堀田真由:「間違いなく代表作になる」と自信のぞかせる 「大奥」徳川家光役は「新たな挑戦」

ドラマ「大奥」で徳川家光を演じる堀田真由さん=NHK提供 ヘアメーク/小笹博美
1 / 11
ドラマ「大奥」で徳川家光を演じる堀田真由さん=NHK提供 ヘアメーク/小笹博美

 NHKの「ドラマ10」枠(総合、火曜午後10時)で放送中の「大奥」。男女の役割が逆転した江戸時代が舞台の本作で、3代将軍・徳川家光を演じるのが堀田真由さんだ。「挑戦的な役どころを託してもらえたことがうれしい」と話す堀田さんに、作品や役への思いについて語ってもらった。

ウナギノボリ

 ◇「鎌倉殿の13人」出演経験から学んだこと

 ドラマは、2004~20年にマンガ誌「メロディ」(白泉社)で連載された、よしながふみさんの人気マンガを実写化。若い男性のみに感染する病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」で、男性の人口が女性の4分の1に激減した江戸時代を舞台に、将軍職が女性へと引き継がれ、大奥は美男3000人と称される男の世界になり……という設定で物語が展開する。

 堀田さんは家光役について、「喜怒哀楽が激しい役なので、心の機微を丁寧に表現していくのが難しいなと思いました」と話し、「これまでに演じたことがないタイプの役。新たな挑戦になりますし、すてきな役を託していただけてうれしい半面、しっかりプレッシャーも感じながら収録に臨んでいます」と明かす。

 クランクインの前に、歩き方など基本的な男性の所作は教えてもらったといい、「小姓の扮装(ふんそう)でヘアメークをしていただいているときは、わざと足を開いて座って、そこから気持ちを作っていくこともありました」とも告白。

 昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など、これまでに出演した時代劇の経験が演技に生かされた部分もあったという堀田さんは、「収録で俳優の皆さんとご一緒させていただくシーンも多く、皆さんの所作を見て学んだところもありました。『立つときは手をついてはいけないんだな』とか細かい部分まで見ていたので」と語り、家光役を通して「刀を抜くときの気持ちとか、刀を人に向けたときにどういうふうに思うんだろうという気持ちが分かりました」と振り返った。

 ◇家光役は「難しいけれど楽しい役」

 堀田さんは、原作のファンが多い本作を演じるうえで、現場に台本と原作マンガを持ち込み、「このシーンは原作ではどういう描かれ方をしているんだろう?」と確認。原作者のよしながさんとは、現場で顔を合わせたことがあるといい、「お会いしたときに『難しい役だよね。でも楽しくない?』と声を掛けていただいて。本当にその通りで、難しいけれど、いろいろな表情を出すこともできますし、演じていてとても楽しい役です」と笑顔を見せる。

 その上で「特に福士蒼汰さん演じる(万里小路)有功と出会って、互いに傷を持つ2人が寄り添って、こんなに温かいものが生まれていくんだとか、人間の本質的な部分が揺さぶられるエピソードが描かれていくので、ただ『難しい』と思ってがんじがらめにならずに、自分の感覚を大事に演じていきたいです」と意気込む。

 家光と自身の共通点について「近い部分はなさそうです」と笑う堀田さんは、「私は普段、あまり怒ることがないのですが、家光は突発的に怒りのメーターが0から100へと動く人。実際に収録をしていて、体調がおかしくなるくらい追い込まれているなと感じることもありました」とエピソードを披露。

 また、これまでは「役との切り替えができるタイプ」だったというが、今回は「常に役を引きずった状態」で過ごしているといい、「その状態でいないと収録ですぐに全力を出せないので、日常生活にもかなり支障があります」と話す。

 一方で、「これまでだったら『明日の収録、憂鬱だな』と感じることもあったけど、今回はそういう気持ちになることがないんです」と打ち明ける堀田さんは、「私が日常生活に支障が出るくらい追い込まれているのと同じように、きっと家光も、孤独やつらさ、苦しさを抱えながら生きていたと思う」と共感し、「自分が家光に近づいているなと、これまで以上に感じています」と手応えをのぞかせた。

 最後に、「ドラマを見てくださった方が感じることではありますが、自分にとって間違いなく代表作になるんじゃないかなと思っています」と自信をのぞかせ、「本当に多くの方に見ていただきたい作品です」とアピールしていた。

写真を見る全 11 枚

テレビ 最新記事