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第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
ミュージシャンで俳優の渡辺大知さんが主演し、MBS・TBS深夜の「ドラマイズム」枠で放送中の連続ドラマ「ロマンス暴風域」(MBS・TBS)に、第4話(7月26日放送)から登場している女優の岬あかりさん。子役出身で、今年6月、「レプロ30 周年記念 主役オーディション」に合格し、レプロエンタテインメント所属となり新たなスタートを切った。そんな岬さんが、中学・高校時代、学業に専念するため一度は離れた芝居の世界になぜ戻ってきたのか。久しぶりのドラマ撮影となった「ロマンス暴風域」や、「一生、芝居をして生きていきたい」と明かす女優業への思いと併せて話を聞いた。
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岬さんは1999年1月7日生まれ、神奈川県出身の23歳。子役として、2歳から活動を開始し、9歳の頃から「七瀬ふたたび」(NHK、2008年)「JIN-仁-」(TBS系、2009年)、「ハガネの女」(テレビ朝日系、2010~11年)などといった、さまざまなテレビドラマに出演してきた。
中学進学後、学業に専念するため女優をやめ、その後、大学へと進学。2019年、20歳となり活動を再開。フリーの時代を経て、現在はレプロエンタテインメント所属の本格女優として今後の活躍が期待されている。
そんな岬さんだが、なぜ芝居の世界に戻ってきたのか。
「子役時代って、物心ついた頃には気づいたらなんとなくやっていたというか。年齢的なものもあって、嫌々やっていた時期も正直あったんですね。ただやめてからの喪失感がすごく大きくて、すごく楽しかったんだなってことに気づいて。元々、小さい頃から、自分とは違う何かになることが楽しい、という意識があって、読書していてもせりふの部分だけ声を出して読んでしまうということを無意識でやっていたので、女優業を再開してからも『やっぱりこれだ』と、自分の中ですごくしっくりくるものがありましたし、一生、ずっと芝居をして生きていきたいなって改めて思いました」
喪失感プラス、演じることの楽しさにやめてから気づいたというのが本音。そのほかにも子役時代の共演者が成長するにつれ、女優として輝きを増していったことの影響も決して小さくはなかったようだ。
「中学・高校とお芝居から離れていた時期、以前に一緒にやっていた子たちがどんどんと活躍していくのを見ていて、『なんかいいな』とシンプルに思えたし、プラスして悔しい思いもありました。なので、すぐにでも戻りたかったのですが、当時校則の厳しい学校に通っていたこともあったので、大学に入ったら必ず再開しようと心に誓いました。だから(戻ってきた)きっかけでいうと『一度やめたことがきっかけ』なのかなと思います」
かつての共演者には、同学年の恒松祐里さん、1学年下の永野芽郁さんや吉川愛さんがいて、「共演させていただいたことのある方々たちが本当に活躍している世界があって、そこに自分がいないことの悔しさも、一つ大きなバネにもなったというか、今の自分の原動力になっていると思います」と語った。
「ロマンス暴風域」は、以前は本名で活動していた岬さんにとって、“女優・岬あかり”として初めて出演するドラマとなった。
「撮影に入る前は、役と向き合うことが久しぶりだったので、緊張していたんですが、実際に現場に入ったらすごく楽しくて」
同作は、「おんなのいえ」「地獄のガールフレンド」などで知られる鳥飼茜さんの同名マンガ(扶桑社)が原作で、私立高校で非正規美術講師として働く民生(渡辺さん)と、民生がふと入った風俗店で出会った女性・せりか(工藤遥さん)の運命の恋とその後を描いている。
岬さんは、民生の次の就職先の美術予備校の講師・辻萌(つじ・もえ)役で第4話から登場。辻は自分の夢のためにいろいろなことを割り切って突き進んでいく強さがある。そのため、自分とは真反対のふらふら生きている民生のことをばかにしている……という役どころだ。
「私が思う辻は芯の強い女性。私も気が強い方なので、重なる部分はありました。こうと思ったら譲らないところはすごく分かるなって思いましたし、プラスして私が好きなところは辻の人間味。プライドがすごく高く、人を見下すことで、ある意味、自分のプライドを保っている。共感できる部分もありましたし、女性としてかっこ良くて、好きだなって感じました」
辻の登場は最終回に向けての大事なピース。「演じるにあたっては、とにかく台本を何回も読んで、作品全体で、このシーンはどういう役割なのかってことを考えたりするのが元来好きなので、まずはそういった視点を持つようにしました。役としては原作のキャラクターを大事にしたかったので、原作も繰り返し読んで、自分が最初に思った印象が本当に合っているのか、答え合わせみたいなこともしました」と話した。
作品の魅力に、決してきれいなだけではない、各キャラクターの「人間味」を挙げている岬さんは、センシティブなシーンにも挑戦した。
「センシティブなシーンのある役で、作品に参加したことがなかったので、『果たして自分ができるのか』という不安もあったのですが、辻の気持ちを考えると、いろいろなことがしっくりときて。辻という役が私の性に合っていた分、抵抗もあまりなく、それは自分の中で意外だったし、人として当然の心の動きとしてい受け止めることができました」
久しぶりのドラマ撮影で、現場でしか味わえない空気感、演じることの楽しさや充実感など、子役時代は曖昧だったものが、はっきりと思い起こされるような感覚もあったという岬さん。今後、目指すべき場所とは。
「現時点での明確な目標はないのですが、お芝居と一緒に生きていきたいっていう気持ちが強くて、とにかく今は自分のスキルを上げていきたいと思っています。好きなことを全力でやれる環境というのはとても貴重ですし、その中でなお全力に楽しんで、お芝居に向き合っていけたらなって思っています」
最後に“女優・岬あかり”としての「強み」も聞いた。
「よくも悪くも印象が薄いというか、自分は『こういう子です』というのがあまりないタイプ。それは逆にいろいろな役に染まることができるのかなって思っています。自分の色がないことを悩んだ時期も正直あったのですが、『それが強みなのでは?』と複数の方から言っていただけて。無理に自分を変えようとすると、きっとうまくいかないだろうし、自分に色がないことを強みにしていけたらと思っています」と今後を見据えた。
「ロマンス暴風域」はMBSで火曜深夜0時59分、TBSで火曜深夜1時28分から放送。
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