小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で雑色のトウを演じてきた山本千尋さん。12月18日放送の最終回「報いの時」にも登場し、物語の中で意外な結末を迎えたが、山本さんによると、当初聞いていた話では、トウは“生き残らない”はずだったという。この設定の変更をどう思ったのか。最終回シーンに込めた思いと共に語ってもらった。
最終回では、第45回「八幡宮の階段」(11月27日放送)で、政子(小池栄子さん)の自害を阻止して以来の登場となったトウ。「承久の乱」のあと、自らが救った政子本人から新しい役目を与えられる。それは戦で親を亡くした子供たちに武芸を教えるというものだった。
第45回の政子との“邂逅(かいこう)”がこういった形でつながるのか、と驚かずにはいられない意外な展開となったが、山本さんもトウとして、「自分が人を育てるなんて、許されないと思っていた」といい、「政子にそう言ってもらえたおかげで、トウは明るい未来で終わることができました」とほほ笑む。
それもそのはずで、そもそもトウは、脚本の三谷幸喜さんから最初「死にます(生き残らない)」と言われていたといい、山本さん自身「その方が納得いく形だと思っていた」と告白。
設定が変更されたのは、第33回「修善寺」(8月28日放送)で、トウが「両親の仇(かたき)」として“育ての親”の善児(梶原善さん)を討ったあとだったといい、「急に三谷さんが『話を変えたい』と言ってくださって。それまでは『承久の乱』で、『トウは殺される』と言われていたので、自分の中でもその覚悟はできていたんですね。自分がしてきたことの罪を背負う瞬間というか。だから、こんな幸せな終わり方になるとは思わなくて」と率直に明かす。
ではなぜ、死ぬはずだったトウは生き残ったのか。山本さんは「これはあくまで個人的な見解ではあるのですが」と前置きし、「善児が死ぬ前に『一幡様はわしのことを好いてくれているから殺せない』と口にするシーンがあったのですが、それは唯一、善児が見せた人間味で、きっと善児もこういう仕事をしていなかったら、子供が好きな人だったかもしれない。だからトウが、子供たちに武芸を教えていくということは、子供への愛を口にすることさえ許されなかった善児に対して、トウが果たせた恩返しでもあったのかなって。善児がかなえられなかった夢をトウがかなえることができたんじゃないかなって思います」と考えを語った。
その後、トウが子供たちに武芸を教える姿も描かれた最終回。山本さんのクランクアップは、政子に呼び出されたトウが、戦で親を亡くした子供たちが思い思いに食べ物を口にする姿を目にしながら、新しい役目を与えられるシーンだった。
「幸せでした。一つの役が終わってプラスアルファ、子供たちも13人わちゃわちゃいる中、こんな幸せな終わり方をさせてもらって。義時役の小栗さんはその日、もう撮影はなかったのですが、残ってくださっていて、お花をいただきました。スタッフさんからもトウに注がれる無償の愛は伝わっていたので、こんな感動的な瞬間はないと感じるくらい、ロスになるくらい素晴らしい時間を過ごさせていただけて、本当に宝物になりました」と笑顔を見せた。
最後に、山本さんが自身のインスタグラムで紹介していた“善児Tシャツ”について話を聞いた。
「梶原さんがクランクアップされたとき、スタッフさんに感謝の気持ちとともに配られた記念Tシャツです。デザインしたのも梶原さん。私はスタッフではなかったのですが、その日、私が地元の神戸の有名なお酒をお渡ししたら、後日、お礼のメッセージとともにTシャツが届きました。それをインスタに上げたら、とても反響があって。私は自分のクランクアップの日も、現場に着て行きました。お守りですね」と話してくれた。
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