俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第16回「伝説の幕開け」が4月24日に放送され、「宇治川の戦い」と「一ノ谷の戦い」が描かれた。菅田将暉さん演じる源義経が、まさに水を得た魚のように大活躍。随所で“バーサーカー(狂戦士)”ぶりを発揮し、鎌倉方を勝利に導いた。武功をあげる一方で、自信たっぷりに傲慢な発言を繰り返した義経と、梶原景時(中村獅童さん)との微妙な関係性に視聴者は注目。果たして、義経「伝説の幕開け」は“破滅の始まり”となってしまうのか……。
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第16回では、御家人たちをまとめ上げた源頼朝(大泉洋さん)は、弟・範頼(迫田孝也さん)を総大将、景時を軍(いくさ)奉行とした本軍を派兵する。八重(新垣結衣さん)に見送られた義時(小栗さん)も従軍し、先発した義経と合流する。後白河法皇(西田敏行さん)を捕らえて京に籠もる木曽義仲(青木崇高さん)、福原を拠点に復権をうかがう平宗盛(小泉孝太郎さん)に対し、鎌倉方は義経の天才的な軍略に導かれて奮戦し……と展開した。
華々しい活躍を見せた義経だが、義仲の首を取ることと「打倒平氏」しか頭にはなく、戦場では、合理主義かつ勝利至上主義な発言を繰り返す。そのたび景時は、時に強い口調で義経を諭そうとするが、義経は言うことを聞かず、例えそれが「武士の作法に反する」としても、「坂東武者は口だけか」「だまし討ちの何が悪い」「戦に見栄えなど関わりない」などと言い放ち、周囲を黙らせてしまう。
しかも、義経が誰も思いつかない新たな計略を次々と提示し、信頼を勝ち取るなど、“軍奉行”としての働きを最小限に抑えられてしまった景時。その心中は、想像するにたやすいだろう。実際、義時に対して「何故、あの男にだけ、思いつくことができるのか」と嫉妬交じりに、本心を打ち明けるシーンもあった。
終盤、一ノ谷との攻防で、華々しく戦場を駆ける義経の姿を目の当たりにして「(軍神の)八幡大菩薩の化身じゃ」とまぶしそうにつぶやいた景時。SNS上では「モーツァルトを見るサリエリの気分だったのかな…梶原景時」と、映画「アマデウス」で有名な2人の作曲家を引き合いに義経と景時を語る視聴者もいた。
同回で描かれた“歪(ひず)み”は今後の展開に、どう作用するのか。義経と景時との関係性には引き続き注目だ。
「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、後の鎌倉幕府の二代執権・北条義時が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く、予測不能のエンターテインメント作だ。
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