松本幸四郎:「マイファミリー」二宮和也は「すごい役者さん」 「鎌倉殿の13人」で話題の長男・市川染五郎にかけた言葉は

連続ドラマ「マイファミリー」に出演する歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(C)TBS
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連続ドラマ「マイファミリー」に出演する歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(C)TBS

 二宮和也さんが主演を務める連続ドラマ「マイファミリー」(TBS系、日曜午後9時)に出演中の歌舞伎俳優の松本幸四郎さん。二宮さん演じる鳴沢温人らと家族ぐるみの付き合いをしている阿久津晃を演じている。5月8日放送の第5話のラストでは、温人の元に、犯人から、阿久津の娘・実咲を誘拐したという電話が入る展開で、視聴者をハラハラさせている。襲名後、初の民放ドラマ出演となった幸四郎さんに、今作への思いをはじめ、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)に出演し話題を集めた長男・市川染五郎さんとのエピソードを聞いた。

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 「マイファミリー」は、連続ドラマ「グランメゾン東京」(同局系)などで知られる脚本家・黒岩勉さんのオリジナル作品。ゲーム会社「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」社長・温人(二宮さん)と、妻の未知留(多部未華子さん)が、誘拐された小学生の娘・友果(大島美優さん)を救うために警察の力を借りることなく奮闘し、第3話(4月24日放送)で友果の誘拐事件が完結。

 第4話(5月1日放送)からは、三輪碧(賀来賢人さん)とその元妻・沙月(蓮佛美沙子さん)の娘・優月の誘拐事件が発生。第5話で無事に優月を救出したものの、ラストでは、犯人から温人の元に、「次も一緒に成功させましょう。新たな誘拐をしました。阿久津実咲さんです」と電話がかかってくる展開だった。

 幸四郎さん演じる阿久津は、日本を代表するネットサービス企業「NEXホールディングス」社長のCEO、兼、「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」社外取締役だ。幸四郎さんは、「実績がある人なので、そこまでの役職にいった人はどういう人であるかを考えて想像して取り組んでいる」と話す。「立場的にもあまり感情を表に出さない。落ち着いていることが、逆にいろいろな謎を呼ぶ感じだと。そうともとれるようなニュアンスで、と監督からも言われています」と明かす。

 阿久津の妻で、実咲の母・絵里を演じる森脇英理子さん、実咲役の凛美さんの印象については、「“家族”の距離感で接してくれている感じがして、うれしいです。現場では極力一緒にいるようにしています」と話す。

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 今作の撮影現場について、「全然無駄な時間がなくて、どんどん作られていく。そのテンポ感や、現場の雰囲気がいいものになれているというのはすごく幸せですね」と話した幸四郎さん。

 主演を務める二宮さんの印象を聞くと、「自然体といいますか。もちろん演技ですけれど、それをまったく作られた感じがしないすごい役者さんだなと思います」と明かしながら、「緊張の連続の撮影現場では、オン、オフを切り替えることは大事なことだと思いますが、すんなりやられていて。そういった空気作りをされているのは、やっぱりすごい役者さん」と続ける。

 また、今作には、幸四郎さんとともに日本舞踊の公演で活躍する、日本舞踏家で女優の藤間爽子さんが出演。「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」の社員・鈴間亜矢を演じているが、「(藤間さんは)すごく可能性があって、いろいろな顔をお持ちだなと。もともと踊りとしても魅力がありますけど、この作品を通してまた魅力を知ることができた」と印象を明かす。

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 今回の久しぶりとなった現代ドラマ出演を、「『洋服が似合わないね』と言われたら怖いなというのはありましたね(笑い)」と振り返った幸四郎さん。「ちょうど歌舞伎座が新しくなって始まったり、(2018年に)父(二代目松本白鸚さん)、せがれ(八代目市川染五郎さん)、自分の襲名があったので、10年近くはそれに集中していたんです。たまたまそういうことで久々になりました」と話す。

 染五郎さんは、「鎌倉殿の13人」で、大河ドラマ初出演を果たしたばかり。源義高(冠者殿)役で出演し、SNSでは「むちゃむちゃ美形」「お顔があまりに美しすぎる」など視聴者の注目を集めた。

 染五郎さんの映像を見たという幸四郎さんは、「染五郎自身が想像とは違ったといいますか、義高として存在していた感じがした。自分自身も頑張ったんでしょうけど、(脚本の)三谷幸喜さんをはじめ、みなさんに出会えて、幸せな環境でお芝居できたことがうれしいですね」とにっこり。

 自身が17歳の頃と比べると、「“美しさ”は僕の方だと思います(笑い)」としつつも、「彼の方が芝居が明確だと思いますね」と評価も。染五郎さんには「面白かったよ」と伝えたといい、「『やっぱり三谷さんってすごいね』と話をして。話が終わった後に、本人の芝居のことを言っていないと気がついて。『自分(染五郎さん)の演技はどうだったのか何も言ってくれない』と思っているんじゃないかとちょっと気になっています(笑い)」と父親の顔を見せていた。

 そんな幸四郎さんは、来年50歳となる。「一つの節目になるとは思うので、あえて意識してみようと思うんです。“挑戦”という年齢ではないですけど、役者としてそういう作品があれば、そこに行ってみたいという思いはあります。こういう時期に『マイファミリー』というご縁をいただいたのは、何かご縁があるのではないかと感じています」と話す。

 「マイファミリー」の視聴者に向けては、「今までは公の場に出てくる阿久津を見ていただいていたと思いますが、『阿久津もやっぱり人間なんだ』という感じが出てくると思うので、そういうところを見ていただきたいですね」と呼びかけた。

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