インターネット掲示板に投稿された都市伝説をテーマにした恒松祐里さんの主演映画「きさらぎ駅」(永江二朗監督)が6月3日に公開された。今作での共演をきっかけに仲を深めたという本田望結さんと莉子さんに、2人の“なれそめ”やホラー作品への出演について、行ってみたい異世界などを聞いた。
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「きさらぎ駅」は、2004年に「はすみ」と名乗る女性が、この世に存在しない「きさらぎ駅」という異世界駅にたどり着いた体験談をインターネット匿名掲示板にリアルタイム実況しながら消息不明になったという、“現代版神隠し”とも呼ばれる都市伝説がテーマ。
映画は、大学で民俗学を学ぶ女子大生の堤春奈(恒松さん)が「きさらぎ駅」を卒業論文の題材と決め、「きさらぎ駅」の投稿者「はすみ」とされていた葉山純子(佐藤江梨子さん)という女性とのコンタクトに成功。純子から話を聞く春奈だったが、彼女との出会いが春奈の運命を大きく狂わせていく……というストーリー。本田さんは、きさらぎ駅で出会う女子高生の宮崎明日香、莉子さんはきさらぎ駅で出会うギャルの松井美紀を演じている。
本田さん 以前から莉子さんのことをずっと好きで、いろんなものをチェックしていました。台本に莉子さんのお名前を見たときは、『どの莉子さんだろう』『いやあの莉子さんしかいないよね』と思いつつも信じずにいました。それで初めてお会いした日、「私の知っている莉子さんだ!」って。“本物”でした(笑い)。
本田さん 初めからガンガンいくのはよくないと思い、最初はあいさつだけにして、少し空いている時間に勇気を振り絞り、「前から好きです」と伝えました。
莉子さん この話は何回聞いてもうれしいし、何回聞いても可愛いなって思います。初めて声をかけていただいたときは私も『いつも見ています』と言って、2人で“見ています会話”に(笑い)。私もずっと見ていたので、そういう方から「ずっと応援しています」と言っていただけるのは、この仕事をしていて良かったですし、すごくうれしかったです。
本田さん お会いしたことはなかったけれど莉子さんのことはずっと見ていましたので、“本当の莉子さん”を誰よりも知っています(笑い)。完璧に想像どおりの莉子さんでした。
莉子さん 保護者かな、もう(笑い)。うれしいですね。(本田さんは)しっかりしていて年齢よりも精神年齢が高い感じはあるのだろうなとは思っていました。お会いして会話していくうちに想像よりもはるかに大人だと感じましたし、現場にいる姿もしっかりされていて、素晴らしい役者さんだと思いました。
本田さん 怖いけど見ちゃう派です。トンネルとか電気が消えるシーンは本当に真っ暗でしたけど、芝居をしているとあまり怖いとかではなかったですね。
莉子さん 「うん(得意な方)」とは言えないです。撮影は天気も良かったし、のどかな感じでしたけど(笑い)。場所によっては「何かあるかも」という感じはありましたが、それ以外は基本みんな仲良くというか楽しくやっていました。
本田さん 私はホラーが初めてで、台本を読んだだけでは分からないところもあるので、せりふをしっかり覚えてあまり(キャラクターを)作らずに、監督に聞こうと思って現場に入りました。
莉子さん 私はホラー作品の出演経験もありますが、やっぱりホラーという共通点があっても作品ごとにまったく違うテイストになるので、今回はどんな感じになるのだろうと楽しみにしていました。
本田さん ホラーだけど人間の裏切りとかもテーマにしていて、「大人が子供を守るのか」「子供は大人を守るのか」といったところも描かれています。明日香はしっかりした子ですが、あまりしっかりなりすぎず、ちゃんと高校生、(登場人物の中で)一番年下であることを忘れないよう、大人っぽくなりすぎないようにと考えながら演じました。
莉子さん (岸翔太役の)木原(瑠生)さんと(飯田大輔役の)寺坂(頼我)さんと美紀の3人は唯一知り合いという立ち位置なので、3人の関係性は大事にしようと思いました。3人の関係性と“その後”みたいなところも丁寧に演じることができればと考えながらやっていました。
本田さん 役で制服を着るのは変な感じはしなかったですね。ただ普通の作品では一つの衣装をずっと着ていることはあまりないので、そこの部分は普通の作品と全然違う、この作品ならではの初めての経験でした。
莉子さん 確かに。監督とは(物語の)年代、ちょっと昔の時代設定なので、そこに関してはいろいろ話し合いましたけど、衣装合わせに関しては1着のみだったのですんなり決まりました。
莉子さん お肌は白いし可愛いしで、可愛かったです。
本田さん 一つ言わせてください。莉子さんのギャル姿は良い意味でヤバかったです。莉子さんがギャル服を着るというのは今まで見たことがなかったので、もう破壊力がすごい!
本田さん 小学生ぐらいのころ、あるスタジオのお手洗いに1人で行ったとき『望結が帰ってこない』となって母が捜しに来てくれたのですが、私がいた前の鏡だけが変な感じになっていたみたいです。特に何事もなかったのですが、共演者のマネジャーさんに霊感が強い方がいて、『もしかして望結ちゃん○階のトイレに行った?』『そこはやめておいた方がいいよ』と言われたことがありました。当時の記憶はあいまいですけど、しばらくトイレに1人で行けなくなりました。中学生ぐらいまでトイレやお風呂が1人では無理になっていました。
莉子さん そういう所で起きるのは一番怖いよね。もしかしてその瞬間だけ異世界に行っていたのかな?
本田さん 行っていたのかもしれない。あの時から「きさらぎ駅」は始まっていたのかも。
本田さん 自分のことって鏡でしか見たことないじゃないですか。“生”の自分を見られる異世界とかいいですね。
莉子さん わかる! 誰かと話しているときの自分とかが見てみたい。その異世界はありだね。
本田さん その異世界に行きたいですね。
本田さん シンプルにきさらぎ駅は嫌ですよね。電車に乗っていて知らない駅に着くというのは怖すぎます。
莉子さん 嫌だね。普通に生活していて、現実で使うものとか使う場所とかの異世界は嫌。リアルすぎて怖い。信じられそうなレベルの異世界は怖いですね。
莉子さん 気になっていたけど見られていないような部分も映像化され、新感覚な感じできさらぎ駅が“実在”すると思うので、それを楽しんでいただけたらうれしいです。試写で見て驚きポイントがたくさんあったので、ぜひ楽しんでいただければ。
本田さん ホラー映画というだけではなく、人の裏の顔というか追い込まれた時の人の反応とか、絆や裏切りも描かれているし、“衝撃の結末”は台本で知っていても完成した映像を見てゾゾゾッとびっくりしました。ただただ怖いだけの映画ではないので、皆さんが見終わった後にどういう感想を発言してくださるのか。とても楽しみです。 (取材・文・撮影:遠藤政樹)
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