Sonny Boy:夏目真悟監督ד長良”市川蒼がアフレコ裏話 キャラクターの「深みを表現」

「Sonny Boy」のイベントに登場した市川蒼さん(左)と夏目真悟監督
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「Sonny Boy」のイベントに登場した市川蒼さん(左)と夏目真悟監督

 「スペース☆ダンディ」「ワンパンマン」などで知られる夏目真悟監督が手がけたテレビアニメ「Sonny Boy(サニーボーイ)」のイベントが11月22日、ユーロライブ(東京都渋谷区)で開催され、夏目監督、主人公・長良役の声優の市川蒼さんが登場した。イベントでは第8話「笑う犬」、第11話「少年と海」が上映され、夏目監督と市川さんが生オーディオコメンタリーを実施。アフレコの裏話を明かした。

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 同作はオーディションがあったものの、夏目監督は「長良は市川さんしかいない」という思いがあったという。キャスティングについて「ただ格好いい、可愛いなどではなく、キャラクターの深みを表現できる人を選ばせていただいた」と明かし、「あんまりアニメではやらない表現なので最初は戸惑っている部分があったけど、すぐに長良になった。中盤以降は、あまり何も言わなかったです。長良が成長し、自己を確立していくグラデーションを表現していただけた」と絶賛した。

 最終話となる第12話では、高校生になった長良が登場した。夏目監督は「高校生の長良をどう考えていました? 自然でしたが」と聞くと、市川さんは「劇的に気持ちが変わったわけではないので、それまでの延長と考えていました。ニュートラルなのですが、高校生になり、やきもきしているところもあります。うまくいかないところを加味しつつ演じさせていただきました」と話した。

 5000年も漂流し、犬の姿となったやまびこも印象的なキャラクターで、津田健次郎さんが演じた。夏目監督は「やまびこを思いついた時から津田健次郎さんにやっていただきたいと思っていた。優しく、深みがある」という思いがあったといい、市川さんは「5000年の深みがあります」とうなずいた。

 オリジナルアニメで、謎多きストーリー、BGMをほとんど使わないなど異色で攻めた演出も話題になった。市川さんは「分からないところも監督は教えてくれなかった。与えられたものを受け、アフレコで生まれていくものを大切にしました」と収録に臨んだといい、夏目監督は「考えてほしかった。間違ってもいいから」と語った。

 難解なところもあり、全てを理解できるとも限らない。夏目監督は「見る人によっていろいろな答えがあってもいいと思う」と作品に込めた思いを話した。

 「Sonny Boy」は、異次元を漂流し始めた学校に取り残され、超能力に目覚めた36人の中学生の少年少女の理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が描かれた。マンガ家の江口寿史さんがキャラクター原案を担当し、「銀杏BOYZ」が主題歌「少年少女」を書き下ろすなど豪華クリエーターが参加。今年7~10月に放送された。ブルーレイディスクボックスが12月8日に発売される。

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