おむすび:NHK朝ドラヒロイン橋本環奈の起用理由は?「食べる姿が素晴らしい」 制作統括が語る

2024年度後期のNHK連続テレビ小説「おむすび」の制作統括を務める宇佐川隆史さん
1 / 1
2024年度後期のNHK連続テレビ小説「おむすび」の制作統括を務める宇佐川隆史さん

 来年秋にスタートする2024年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)の制作発表会見が8月9日、NHK大阪放送局(大阪市中央区)で開かれ、タイトルが「おむすび」になることと、ヒロインを橋本環奈さんが務めることが発表された。制作統括の宇佐川隆史さんが会見後に取材に応じ、今作に込めた思いや、橋本さんの起用理由などを語った。

ウナギノボリ

 「おむすび」は、元号が「平成」に変わった翌日に生まれたヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)が、福岡でギャルとして育ったあと、あるきっかけから関西で管理栄養士を目指す……という“平成青春グラフィティー”となる。宇佐川さんは平成を舞台にした理由について「朝ドラという長いスパンで、平成という時代を描きたかった」と語る。

 「『失われた30年』といわれる平成は、確かに苦しいこともあったけれど、楽しいこともあったよね、と。先が見えない現在と地続きの『平成』の中にある、パワフルさや希望を見つけていくことで、今を生きる物語になると考えました」と明かす。

 さらに「ギャル」を主人公にしたのは「自分の『好き』を貫きつつ、相手のことも大事と思うギャルのパワーとマインドが、今の世の中で道しるべになるのでは」と狙いを語った。

 2022年度前期の「ちむどんどん」など、朝ドラでは「食」がしばしばテーマになるが、味よりも「栄養」の方に主軸を据えるのが、今作の従来にはなかったポイントになるという。これには、未来の幸せな姿を考えるためにも、もう一歩先の「食」を描けないか?という考えがあった。

 「栄養はなかなか最優先にできないものだけれど、今これを考えておかないと、未来がどうなっていくのか、と。日本は栄養学がものすごく進んでいるから、そこに触れることで、新しい食の話ができると思う」と宇佐川さんは思い描いている。

 舞台を福岡、神戸、大阪にした理由は、「福岡は素材が豊かで、特に(結が育つ)糸島は野菜が有名。神戸は放送中に震災30年目を迎えますが、実は主人公に大きく関わります。そして彼女が栄養士として悪戦苦闘をする大阪は、やはり食の今を描くのに外せない街です」と説明。

 橋本さんをヒロインに指名したのは、演技力や気負わない雰囲気に加えて、「食べている姿が素晴らしい」ことが決め手になったという。「朝ご飯を食べた後でも、ご飯を食べたくなるぐらい(笑い)、おいしそうに食べるんです。大阪局は食べ物を作るスタッフが非常に熱くて、おいしいものを作って役者さんの演技を引き出すので、そこを半分ドキュメントで撮ろうという話になっています」と、橋本さんの食べっぷりが見どころになるだろうと予測した。

 「おむすび」について宇佐川さんは「平成の持つ枠を外れた元気さで、優しさというよりは『パワフルにいたわる』ということをテーマにしたい。大好きな街の“町中華”みたいなドラマになればと思います」と希望を語った。

 脚本は「正直不動産」「ハコヅメ~たたかう! 交番女子~」などを手掛けた根本ノンジさんが担当する。クランクインは2024年の春頃を予定している。

テレビ 最新記事