福士蒼汰:「大奥」“有功様”が当たり役に 包み込むような受けの芝居で献身性を体現

「ドラマ10『大奥』」の場面カット 有功役の福士蒼汰さんと家光を演じる堀田真由さん (C)NHK
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「ドラマ10『大奥』」の場面カット 有功役の福士蒼汰さんと家光を演じる堀田真由さん (C)NHK

 よしながふみさんの人気マンガを実写化したNHKの時代劇「大奥」(総合、火曜午後10時)。若い男性のみに感染する奇病の影響で、男性の人口が女性の4分の1に激減した江戸時代が舞台で、将軍職は女性へと引き継がれ、男の世界になった大奥が描かれている。第2回から第5回にかけては「三代将軍家光・万里小路有功編」が展開。還俗した美しき元僧・万里小路有功として存在感を放ったのが福士蒼汰さんだ。

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 「三代将軍家光・万里小路有功編」には、堀田真由さん演じる家光(千恵)が登場。数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも、家光と有功が少しずつ心を通い合わせ、互いになくてはならない存在となっていく様子が克明に刻まれたが、少女の頃から喜怒哀楽の激しい家光の、全てを受け止める有功の姿が目を引いた。

 やがて、思い合う一組の男女としての苦悩を抱くようになる有功だが、それでも最後まで貫いた家光への献身。それら全てを、福士さんは包み込むような受けの芝居で体現していたようにも思える。

 家光役の堀田さんの感情や立ち居振る舞いの“振り幅”も大きな見どころになっていた「三代将軍家光・万里小路有功編」だが、それも福士さんが献身的な有功として、常に存在していたからこそ。

 慈愛に満ちたまなざしや所作の美しさ、人としての弱さ、はかなさまで、繊細に演じてみせた福士さん。「大奥」の“有功様”は、多くのドラマファンに当たり役として記憶されたはずだ。

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