福士蒼汰:「あまちゃん」アキの初恋の人、種市先輩でブレーク 出演当時の心境や舞台裏 それからの10年を振り返る

福士蒼汰さん
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福士蒼汰さん

 のんさんが主演を務めた、2013年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」が4月からBSプレミアムとBS4Kで再放送され、連日話題だ。5月1日から始まった第5週「おら、先輩が好きだ!」では、主人公アキ(のんさん)の初恋の人で、北三陸高校潜水土木科の先輩、種市浩一(福士蒼汰さん)が登場した。福士さんは当時20歳(当初は19歳)で、同ドラマがきっかけでブレークを果たした。福士さんが種市先輩を演じた当時のコメントを振り返り、20代の俳優としての足跡もたどった。

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 ◇「あまちゃん」の現場で「仮面ライダーフォーゼ見てたよ」

 「あまちゃん」は、宮藤官九郎さんが脚本を手がけ、岩手県の架空の田舎町・北三陸市や東京を舞台に、内気で引きこもりがちだった主人公のアキが、海女やアイドルとして活躍しながら成長する姿を描く。

 福士さんは、1993年5月30日生まれ、東京都出身。 2011年、ドラマ「美咲ナンバーワン!!」で俳優デビューを果たすと、同年、特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」で初主演。「あまちゃん」で朝ドラ初出演を果たした。

 福士さんは、2012年9月の「あまちゃん」のキャスト発表会見で、「1年間、国民的ヒーローを演じさせていただいたんですけど、今度は半年間、伝統ある素晴らしい作品に出させていただき光栄です。デビュー2年目の新人なので、皆さんの足手まといにならないように頑張りたいと思います」とフレッシュに意気込みを語っていた。

 本放送当時のインタビューでは、岩手県でのロケで地元の人から、「フォーゼを見てたよとか、ケーキ屋をやっているから、食べていってよと声を掛けてくれたり」と温かく接してもらったことを喜んでいた。

 種市先輩を演じる際は、撮影前に2日間、潜水の練習をしたといい、水は得意ではないといいつつも、「怖くなかったですよ。ヘルメットをかぶるときは一瞬、怖かったけど。(スタントなど)吹き替えなしでやりたいという気持ちがあったので、短い期間だけど集中しました」と話した。

 アキを演じたのんさんに対しては、「見ていて気持ちよく、フワーッと明るくなるし、笑顔になる」と評したが、お互い人見知りということもあり、撮影以外では「あんまり話さない」と舞台裏を語った。

 ちなみにアキとユイ(橋本愛さん)のどちらがタイプかと聞かれると、福士さんは「アキちゃんですかね。何をしでかすか分からないところが刺激になるんじゃないかな? 自分とはかけ離れているので、一緒にいて面白いと思う」とコメント。

 放送も最終盤に入った2013年9月のイベントでは、「あまちゃん」に出演して、街で声をかけられることが増えたといい、「『種市先輩』とよく言われます。あと、後ろの方でコソコソ『じぇじぇじぇじゃない?』と言われます」と影響力の大きさを実感していた。

 ◇20代は話題作に続々出演 今では「クリエーティブに作品に向き合う」俳優に

 福士さんは「あまちゃん」本放送と同じ2013年に、映画「図書館戦争」「江ノ島プリズム」などに出演し、上半期最もブレークした俳優1位(オリコン調べ)に輝いた。

 2015年には、前年公開の映画「イン・ザ・ヒーロー」「神さまの言うとおり」「好きっていいなよ。」の3作品に出演したことで、「第38回日本アカデミー賞新人俳優賞」を受賞。2015年7月期の連続ドラマ「恋仲」でフジテレビ系“月9”に初主演した。

 その後、映画「ちょっと今から仕事やめてくる」(2017年)、「曇天に笑う(2018年)、「BLEACH 死神代行篇」(2018年)、ドラマでは「4分間のマリーゴールド」(2019年)、「DIVER-特殊潜入班-」(2020年) 、「神様のカルテ」(2021年)などの話題作に出演。

 今年に入って、NHKの時代劇「大奥」の「3代・徳川家光×万里小路有功編」で、還俗した美しき元僧・万里小路有功として存在感を放ち、4月28日にスタートした連続ドラマ「弁護士ソドム」(テレビ東京系、金曜午後8時)では、主人公の詐欺加害者専門の悪徳弁護士・小田切渉役で主演している。

 「弁護士ソドム」の祖父江里奈プロデューサーは、福士さんについて「ご自身の意見をすごく出してくださって、クリエーティブかつ真摯(しんし)にこの作品に向き合ってくださる方」と絶賛している。

 福士さんが「あまちゃん」でブレークして10年。20歳で朝ドラという巨大コンテンツに携わった経験が、20代で真摯にエンターテインメントを追求する福士さんの礎を作ったといっても過言ではないだろう。

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