解説:「カールじいさんの空飛ぶ家」ピクサー10作目 初めて人間を主人公にした作品 カンヌでアニメ初オープニング作に

劇場版アニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」の一場面(C)2009 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
1 / 8
劇場版アニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」の一場面(C)2009 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 2009年に公開されたディズニー&ピクサーの劇場版アニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」(ピート・ドクター監督)が、8月4日の「金曜ロードショー」(日本テレビ系、金曜午後9時)で放送される。本編ノーカット版の放送を前に、作品の概要を解説する。

ウナギノボリ

 ◇オスカー2冠 アニメで2作目の作品賞ノミネートも

 「モンスターズ・インク」(2001年)のドクター監督が手がけた長編。最愛の妻を亡くした78歳のカールじいさんが、住み慣れた家に無数の風船を結びつけ、偶然出会った少年ラッセルと共に、亡き妻との約束だった“パラダイスの滝”を目指して人生最後の冒険へ飛び立つ感動作だ。

 「トイ・ストーリー」(1996年)から始まったピクサーの記念すべき10作目。当時、ピクサーで初めて人間を主人公とした作品で 同スタジオ初の3Dで上映された。

 2009年のカンヌ映画祭のオープニングをアニメーション作品で初めて飾り、2010年の「第82回アカデミー賞」では、長編アニメ映画賞と作曲賞の2冠に輝いた。また、同賞でアニメーション作品として1991年の「美女と野獣」以来2作目の作品賞にノミネートされたことも話題になった。

 ◇亡き妻との約束“パラダイスの滝”へ向かう旅 幻の怪鳥との遭遇も

 78歳のカールじいさん(エド・アズナーさん)は、妻エリー(エリー・ドクターさん)に先立たれ、思い出が詰まった家で一人暮らしをしていた。幼なじみだった2人は、飛行船で世界中を飛び回る冒険家チャールズ・マンツ(クリストファー・プラマーさん)に憧れ、南米の“パラダイスの滝”に行こうと約束していた。

 ある日カールじいさんはトラブルを起こし、老人ホームに強制収容されることになる。その夜、カールじいさんはエリーとの約束を果たそうと、家に無数の風船を結んで、南米の秘境“パラダイスの滝”へ向かうことを決意。大空に飛び立った空飛ぶ家には、少年ラッセル(ジョーダン・ナガイさん)がひそかに乗り込んでいた。

 旅の途中、積乱雲に巻き込まれて家が操縦不能になってしまい、2人は滝に続く険しい岩棚に降り立った。3日以内にパラダイスの滝に着かないと、風船のヘリウムが抜けてしまい家は飛ばなくなってしまう。そこで2人は家を宙に浮かべたまま引っ張って歩くことにする。

 滝に向かう途中、ラッセルはチョコレートが大好物という巨大な鳥と、特別な翻訳機で話すことができる犬のダグ(ボブ・ピーターソンさん)と友達になる。実は巨大な鳥は、冒険家のチャールズ・マンツが何十年も探し求めている幻の怪鳥だった……。

 日本語吹き替え版は、カールを飯塚昭三さん、エリーを松元環季さん、ラッセルを立川大樹さん、チャールズ・マンツを大木民夫さん、ダグを松本保典さんが担当。

 8月4日にピクサーの最新作「マイ・エレメント」(ピーター・ソーン監督)と同時上映で短編「カールじいさんのデート」が公開された。同作は、「カールじいさんの空飛ぶ家」のその後を描く物語で、カールじいさんが女性の友人とデートに行くことになり、人と話すことができる犬のダグが“友達の作り方”を教えるというささやかな1日を描く。

写真を見る全 8 枚

映画 最新記事