魔法のリノベ:“月10”枠第4弾はお仕事ドラマ 「リノベーション」を題材にした理由

連続ドラマ「魔法のリノベ」第2話の場面写真=カンテレ提供
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連続ドラマ「魔法のリノベ」第2話の場面写真=カンテレ提供

 女優の波瑠さんが主演を務める連続ドラマ「魔法のリノベ」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)が、7月18日にスタートした。不動産を題材にしたドラマはこれまでいくつかあったものの、住宅業界のリノベーション(リノベ)を題材にした作品は珍しい。今作でリノベを題材にした理由などについて、岡光寛子プロデューサーに聞いた。

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 ◇“月10”は作品ごとに趣向が変わるチャレンジ枠

 ドラマは、星崎真紀さんの同名マンガが原作。大手リフォーム会社の営業エースだったが、ワケあって男だらけの福山家が営む「まるふく工務店」に転職してきた真行寺小梅(波瑠さん)と、営業成績ゼロの工務店の長男で「バツ2」のシングルファーザー・福山玄之介(間宮祥太朗さん)がコンビを組み、さまざまな問題を抱える依頼人たちに住宅リノベーションを提案していく。

 昨年10月にスタートしたカンテレの“月10”枠の第4弾。これまで同枠では、ピカレスク作「アバランチ」、医療ものの「ドクターホワイト」、ラブストーリーの「恋なんて、本気でやってどうするの?(恋マジ)」を放送してきたが、今作はいわゆる“お仕事ドラマ”だ。4作が全く異なる作風になった理由は、同局が制作する全国放送の唯一のドラマ枠であるため、さまざまなチャレンジをする枠と位置付けられているからだ。

 「アバランチ」では映画のようなアクション、「ドクターホワイト」は医療ものにミステリーの要素を掛け合わせた展開、「恋マジ」では刺激的な大人の恋が描かれてきた。同枠は、これまで挑戦的な内容で視聴者から注目されており、岡光さんは「置きに行かず挑戦する精神を先輩方から学んできました。見てくださる方に、カンテレドラマって面白いよね、と思われるような番組作りをしたい」という。今回の挑戦は、あまり例のない「リノベーションというテーマのドラマ」を制作することだった。

 リノベをテーマにした理由について、岡光さんは「コロナ禍でステイホームの時間が増えた時、家のことを考えることが自分自身の人生を見直すきっかけになった」と説明する。そして「家にはそこに暮らす人の思いがたくさん詰まっている。住宅のリノベというテーマを通して、深い人間ドラマが描けるのではないかと思った」と語る。

 ◇コメディーとヒューマンは紙一重

 「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)などのコミカルな作風で知られる瑠東東一郎さんが監督を務め、「ヨーロッパ企画」の上田誠さんが脚本を担当していることも話題だ。

 「コメディーとヒューマンは紙一重だと思っている」という岡光さんは、「瑠東さんと今作は『ライトに深いことをやろう』と話しています。月曜の夜に楽しく見られる笑い(コメディー)を大事にしつつ、依頼人との人間ドラマ(ヒューマン)をきちんと描き、コメディーとヒューマンの往復が生む独特な味わいのドラマにしたいという思いがあります」という。

 また「“お仕事ドラマ”という枠にとらわれないように、視聴者が楽しめる要素をふんだんに盛り込んだ」と話す。

 ◇リノベ後は「予算をかけてもこだわるべきシーン」に

 エンディングでは依頼主の自宅がリノベした後の風景が映し出される。毎話撮り方を変えているそうだが、第1話では改築前は実際にある物件、リノベ後はその物件を再現したセットで撮影した。

 「そこに住む人の人間関係が変わり明るい未来へ進んでいくことを表現するため、予算と時間をかけてもこだわるべきシーン。美術、技術、制作、VFXなど、各部署の総力を注ぎ込んでいるため、スタッフには頭が上がりません。思いがこもった多幸感あふれるエンドロールになっています」だと力を込める。

 今後の見どころは、「なんといっても波瑠さんと間宮祥太朗さんが演じる小梅と玄之介の“梅玄コンビ”。小梅は、一見できる女性と思いきや、ちゃんと失敗もするし、いろいろと問題を抱えている。一方の玄之介もバツ2のシングルファーザー。不器用ながら、足りないものを2人で補い合って成長していく姿がすごくチャーミングです。夫婦漫才のような掛け合いにも、ぜひご注目ください」と話す。

 また、「各話出てくる依頼人たちに、どのようにリノベを提案していくかは、大層な言い方をすると“ミステリー”だと思っています。依頼人がどんな悩みを抱えているのか、それを2人がどうやって解決していくのか、一緒に推理しながら考えて見てもらえると、うれしいですね」とアピールした。

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