池田エライザ:関西の名建築に感じた静寂 女優仲間との友情に思いはせ

連続ドラマ「名建築で昼食を 大阪編」で主演する池田エライザさん
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連続ドラマ「名建築で昼食を 大阪編」で主演する池田エライザさん

 女優の池田エライザさんが、俳優の田口トモロヲさんとダブル主演し、2020年に放送された深夜ドラマ「名建築で昼食を」(テレビ大阪・テレビ東京)の続編となる「名建築で昼食を 大阪編」が、8月17日深夜にスタートする。今作では、親友の頼みで大阪に長期滞在することになった春野藤(池田さん)が、建築模型士の植草千明(田口さん)と大阪を中心に関西の名建築を巡る。女性同士のつかず離れずの微妙な友情も描かれるが、女優仲間の橋本環奈さん、浜辺美波さん、上白石萌音さんと「ドライだけど愛情深い」関係を築いている池田さんに、心地よい友人との距離感や、名建築にまつわる大阪や関西の印象などについて聞いた。

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 ◇続編で関西に行けることが率直にうれしい

 「名建築で昼食を」は、甲斐みのりさんの「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」(エクスナレッジ)を原案に、「建築×グルメ」をテーマにした新ジャンルのドラマとして、2020年8~10月に全10回で放送・配信された。連続ドラマは、東京都内の名建築を毎話1カ所ずつ紹介し、2021年1月に放送されたスペシャルドラマでは横浜市内を回った。

 「大阪編」は、ドラマのその後を描く1話30分・全6話の構成となる。テレビ大阪の開局40周年記念SPドラマとして制作され、藤と千明が、大阪市中央公会堂や芝川ビル、神戸女学院、綿業会館、日本銀行大阪支店旧館、大阪府立中之島図書館など関西の名建築を巡る。

 続編について、池田さんは「見てくださる方がいないと続編は決まるものではないので、本当にこの番組を愛(め)でていただいた方がたくさんいたから、またこうやって作られて、さらに今度は大阪や関西に行けるんだって率直にうれしかったです」と笑顔で振り返る。

 さらに「ここ数年はコロナ禍で旅行に行けない、現場と家の往復という日々が続いていて。私自身はこの1年、目まぐるしく仕事をしていたので、ゆっくり何かに着目するとか、何かを愛でるとか、想像して尊ぶということをしていなかったので、今回、名建築を通してそれができるということがすごくうれしかった」と喜ぶ。

 ◇女優仲間との「長く、狭く、深く、大切な付き合い」

 今回、池田さん演じる藤は、大阪で一人暮らしをしている大学時代の友人の堀川美和(佐藤玲さん)が事情で一時的に滋賀の実家に帰ることになり、大阪で飼っている亀の世話を依頼される。

 女性同士のつかず離れずの微妙な友情も描かれるが、池田さん自身が考える“女同士の友情”とは? 「橋本環奈、浜辺美波、上白石萌音ら、友達だとお互いに思ってから長く、狭く、深く、大切に付き合いますね。頻繁に会わなくていい、『幸せに生きてるかい?』と緒連絡が互いにできていて、たまに顔を突き合わせて、バーッと話して、解散、みたいな、そういう関係性が私にはちょうどいいし、すごくいとおしい時間だなと思います」と明かす。

 そして「ちょっとドライだけど、クールで愛情深いような付き合い方が私は好きで、落ち着きますね。心でつながっているというか。友達の活躍を見ると、純粋にうれしい。人として成長し合っていくさまを、いい距離感で見られることが、とてもうれしいと感じます」と顔をほころばせる。

 ◇綿業会館で「異世界にトリップ」

 池田さんは、今回の「大阪編」のロケで大阪・関西に対するイメージが「めちゃめちゃ変わりました」という。「今までもロケで来ることが多く、おいしい、楽しい、活気づいているイメージがありましたが、名建築の中には重厚な静寂があるなと思いました。その名建築なりの時の流れ方があるような気がします。内側と外側のコントラストが魅力」と表現する。

 第1話に登場する綿業会館(大阪市中央区)は、1931年に日本綿業倶楽部の迎賓館として建設されたルネサンス風の建造物。池田さんは、「カーテンを開けたら、外には最新のビルが見えるけれど、カーテンを閉じたら、古い重厚な内装で、どこの時代にいるのか分からなくなる。そんな異世界にトリップしてきたかのようなファンタジックさが魅力ですね」と語る。

 「歴史的な建物なのに、綿業会館がいまだ交流の場になっているというのも、名建築がこれからもこの場所でコミュニケーションを取っていく思いのようなものが感じられて、すてきだなと思いました。外のエネルギーに対して、どんと構えてここに居続けているという、その名建築のたたずまいとのギャップにやられちゃいました」と「静寂と喧噪(けんそう)」の“ギャップ萌え”にはまったという。

 ◇1話30分が「健やかで、心穏やかで、ときめく時間になったら」

 「大阪編」を楽しみにしている視聴者に向けて、「大阪や関西には(スケールが)“半端ない建築”がたくさんあるので、すごいな大阪(関西)という気持ちになっていただけたらうれしいですね。楽しんでいただけたらいいなと思います。また、自分の好きなもの、ときめくものに向き合う時間がなかったなという方にとって、この1話30分という時間が、1週間の中で、健やかで、心穏やかで、ときめく時間になったらいいなと思います」とメッセージを送った。

 また、「“名建築友の会”というか、今を生き続けている日本中にある名建築たちを紹介してほしい。教え合ってほしいなと思いますので、ぜひ番組のSNSのアカウントを活用してください」とSNSの投稿も呼びかけた。

 「名建築で昼食を 大阪編」は、8月17日からテレビ大阪で水曜深夜0時、テレビ東京では水曜深夜2時35分から放送。地上波放送後、「TVer」「ひかりTV」で配信される。

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