駒木根葵汰:秋ドラマ2本出演も「自分自身を貫く人でいたい」 「ゼンカイジャー」への思いも

10月期の連続ドラマ「商店街のピアニスト」「差出人は、誰ですか?」に出演する駒木根葵汰さん
1 / 4
10月期の連続ドラマ「商店街のピアニスト」「差出人は、誰ですか?」に出演する駒木根葵汰さん

 スーパー戦隊シリーズ「機界戦隊ゼンカイジャー」(2021~22年)で主人公のゼンカイザー/五色田介人を演じた駒木根葵汰(こまぎね・きいた)さん。放送中の「暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ」(テレビ朝日系)に続投しているほか、10月クールは「商店街のピアニスト」(BS松竹東急)や、「差出人は、誰ですか?」(TBS)という2本の連続ドラマに出演するなど活躍の場を広げている。そんな若手注目俳優の一人である駒木根さんに、出演作が相次ぐ現状や主演という役割について、特撮への思い、俳優としての展望を聞いた。

あなたにオススメ

 ◇大きかった「郁恵さん」の存在

 「商店街のピアニスト」は、とある商店街のストリートピアノが置かれた楽器店が舞台。電気工事士として働いている蓮(駒木根さん)が、楽器店の娘・梶原美鳥(優希美青さん)と出会い、ストリートピアノの演奏者として新たな道を歩き出す姿を描く。

 同ドラマが「ゼンカイジャー」以来のドラマ主演作となることに、「何か違った責任感があった」と話し、「スーパー戦隊は(シリーズとして)もとから注目され知名度もありますが、今作は自分たちの力というか作品の力というか、一致団結してやっていかなければという思いはありました」と心境を打ち明ける。

 “座長”としての立ち居振る舞いについて、「ゼンカイジャーでも座長としてやらせていただきましたが、(五色田ヤツデ役の榊原)郁恵さんの存在がすごく大きかったです」と特撮現場での経験を打ち明ける。「郁恵さんはどんなに撮影が大変でも、周りを見てずっと笑顔で周りを明るくしてくれました。スタッフにも分け隔てなく接し、撮影を盛り上げてくださいました。僕だけではケアができなかったと思います。そんな事務所の先輩の郁恵さんからは、たくさんのことを学びました」と語った。
 その経験を踏まえた今回の現場では、「自分にできることはまだ限られているし、芝居経験も浅いので、芝居とピアノ、自分のするべきことをしっかりと考えて撮影に臨もうと思っていました」と言う。

 「ゼンカイジャーが終わって初めての主演作品でもあり、気持ちを改めて挑んだ作品。物語もすばらしいし、ピアノを弾いているシーンにも注目して見ていただけたらうれしい。音楽の良さ、ピアノの良さを皆さんに伝えられたら」

 ◇高校生役に「今ギリギリかな」

 駒木根さんは、10月期のTBSの“よるおびドラマ”「差出人は、誰ですか?」にも主人公・桑鶴美月の幼なじみ・御手洗健役で出演。「本音で人と向き合うこと」「匿名を使わずに相手に気持ちを伝えること」の大切さを“手紙”というアナログツールを使って描く。企画・原案は秋元康さんが担当。「TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』season2」でグランプリに輝いた幸澤沙良さんが、ドラマの舞台となる都立荒川西高校に通う主人公・桑鶴美月を演じる。

 手紙に対するイメージを、「人によって色が出たりするので、より一層気持ちが伝わる印象。(手書きだけに)文字一つ一つに感情が乗っているみたいな捉え方をしています」と語る。

 高校生役を演じることには、「外見的には今ギリギリかな(苦笑い)。自分の高校生の時を思い出しながら頑張りたい」とちゃめっ気たっぷりに話し、「あまり皆さんに見せていなかった部分を見せられるのではと思います。新人の女の子たちが多いので、兄貴みたいな存在で引っ張っていけたら」と意気込む。

 ◇「ゼンカイジャー」は“永遠の代表作” さらなる飛躍誓う

 主演を務めた「ゼンカイジャー」を「今でも撮影していた期間は楽しかったと思い返すし、戻りたいなというのもあります。何より誇りを持てた作品の一つになりましたし、キャストとスタッフは今でも家族みたいな存在です」と表現。引き続き「ドンブラザーズ」にも異例の出演を果たしているが、特撮の現場で学んだことを聞くと「もうすべてだと思います」と神妙な表情で口にする。

 「芝居に対する意識もそうですし、1年間乗り切ったことも自信になりました。撮影部の方、照明部の方、録音部の方などいろんな方がいて作品は成り立っていることを身近に感じましたし、応援してくださっている方と気持ちを伝え合わせることができたことも含め、すべて良い経験になりました」

 特撮現場で学んだことを糧に、「ゼンカイジャーを背負ってというのはおこがましいかもしれませんが、いつか戻って行った時に『頑張ってるね』『一緒にできて良かった』と思ってもらえるように頑張りたい」と目標を口にし、「ファンの方にも両親にも現場の皆さんにも恩返しができるように頑張りたい」と思いをはせる。

 その思いを抱きつつ活動する中、出演作が続いている現状を、「いろんな役に触れられることがうれしい」と喜び、「応援してくださっている方々にいろんな自分を見せられるというのが一つの恩返し。楽しみに待ってくれている人たちのために良い作品を作り上げたい」と目を輝かせる。

 自身も“永遠の代表作”と考えているが、「いつか良い意味でそれを塗り替えられるような作品と出会えたら」と飛躍を誓う。

 ◇俳優としての今後は…

 挑戦してみたい役を「ヒーローをやっている期間は難しいけど悪役! あとアクションもやりたい!」という駒木根さんは、今後どのような俳優を目指していくのだろうか。

 「自分自身をしっかり貫く人ではいたい。誰かになろうとするのではなくて、自分の思いやその時の気持ちを大切にして、自分自身であり続けたい。(見た人にあの人なら)間違いないと思われる俳優になりたいです」

 そんな駒木根さんに俳優以外でチャレンジしてみたいことを質問すると、「『黄金伝説』とか、今で言うと『脱出島』のようなサバイバル系の番組にトライしたい」と意外な答えが。

 「得意では全然ないですけど、YouTubeでも砂漠で生活する動画を見るぐらい興味があるので一度はチャレンジしてみたいです。男として一皮剥けそうな気がする(笑い)」と理由を説明。虫が平気かと水を向けると、「虫ですか……。とても苦手なのですが……」と意欲を見せていた。

 ドラマ「商店街のピアニスト」は、BS松竹東急(BS260ch・無料放送)の月曜ドラマ枠(午後10時半)で放送中。

 ドラマ「差出人は、誰ですか?」は10月10日深夜から毎週月~木曜の深夜0時40分に放送。1話15分。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

写真を見る全 4 枚

芸能 最新記事