俳優の伊藤健太郎さんが6月11日、名古屋市内で行われた主演映画「冬薔薇(ふゆそうび)」(阪本順治監督)の公開記念舞台あいさつに阪本監督と共に登場した。阪本監督の撮影開始の掛け声「ヨーイ、アイ!」には「愛(ラブ)」の意味が込められているというエピソードを聞いた伊藤さんは、「これ、めっちゃいいですよね。ヨーイ、アイ!っていうのが好き」と感激した様子。「だから阪本組ってあんなに愛にあふれているんだ」と久しぶりの映画の撮影現場が温かい雰囲気だったことを振り返った。
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伊藤さんは「緊張という言葉だけでは片づけられないくらい、不思議な感情でした」と撮影初日の心情を明かし、「(当時の自分に)『もうちょっとリラックスしな』って言いたい」と話した。また、両親役を演じた小林薫さんや余貴美子さんらキャストと過ごした時間について「こんなにもすごい人たちなのに、目線を合わせて自分に接してくれる懐の大きさを感じました」と語った。
阪本監督は「たくさんのベテランの人を迎えましたけど(伊藤さんは)座長として立ち振る舞って、みんなが一枚岩になっていました」と評価。自身の撮影以外の時間もできるだけ撮影現場にいたという伊藤さんは「とにかく現場が温かくて、スタッフの方ともキャストの方とも仲良くさせていただいて、現場にいる時間がすごく楽しかったです」と語った。
公開2週目を迎えた11日は名古屋を皮切りに、大阪・京都・神戸で舞台あいさつが行われた。司会者から「名古屋は久しぶり?」と聞かれると、伊藤さんは「伊勢におばあちゃんの家がありまして、名古屋は乗り換えで通り過ぎることはよくあった」といい、「名古屋で降りたのは久しぶりです」と答えた。「名古屋コーチン、ひつまぶし、大好きです! 自分的にもなじみのある場所だなと思ってます」と名古屋好きをアピールした。
映画は、阪本監督によるオリジナル脚本で、ある港町を舞台に人間の業を切なくはかなく紡ぐ。渡口淳(伊藤さん)は専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きていた。両親は埋め立て用の土砂を運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。ある日、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった……というストーリー。
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