瀬戸康史:夫婦の純愛物語に「こういう世界になればいいな」 原作・市川拓司から夫婦生活の“金言”も

4月7日、8日放送のスペシャルドラマ「私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」に主演する瀬戸康史さん(右)と、原作者の市川拓司さん=テレビ朝日提供
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4月7日、8日放送のスペシャルドラマ「私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」に主演する瀬戸康史さん(右)と、原作者の市川拓司さん=テレビ朝日提供

 俳優の瀬戸康史さん主演のスペシャルドラマ私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」(テレビ朝日系)が4月7、8日の2夜連続で放送される。ドラマは「いま、会いにゆきます」などで知られ、発達障害を公表している小説家・市川拓司さんの自伝的作品の実写化だ。高校時代に出会った妻への愛を日々の原動力とする主人公ジンを演じた瀬戸さんは今作について「愛にあふれた物語。こういう世界になればいいな」と話す。瀬戸さんと原作者の市川さんに、制作の舞台裏や思いを聞いた。

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 ドラマ「私小説 」は、発達障害を抱える恋愛小説家のジンと、妻の優美(上野樹里さん)の夫婦の純愛を描く。脚本は、「いま、会いにゆきます」の映画版(2004年)を手がけた岡田惠和さんが担当する。7日午後11時15分(一部地域を除く)、8日午後11時に放送。

 --市川さんが5年前に発表した作品ですが、ドラマ化のお話を聞いたときは。

 市川さん:驚きましたが、なにより瀬戸さんが主人公を演じてくださるって聞いて大喜びでした。実は瀬戸さんがお菓子を作る番組の大ファンで(笑い)。瀬戸さんのことは若い頃から見ているのですが、僕の中でジンを演じてくれる役者さんとしては“ドンピシャ”だったんです。「私小説」は発達障害を抱える主人公のものすごく大変なお話ですが、テーマとしては「夫婦の幸せの物語」ですので、いつもあの番組で幸せのレシピを教えてくれる瀬戸さんはピッタリだなって。

 瀬戸さん:すごくうれしいです(笑い)! 僕も初めて作品を読ませてもらったとき思ったのは、発達障害の大変なこともたくさん書いてありましたが、優しさにあふれている夫婦のお話だな、ということでした。主人公の“奥さん一筋”な、ピュアな愛にも胸を打たれました。これが作られた話じゃないっていうのもすごいですよね。

 --自伝的作品ですが、市川さんから瀬戸さんに「こういう風に演じてほしい」というリクエストをしましたか。

 市川さん:それはしていないですね。「私小説」もそうですが、自分をモデルにしたほかの作品も実写化の際は自分をマネしてほしいとは思わないし、その役者さんの一番輝いているやり方で「俺をカッコ良く演じてほしい」と思っています(笑い)。あと、今回は髪形とか見た目を結構寄せてくださったので、最初から「これだ!」って感じはありました。

 --瀬戸さんの演技を見ていかがでしたか。

 市川さん:一度だけ撮影現場に伺う機会があり、見学させていただいたのですが、感極まっちゃいました。ジンと優美の重苦しいシーンだったのですが、瀬戸さんの姿が自分に重なって見えて。数年前に自分の身に実際に起きた出来事を思い返してすごくつらかったし、あのときは切なかったなという感情を思い出しました。

 --瀬戸さんはジンを演じるにあたり、難しさはありましたか。

 瀬戸さん:病気の表現もしなければいけないのでなかなか大変でしたが、スタッフからあらかじめ「市川さんはこういう風にしゃべる」とかヒントをもらっていましたし、ジンの根っこの部分にはどこか共感できるところがあったので、無理なく自然体に演じられた気がします。

 --ジンと優美の関係性、つまり市川さん夫婦の関係性についてどのように感じましたか。

 瀬戸さん:「運命」というか、出会うべくして出会った2人だなと思いました。どっちか片方が支えているということではなくて、互いに支え合っている。その関係性がずっと続いているのがステキだなと思いました。

 市川さん:ありがとうございます。「空気のような存在」という言葉がありますが、もし彼女が離れてしまったら、自分は即座に窒息してしまうと思います。15歳の頃から45年間一緒にいますが、彼女がいなかったら、10回か20回は死んでいると思います。

 --半世紀近く共に人生を歩んでいるとのことですが、良好な夫婦関係を続けるために、心がけていることはありますか。

 市川さん:自分にとって、彼女はいまだに「高校の同級生の女子」なんです。気になる女子が隣に座っている感覚という「新鮮さ」を持つことは大事かも知れないですね。新鮮さがないと、どんどんマンネリになって、恐らく精神的にも老けていくと思うんです。「気になるあの子と顔が合っちゃった!」みたいな新鮮さを45年間忘れなかったからこそ、この年になっても「私小説」みたいな作品も書けたのだと思います。

 瀬戸さん:すごいですね……。新鮮さをずっと持ち続けるのは大変なことだと思います。舞台の仕事をすることが多いのですが、何回も何回もやっていると、新鮮さを意識していても、どうしても慣れちゃう部分があるんです。それは夫婦生活でもそうだと思うのですが……。でもその意識を持っているか持っていないかで違ってくるのかな、と今のお話を聞いて思いました。なので、ずっと最初に会ったときの妻の笑顔とかをずっと忘れないでいたいなと僕も思いました。

 --最後に、ドラマの見どころをお願いします。

 瀬戸さん:愛にあふれた物語で、僕は世界がこういう風になればいいな、と思いました。でも、あまり難しく考えないで楽しんでいただけたらうれしいです。


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