名探偵コナン 黒鉄の魚影:黒ずくめの組織座談会 “ジン”堀之紀「哀ちゃんに感情移入」 立木文彦、小山茉美、古谷徹も

「名探偵コナン 黒鉄の魚影」に出演する(左から)立木文彦さん、堀之紀さん、小山茉美さん、古谷徹さん(C)2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
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「名探偵コナン 黒鉄の魚影」に出演する(左から)立木文彦さん、堀之紀さん、小山茉美さん、古谷徹さん(C)2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作となる第26弾「名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)」(立川譲監督)に登場する黒ずくめの組織のキャラクターを演じるジン役の堀之紀さん、ウォッカ役の立木文彦さん、ベルモット役の小山茉美さん、バーボン役の古谷徹さんの座談会が公式サイトで公開された。ジン役の堀さんが、灰原哀について「あの子は見ているといじらしい」「感情移入しちゃう」と語るなど、本編中の重厚感あふれるキャラクターたちとは一変し、和やかな雰囲気で最新作について語っている。

ウナギノボリ

 ◇“ベルモット”小山茉美に“バーボン”古谷徹がレクチャー

 --完成した台本を読んだ感想は?

 堀さん 相変わらずスケールが大きいなと思いました。予想がつかない展開も多くて面白かったです。あとはね、哀ちゃんの覚悟と言いますか……あの子は見ているといじらしいんだよね。

 古谷さん 全然ジンじゃない(笑い)!

 (一同笑い)

 堀さん いやいや、中身はシェリーだけどさ、もしそのことを知らないで哀ちゃんが目の前にいたら、ジンといえどもさすがに助けるでしょ?

 立木さん さすがにジンの兄貴でも(笑い)。

 堀さん シェリーだってことを知らなければきっとそうしちゃうよ。

 古谷さん 堀ちゃん、哀ちゃんのこと結構好きでしょ?

 堀さん そうそう、好きなの。

 (一同笑い)

 堀さん ジンって組織の人間の名前以外で口にするのはほとんど「シェリー」なんだよね。だからどうしても林原(めぐみ)さんが演じているキャラクターに目がいっちゃうのよ。それに、元々シェリーが持っていた覚悟を哀ちゃんも持っちゃってるじゃない? だから余計に感情移入しちゃうんだよね。

 --小山さんはいかがでしたか?

 小山さん 最初に読んだ時は、難しすぎて何が何だかわからなくて(笑い)。それで、その後に2、3回読んでみたんだけどやっぱり分からなくて。その頃、偶然古谷さんと別の現場でお会いした時に少し時間があったので、いろいろとレクチャーしてもらいました。「これってこうだよね?」って確認したりして。

 堀さん 分かっていなくてあんな芝居するんだから本当にすごいよね。

 (一同笑い)

 ◇ウォッカは意外と空気が読める? ジンへの“愛”も

 --古谷さんは台本を読んでどう感じましたか。

 古谷さん 劇場版は毎作品、一難去ってまた一難という感じで何度も山が来て、常にハラハラドキドキさせられる、まさに大スペクタクル作品という印象があったんですけど、今回は読み終わった後に「ラブストーリーじゃん」って思いました。その感覚がすごく新鮮でしたね。

 --「ウォッカがいい人だな」と思いました。ぶつぶつ言いながらもキールに丁寧に説明してあげたり、案内までしてあげて。

 立木さん よかったです(笑い)。ウォッカって実は空気は読める人なんですよ。

 小山さん 意外にね(笑い)。

 立木さん そう、意外に(笑い)。ウォッカも少しずつ成長してきているんじゃないですかね。でも、個人的には完成した作品を見終わった後に「ちょっと怖いな」と思ったんですよ。自分で言うのも変なのですが、「こんなに怖く演じたかな?」って。台本を読んでお芝居した時には気付かなかったんですけどね。

 --ジンとウォッカ、ベルモットとバーボンでタッグを組むことも多いと思いますが、それぞれの関係性や、黒ずくめの組織自体をどう思いますか?

 堀さん 僕はね、ジンは誰も信じていないと思っている。

 小山さん そうね、それは言えてる! 信頼関係一切なし!

 堀さん あとね、僕の中ではだけど、ジンはウォッカに対して最大の信頼をしているけど、信用はしていない。

 立木さん それは僕も感じています。

 堀さん だからウォッカといえども何かしくじったら多分ジンは撃つでしょうね。ジンにとってはあの方もラムもどうでもよくて、唯一忠誠を誓っているのは「組織」だけだと思います。

 小山さん 私も誰も信頼していないと思います。ベルは今までずっと必ず単独行動。誰とも一緒に動いていなかったんだけど、先日のテレビアニメ(第1079話「黒ずくめの謀略(正体)」)では、みんなでキャメルを探し回るというシーンがあったんです。キャンティ、コルン、キールもいるんですけど、「ベルはいつも個人で動いているから、一緒に動いていて不思議な気持ちがしますね」って言われて納得しました。バーボンとも別にバディーとは思っていないんです。全然誰のことも信じていないし、どちらかというと腹の探り合い。

 古谷さん それはあるね。お互いの秘密を握り合っているし。

 小山さん よく一緒に車に乗っているけど、お互いに探り合っている感じ。

 堀さん ベルモットがやっていることがばれたら、シェリーより先に殺されるよね。

 小山さん そうかも。裏切り者としてね。

 古谷さん でもベルモットは組織のトップと直接つながっているから手出しはできないんだよね。

 小山さん そんなところも面白いと思います。徒党を組んでいるように見えて、実はみんな信頼してないしバラバラの事を考えていますから。

 --その中でジンに忠誠を誓っているのがウォッカですね。

 立木さん そうなんです、唯一ですよね。もうね、ジンへの愛ですよ。嫌われたらおしまいだって気持ちで演じています。殺されるよりなにより嫌われることが嫌なんじゃないかなと思っています。

 堀さん こっちはね、感じているよ。ウォッカの愛は本当に感じている。

 --でも、いざとなったら……?

 堀さん ほら、それとこれとは別だから。だって好きだって言ってくれる女性を全部受け入れていたら大変じゃない。

 立木さん でも、例えばウォッカが女だとしたら……

 堀さん ウォッカが女だったら気持ち悪いよ!

 立木さん あ、気持ち悪いですか……そっか……。でもウォッカの中ではバディーなんです。

 堀さん さっきも言った通り、ジンはウォッカのことを心から信頼はしているんだよ。任せられるとも思っているし、記憶力もいいしね。ただ、信用はしていない。

 立木さん はい、それはとても感じています(笑い)。個人的には、ベルモットとバーボンの関係性が深すぎてつかみきれない感じがミステリアスで魅力的だなって思っています。

 古谷さん 二人とも明らかにされていないことが多いからね。

 --今回、ラムが登場したのはまた新しい展開だったと思いますが、それによってさらに謎が深まり、あの方が遠くなった気がします。そんなラムとやり取りをしているのが……

 古谷さん バーボンですね! バーボンはラムと直接やり取りしていますから。ただ、声を変えられているのでまだ正体はわかっていないんです。

 --古谷さん、今回も安室透でもあり降谷零でもありバーボンでもあり、トリプルフェースとして大活躍でした。

 古谷さん でも、僕が思っていたほどじゃなかったので少し残念でしたけどね。

 ◇最新作は一言一句聞き逃さずに

 --見どころと、ファンの方たちへのメッセージをお願いします。

 立木さん 今回の作品は、自分も黒ずくめの組織のメンバーとして、最終回ではないけれど集大成的な部分もあると思って演じました。この作品の舞台も、キャラクターたちが大活躍するべく与えられた舞台だと思っていますし、いろいろな魅力的なキャラクターが登場しますので、ぜひ堪能してほしいです。

 堀さん 見どころが満載だよね。おそらく何回も見てくれるっていうのは、1回では見きれないってことだと思うし、見るに値する作品だと思います。最後までハラハラドキドキが続いているし、今までの25作をいい意味でリスペクトしながらも新しい作品になったと思うので、ぜひ楽しんでご覧ください。

 小山さん とにかくワンカットワンカット見逃さないでほしいし、一言一句聞き逃さないでほしいです。創意工夫されていて、最後までとても楽しめるようによくできている作品だと思います。多分1回だけでは分からないところもあると思いますので、何回でも見てください。

 古谷さん 台本を読んだ時はアクションやスペクタクル部分がいつもの劇場版に比べたら少ないのかなと思っていたのですが、完成した作品を見たら全然違いました。結構早い段階から驚きの連続で、高揚感があって、クライマックスはすごいことになっていました。さらに舞台が大海原! 背景の美しさや波や太陽の描写もすごいです。これは大きなスクリーンで何度でも見たいと思いました。黒ずくめの組織がメインで出てくるだけあって、がっつりコナン君たちと対決するのも見どころです。1回では絶対に全ては把握できないと思うので、何回も劇場で楽しんでほしいです。そして歴代の数字をしのぐ作品になれるよう、皆さんのお力を貸していただきたいですね。バーボンの魅力もぜひ満喫してください。

 「黒鉄の魚影」は東京・八丈島近海にある世界の防犯カメラをつなぐための海洋施設・パシフィック・ブイを舞台に、黒ずくめの組織による女性エンジニアの誘拐事件が起きる。彼女が持っていた、ある情報を記すUSBが組織の手に渡り、灰原哀に黒い影が忍び寄ることになる。4月14日に公開され、10日間で興行収入が58億円を突破するなど大ヒットしている。

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