松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)。9月3日に放送された第34回「豊臣の花嫁」では、前週第33回のラストで、秀吉(ムロツヨシさん)の元に出奔し、“裏切り者”となった石川数正(松重豊さん)の真意が明らかにされた。「いろいろなことに気づく目を持っていた数正は、苦しさや葛藤も抱えていただろうと想像しました」と話す松重さんが思いを語った。
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最初は小さな会社だった“徳川商店”。今川家の人質時代から家康(松本さん)を支えている古参の家臣たちに、平八郎((本田忠勝、山田裕貴さん)・小平太(榊原康政、杉野遥亮さん)・直政(板垣李光人さん)のような若いメンバーも加わり。小さな会社がじわじわと大きくなり、運良くどこにも飲み込まれず、何とかここまでやってきた。松重さんは「家康は本当に運がいいなと思います」と明かす。
「演じる上でも、家臣団内の位置関係、上下関係、人間関係を、僕らが生きている現代に落とし込み、『もし“徳川商店”に勤めていたら……」とリアルに考えていました。大河ドラマといえど、決して昔話ではないと思うんです」
また、現代の社会の在り方について「ここ20~30年の間に経験して“当たり前”と思っていたことが、既に“当たり前”ではなくなっている」とも考える松重さんは、次のような持論を披露。
「まして(西暦)1600年前後には、更に大きな変革期があったでしょうし、それにどう対応していくか、どうすれば生き残れるかというのは、まさに現代を生きる僕らも突きつけられている現実だと思います。大河ドラマを見て『俺たちの会社のことを言ってるかもしれない』と思えたり、時代は違えど身につまされる思いになったり。そういう視点でご覧いただくこともできるのかなと思っています」
そう考えていくと、第34回で描かれた出奔に関しても、数正にとっては “組織で働く”ことの葛藤や難しさがあったのだろうと……。
「小牧長久手の戦いで勝利はしたものの、勝ったのは偶然と捉えていたのは、家臣団の中で数正だけだったのかもしれません。 天下を取る戦国大名がどれだけ海外と交流し、どれだけの武器を手に入れ、どれだけ強大な勢力になっているか。現実を見極める力が、家臣団にはまだそれほどなかったのかもしれません。だからこそ、いろいろなことに気づく目を持っていた数正は、苦しさや葛藤も抱えていただろうと想像しました」
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