橋本環奈:「天使すぎる」から10年 “国民的女優”が臨む朝ドラヒロイン

NHK連続テレビ小説「おむすび」の主演に決定した橋本環奈さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「おむすび」の主演に決定した橋本環奈さん(C)NHK

 俳優の橋本環奈さんが、2024年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」の主演に決定した。「天使すぎる」と話題を呼んだ“奇跡の一枚”から実に10年。着々とキャリアを重ね“国民的女優”になった橋本さんの歩みを振り返る。

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 橋本さんの名前が広く知られるきっかけになったのが、2013年11月にインターネットに出回った“奇跡の一枚”と言われる写真。当時、福岡を拠点に活動するアイドルグループ「Rev. from DVL(レブ・フロム・ディー・ブイ・エル)」に在籍していた橋本さんは「1000年に1人の逸材」などとキャッチフレーズが付き、“天使すぎるアイドル”として一躍脚光を浴びた。

 是枝裕和監督の「奇跡」(2011年)などにも出演しているが、俳優として本格デビューを果たしたのは、2014年7月期に放送された連続ドラマ「水球ヤンキース」(フジテレビ系)。その後も出演作が続いたが、大きく花開いたのが2017年だった。

 コメディー全開の演出が光る福田雄一監督の映画「銀魂」「斉木楠雄のΨ難(さいきくすおのサイなん)」の両作でヒロインに起用された橋本さんは、“鼻ほじ”をはじめとする振り切った演技で見事なコメディエンヌぶりを披露。なお、同年の「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた福田監督と、表彰式でプレゼンターとして再会した橋本さんは、「次はやっぱり朝ドラを狙わないと」とエールを送られている。

 前述の「銀魂」「斉木楠雄のΨ難」のほか、2016年の「セーラー服と機関銃-卒業-」(前田弘二さん)を皮切りに、10本近い作品で主演を務めるなど映画での活躍が多いのが特徴だ。もちろんドラマでも「今日から俺は」(日本テレビ系、2018年)「ルパンの娘」(フジテレビ系、2020年)「ネメシス」(日本テレビ系、2021年)などでヒロインやメインキャストを務めているが、地上波の連ドラ主演は、今年4月期の「王様に捧ぐ薬指」(TBS系)が初めて。意外に感じてしまうのは、橋本さんの存在感の大きさゆえだろう。

 映画、ドラマ以外にも、2018年には、バラエティー「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)の人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」のレギュラーメンバーを務めたほか、昨年は上白石萌音さんとのダブルキャストで「舞台 千と千尋の神隠し」の主演を務めて人気を博した。

 そして話題を呼んだのが昨年大みそかの「第73回NHK紅白歌合戦」での堂々たる司会ぶりだ。初めてとは思えないほどの安定感のある司会ぶりだけでなく、歌唱も披露するまさに八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍に、視聴者から「環奈無双」と呼ばれるなど称賛の声が相次いだ。

 “奇跡の一枚”から10年。“国民的女優”の登竜門としても知られる朝ドラヒロインに臨む橋本さん。しかし、映画、ドラマ、バラエティーに舞台、極めつけの紅白司会と、どんなフィールドでも抜群の存在感と卓越したスキルで多くの人の支持を集めてきただけに、既に“国民的女優”になっているといえるだろう。そんな橋本さんが切り開く朝ドラの新たな地平に期待したい。

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