ディーン・フジオカ:「パンドラの果実」科学の“光”を信じる主人公に共感 日本での活動開始から10年「やっと“帰国”できたかな?(笑い)」

連続ドラマ「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」で主演を務めるディーン・フジオカさん
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連続ドラマ「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」で主演を務めるディーン・フジオカさん

 俳優/ミュージシャンのディーン・フジオカさんが主演を務める連続ドラマ「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」(日本テレビ系)が4月23日から放送される。ドラマは科学の力によって巻き起こる不可思議な事件を描くサイエンスミステリー。ディーン・フジオカさんが演じるのは理系出身の警察官僚・小比類巻祐一(こひるいまき・ゆういち)で、科学犯罪対策室を設立して天才科学者やベテラン刑事と共に事件に挑む人物だ。ディーン・フジオカさんに、演じる小比類巻への思いや主演という立場への考え、さらに日本での活動開始から10年が過ぎた今の心境などを聞いた。

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 ◇“人間ドラマ”に重心を置いた

 同作は、同局と動画配信サービス「Hulu」の共同制作で、中村啓さんの「SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦」(光文社文庫)が原作。科学犯罪対策室を設立した理系出身の警察官僚・小比類巻(ディーン・フジオカさん)が、天才科学者・最上友紀子(岸井ゆきのさん)とベテラン刑事・長谷部勉(ユースケ・サンタマリアさん)と共に不可思議な事件を捜査する……という内容。「海猿」シリーズなどで知られる羽住英一郎さんが監督を務める。

 演じる小比類巻は、最先端科学技術にまつわる問題を扱う「科学犯罪対策室」を設立し、不可思議な事件に立ち向かう警視正。科学の光を信じ、科学は人類を幸せにしてくれると信じるロマンチストでもある。ディーン・フジオカさんは、そうした小比類巻の姿勢に感動したといい、「科学というものがもたらす光と闇に心がゆれ動き、選択を迫られながら、それでも光を信じて前に進む。その姿勢はすごく感動的だなと思いました」と吐露。自身も「科学の進歩、技術の発達による可能性には光を見いだしたいと思っています。結局それを使うのは人間だから、人間側の問題になってくると思うけど、それでも光を選びたいし、選べるような人類のあり方を信じたい、という気持ちはあります」と共感する。

 科学を扱う作品ゆえ、登場する専門用語は少なくないが、撮影に臨むうえでは人間ドラマの部分に重きを置くようにしているという。「人間ドラマの方に重きを置きたかったので、説明話の部分は軽快にいこうかな、と思っていました。あまり重苦しくせず、軽い感じにしたかった。『科学の発達によって起こる科学犯罪』がテーマになっていますけど、いろいろな映像の技法を使って、謎を解決していく面白さは十分に見せていけると思うんです。だから注力すべきは、生身の人間と人間の関係性の中で揺れ動く感情や、そこに生まれる感動というもの。そこへの直球勝負、という感じでした」と振り返る。

 ◇「余計なことはやらない」 主演としての意識

 ディーン・フジオカさんにとって今作は、「今からあなたを脅迫します」以来、4年半ぶりとなる同局系ドラマの主演。座長として意識していることを聞くと、「『余計なことはやらない』というぐらいですかね」と、特別なことはあえてしないように努めているという。「意気込みすぎて『座長とは……』みたいな感じになると、面倒くさい人になっちゃうから(笑い)。まずは自分がその場で求められている仕事はなんなのか、ちゃんと理解すること。今回であれば、役者として、羽住監督が見たい絵にひとりのキャラクターを映し出すことが仕事。その作業が円滑に進むために何をすべきかを考えています」と説明する。

 特に現場での共演が多いのは、天才科学者役の岸井さんと、ベテラン刑事役のユースケ・サンタマリアさん。「すごく笑いが絶えない現場です」と笑い、「みんな、それぞれ違う形のムードメーカーだと思いますね。ゆきのちゃんにはゆきのちゃんのエネルギーの表現の仕方があるし、彼女がいることで明るくなる部がすごくある。ユースケさんはご存じの通り、何を言っても全部ユーモアに着地するんですが、それは天性ですよね。すごいなと思います」とそれぞれの魅力を語る。

 そんなディーン・フジオカさん自身は、福島県生まれで2004年に香港でモデルの活動をスタートし、俳優デビュー後は2006年に台北へ拠点を移してドラマや映画で活躍。2011年から日本での活動も開始した。日本での活動スタートから10年が過ぎた今、これまでを振り返って、どのような思いを抱いているのか。

 そう尋ねると「あっという間でしたね」と感慨深い表情でしみじみ語り、続けて「今の日本の社会の形というものは、理解しました」とディーン・フジオカさん。「自分の職業の接点から見える『この社会というのはこういう形なんだ』ということを、良いも悪いもいろんな側面から見られたかなと思います。多業種、多ジャンルで仕事をしてきましたが、そうすると、視点がいくつかに分かれるから立体的に見えてくる部分があるんです。それで『なるほど』と……。だから、やっと“帰国”できたかな?(笑い)。やっと、ここからがスタートかな、という感じです」と現在の心境を語ってくれた。

 「パンドラの果実」は23日から毎週土曜午後10時に放送。全10話。6月からシーズン2(全6話)が「Hulu」で独占配信される。

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