海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
女優の奈緒さん主演の連続ドラマ「ファーストペンギン!」(日本テレビ系、水曜午後10時)が10月5日に始まる。実話を基にした森下佳子さんの脚本。奈緒さん演じるシングルマザー・岩崎和佳(のどか)が、経営難に苦しむ漁船団の漁師たちと出会い、古い常識や慣習を打破して船団を立て直す姿を描く。
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和佳のモデルは山口県萩市の坪内知佳さん。20代で漁業の素人ながら既成の漁業像にとらわれず、漁師たちの捕った魚を市場を通さずに加工・直販する「6次産業化」を実現した。
ファーストペンギンは、群れで暮らすペンギンのうち、天敵のいる可能性のある海へ最初に飛び込んで魚を求める一羽のこと。危険を恐れずに未知の世界に挑む精神の持ち主を、米国では敬意を込めてこう呼ぶ。
ここでは梅沢富美男さんが演じる杉浦久光を紹介する。
杉浦は汐ケ崎漁業協同組合の組合長。独特の威圧感で、漁業だけでなく地域全体を牛耳る。元々はたたき上げの優秀な漁師で、片岡洋(堤真一さん)ら漁師たちには頭の上がらない存在。変化や改革を嫌う「逃げ切り思想」の持ち主で、浜の窮状を自覚しながらも、どこ吹く風、の態度。「魚の直販」を提案したよそ者の和佳を邪魔者扱い。常に和佳の動きに目を光らせ、和佳の前に何度も立ちはだかる。威圧感のある風貌に似合わず、手先が器用で細かい作業が得意。趣味はジオラマ作り。
第1話は……シングルマザーの和佳は、5歳の一人息子・進(石塚陸翔くん)を連れ、汐ケ崎へ移住してきたばかり。ホテルで仲居として働いていたある日、漁師の片岡と出会う。
片岡は、幼なじみの磯田と山中と共に立ち上げた「さんし船団丸」の社長。漁師たちの高齢化が進み、漁獲量も減るばかりの港の窮状を憂慮。活況を取り戻したいと思っているが、打開策を見いだせず、危機感を募らせていた。
片岡は、地元漁協の組合長・杉浦の古希を祝う宴席で、仲居・和佳の機転と働きぶりに感心し、和佳に「浜の立て直し」を頼み込む。アジとサバの違いも分からない和佳は、漁業の世界へ飛び込むことに尻込みする。
和佳は進と2人で片岡に連れて行かれた漁港で、さんし船団丸で働く若手漁師・永沢がさばいた魚をごちそうになる。魚嫌いのはずの進が大喜びで食べている。和佳も半信半疑で口にして、あまりのおいしさに感動する。
半ば押し切られる形で片岡の依頼を引き受けた和佳は、早速漁業を勉強。東京で暮らす相談相手・琴平の助言を受けながら、魚の直販業「お魚ボックス」案を思い付き、片岡らに提案する。
しかし、和佳の話を聞いた一同は渋い顔。和佳の案は、中間の漁協や仲買業者にけんかを売るも同然なのだ。片岡らに「漁協に逆らうなんてありえない」と猛反対された和佳は渋々引き下がるが、納得しない。お魚ボックス実現に向け孤軍奮闘が始まって……。
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