、アニメーターの時とやっていることは変わらないんです。絵を描く時もキャラクターが何を考えているんだろう? こういう人だからこういう小物があるよな……と考えていた。キャラクター、世界観があった上で考えていたことなので、真っさらな状態の今回とは違うのですが。もしかしたらストーリーを作るのに向いていないかもしれませんね。俺が!俺が!という人の方が向いていると思います。自分に自信がある人があんまり得意じゃなくて、自分を疑っている。悩んでいるところも映像になっていますし」
「自分を疑っている」から描けるものもある。キャラクターの心の動きを繊細に描いた「Sonny Boy」はまさにそんな作品なのではないだろうか。
夏目監督は放送前のインタビューで「好きなものを詰め込んだ」と話したことがあった。制作を終えて「言いたいことは言えた。せりふでは言っていないけど。すっきりしました。詰まっていたものが出たようで」と笑顔を見せる。
「やり切ったという気持ちがあります。振り返れば、未熟に感じることもありますし、エンターテインメントとしてもう少しできたこともあったかもしれません。今後は、何かチャンスをいただければ、比較的エンターテインメント寄りでストレートに刺さる作品をやるのかな?とも思っています。いろいろな人ともやってみたいですね。思いもよらない方向になるのも面白いので。『Sonny Boy』で自分の考えに折り合いがついたところもありますが、この考え方はおそらく変わらない。どういう題材でどういう見せ方をするかを今後、考えていきたい。時代は変わっても、普遍的なものは残る。普遍性を意識しながら作っていきたいですね」
夏目監督はアニメ「四畳半タイムマシンブルース」を手がけることも発表されている。今後の活躍も期待される。
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