全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
夏原武さん原案による黒丸さんのマンガ「クロサギ」シリーズ(小学館)を実写化した連続ドラマ「クロサギ」(TBS系、金曜午後10時)。詐欺師をだます詐欺師“クロサギ”の主人公・黒崎高志郎(平野紫耀さん)と出会った、検事志望の女子大生・吉川氷柱(つらら)を演じるのが女優の黒島結菜さんだ。ドラマを手がける武田梓プロデューサーは、黒島さんの芝居によって「氷柱の大事な部分」が表現されていると太鼓判を押す。武田、那須田淳の両プロデューサーに、黒島さんの起用理由や、氷柱と黒崎の関係について聞いた。
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ドラマは、詐欺で家族を失った黒崎が“クロサギ”となり、詐欺師への復讐(ふくしゅう)を果たす物語。正義感が強い氷柱は黒崎のやり方に反発するが、黒崎の過去を知り、少しずつその思いに変化が生じていく。
作品における氷柱の立ち位置について、武田さんは「主人公がダークヒーローのヒロインはすごく難しい。視聴者が主人公に感情移入していく中で、時には、正論も突き付けなくてはいけないポジションですよね」と話す。
一方で、「氷柱は大学3年生で、親にとってはまだ子供ですが、自分で夢をもって歩き出そうとしている大人でもある。迷いながら進んでいくようなヒロイン像でもあるんです」と説明。「黒島さんは大人っぽいけれどすれていない雰囲気や、真っすぐな意志の強さがありながらも、すごく悩んでいる様が似合う。そういったところが氷柱に合っているなと思いました」と起用理由を明かす。
また、「氷柱のせりふは、文字で読むとこうあるべきみたいな言葉が多いのですが、黒島さん自身がきちんとそれを迷いながら言っていて」と武田さん。「知識を口にしているのではなく、心で思っていることを話しているというか。彼女のそういった芝居が、氷柱の大事な部分を表現してくれています」と信頼を寄せている。
氷柱は黒崎と同じ21歳という設定。武田さんは2人の関係について「黒崎は“クロサギ”というある意味“演じている自分”として氷柱と出会うのですが、徐々に素の自分として氷柱に接するようになる。出てくる言葉も変わってきますし、それに対する氷柱の反応も、ただの優等生ではない、等身大の女の子の部分が出てきて。黒崎と氷柱が21歳同士の会話になっていくんです」と語る。
「黒崎と氷柱のテンポのいい掛け合いがあったり、平野さんがアドリブのお芝居をして笑いが起きたり、2人のシーンは見ていて楽しいですね。家族が詐欺に遭い、自分は一人暮らしをしているからしっかりしなきゃいけない氷柱。詐欺師に家族を奪われて、子供でいられなくなってしまった黒崎。大人にならなきゃいけないと思う2人ですが、一緒にいるときはお互いが等身大で話しているような雰囲気です」
那須田さんも「からっとしているところが魅力で、重いストーリーの中でも楽しめる」と語る。「悲劇的なことが続きますが、彼らの人間味をちりばめながら演じていただいていると思います。重いところ、悲しいところ、切ないところ、そして楽しく見せるところまで、芝居に関して黒島さんと平野さん、2人の感性が共鳴しやすいと感じています」と話した。
第3話(11月3日放送)では、それまで黒崎を真っ向から否定していた氷柱が、彼の過去を知って「あなたの詐欺を肯定はしない。でも、もう否定もしない」と心情に変化が。黒崎の悲しみに触れた氷柱は、やり方は違えど「人の心を利用する詐欺師を打ち倒したい」という思いは同じだと気づき、彼に歩み寄ったのだった。
第4話(11月11日放送)からは氷柱の黒崎に対する気持ちが加速していき、ますます気になる展開を見せている。那須田さんが「後に大きな変化も待っているので、最後までドキドキしながら2人の行方を応援してあげてほしい」と語る、今後の氷柱と黒崎から目が離せない。
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