小野花梨:草なぎ剛との共演「神様に感謝」 オーラ目の当たり「何十年の経験と歴史を感じた」

連続ドラマ「罠の戦争」で蛍原梨恵を演じている小野花梨さん
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連続ドラマ「罠の戦争」で蛍原梨恵を演じている小野花梨さん

 草なぎ剛さん主演の連続ドラマ「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)で、鷲津亨(草なぎさん)が仕えていた大物衆院議員、犬飼孝介(本田博太郎さん)の私設秘書・蛍原梨恵を演じている小野花梨さん。人気シリーズに出演が決まった時の思いや、草なぎさんとの共演、役者として目指す未来について聞いた。

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 ◇GP帯のドラマで4番手「覚悟を持って撮影に臨んだ」

 ドラマは、愛する家族を傷つけられた国会議員秘書・鷲津亨が知略を巡らし、悪徳政治家の失脚をもくろむ政治エンターテインメント。脚本家・後藤法子さんのオリジナル作で、草なぎさん主演の「銭の戦争」(2015年1月期)、「嘘(うそ)の戦争」(2017年1月期)に続く6年ぶりの「戦争シリーズ」だ。

 小野さん演じる梨恵は、犬飼の政策秘書・虻川勝次(田口浩正さん)からパワハラを受けていたが、鷲津の力で解決。鷲津の息子・泰生(白鳥晴都さん)を突き落とした事件の犯人探しに協力している。

 今作の出演が決まった時、小野さんは「前の2作も見ていましたし、民放のプライム帯ドラマで4番手という立ち位置が初めてのことで……。喜びと共に、何か印象を残せないと『この世界で生きていけない』と思うくらい気が引き締まりました」とプレッシャーを前向きに意識し、撮影に臨んだ。

 草なぎさんとはドラマ初共演となる。間近で見る草なぎさんのたたずまいに「何十年も芸能界の第一線を走り抜けてきた、という説得力を感じます」と語る。円熟期を迎えた人気俳優のオーラを目の当たりにしながら「私は24歳ですが、このタイミングで草なぎさんとご一緒できたのは、奇跡のような、神様に感謝しないといけないことだと思います」と喜ぶ。

 草なぎさんの演技については「自分のペースを崩さないすごみを感じました。例えば、外でのロケでは、飛行機の音だったり、信号が変わって中断したり、全てが自分が思い描いていたリズムで撮影が進むわけではありません。でも、草なぎさんはそういったときも乱れないんです。草なぎさんの経験やキャリアを感じます」と実感する。

 劇中、梨恵が行動を共にすることが多いのが、杉野遥亮さん演じる蛯沢眞人だ。眞人は、大学院で植物学を研究していたが、家庭の事情で退学。秘書見習いとして犬飼事務所で働くことになる。悪徳政治家の失脚をもくろむという重厚なストーリーの中で、梨恵と眞人のやり取りは、視聴者に安らぎをもたらしている。

 そんな杉野さんとの距離感について、小野さんは「独特なリズム感を持っている方なので、眞人の愛らしさを出せるような関係を大切にしています」と説明。杉野さんとは初共演だが「バラエティー番組などで拝見させていただいて、天然というか独特な方だなという印象でした。実際共演させていただいて、テレビで見たままでした」と笑う。

 ◇「カムカム」“きぬちゃん”は「ものすごく大きな出会い」

 小野さんは、NHK・Eテレの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」に映る「風船がほしい」と親に言ったことがきっかけで、5歳で劇団に入った。芸歴は長いが「小さな挫折は何度もありました」と言う。

 「人から求められないとやれないお仕事ですから、どんなに自分が『やりたい!』と思っていても、気持ちだけでは成り立たない。辞めないといけないのかな、このお仕事はもうできないのかなという気持ちになったことは何度もありました」と話す。

 「要所要所で監督さんやプロデューサーさん、メークさん衣装さん、共演者の方たちが『辞めちゃダメだよ!』『頑張れ!』と押し上げてくれました。その人たちと出会うことができなかったら、ダメになってしまっていたと思います」と感謝する。

 中でも、2021年度後期放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」への出演は、小野さんの「ターニングポイント」になった。「カムカムエヴリバディ」ではヒロインの幼なじみで豆腐屋の娘、水田きぬを演じた。最終回には、きぬの孫・大月花菜役で再登場。たびたび「きぬちゃん」がツイッターのトレンドに入るなど、話題を集めた。

 「きぬちゃんは、ものすごく大きな出会いでした。朝ドラの反響はすごくて、どこに行っても『きぬちゃん』と言っていただいたり、他のドラマに出ていても『きぬちゃん』がトレンドに入ったり(笑い)。朝ドラはやっぱりすごい。地方のロケで『小野花梨』では通らなくても『きぬちゃん』は知っていただいていました」と振り返る。役柄とファンに背中を押してもらったようだ。

 「第46回日本アカデミー賞」の新人俳優賞を受賞するなど、着実に歩みを続ける小野さん。今後の目指す先を聞くと「私自身、たくさんの方に支えられて今があるので、後輩たちはもちろん、周りの人たちに何かを与えられる未来があればと思っています」と目を輝かせる。

 「罠の戦争」は、SNSで視聴者が繰り広げる考察合戦でも話題を呼んでいる。「第10話の台本をいただいたときの衝撃がすごかった。その衝撃を最終回でどのように完結させるのか。視聴者のみなさんにも納得していただけると思います」と胸を張る。

 第4話(2月6日放送)では、鷲津の記入した「陳情報告書」を見た梨恵が戸惑うシーンがあった。鷲津や眞人たちとの関係もどのように進展していくのか、見逃せない展開が続く。

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