VIVANT:画期的だったドラムの設定 “絶妙な表情の演技”で確かな人気キャラに

連続ドラマ「VIVANT」最終回の一場面(C)TBS
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連続ドラマ「VIVANT」最終回の一場面(C)TBS

 堺雅人さんが主演を務めた日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」(TBS系、日曜午後9時)で、一躍人気キャラクターとなったドラム(富栄ドラムさん)。9月17日に放送された最終回を終えても、彼の出自などは明かされなかった。一体、ドラムとは何だったのか、人気を集めた理由を探る。

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 第1話で、警視庁公安部の野崎(阿部寛さん)の“仲間”として登場したドラム。言葉は話せないが、日本語が理解できるドラムは、携帯音声で「私はドラムです。よろしくね!」と乃木(堺さん)にあいさつ。その後も、「野崎さん、ガソリン15リットルぐらいしか残ってないよ。100キロ走ったらおしまいね!」など、緊迫の場面も可愛らしい音声で伝え、「抑揚が絶妙で可愛い」といきなり視聴者の心をつかんだ。

 可愛らしさだけでなく、仕事面でも能力を発揮した。

 第2話では、バルカ警察の追跡から逃げる中、病に苦しむジャミーン(ナンディン・エルデネ・ホンゴルズルさん)を助ける決断をする。野崎から「ここ5日間の食料、水。それからガスコンロ、燃料を頼む」と指示を受けたドラムは、すぐに物資を用意。さらには、中国、ロシア、カザフスタンの国境ゲートの警備が通常の倍になったことも、ドラムの調査で判明し、偵察班としても有能さを見せた。

 日本に帰国した乃木が、テントに潜入するためにバルカに再び渡ると、追いかけるように野崎とドラムもバルカに向かう。その飛行機内で、ドラムは乃木のスーツケースと靴に発信機を取り付けていたのだ。乃木は発信機の存在に気付いていたが「ドラムさんは発信機をつけるのがうまいなあ」とその実力をたたえた。

 だが、最終回でも、ドラムがどこで育ち、どのような訓練を受け、野崎とはどこで出会ったかなど、彼にまつわることは描かれなかった。

 一方で、テントが運営する孤児院出身のチンギス(バルスルハグヴア・バトボルドさん)が、テントのリーダー・べキ(役所広司さん)の登場時に頭を下げると、ドラムも同じように頭を下げていた。

 ドラムのあまりの能力の高さに、視聴者の間では「テントのメンバーではないか」という考察が中盤以降から多く上がっていたが、べキに頭を下げていた姿から「きっとチンギスと同じように孤児院出身なのでは?」「ドラムもなにかテントと関係があると思う」と確信のような声へと変わっていた。

 林原めぐみさんによる音声を用いて、まったくしゃべらないという画期的なキャラクターとなったドラム。彼が持ち合わせる有能さはもちろんのこと、うれしさや驚き、怒った時など感情を表した絶妙な表情の演技が、何よりも視聴者の人気を集める存在となったのではないだろうか。

 「超可愛い! 超可愛い!」とグッズ化もされたドラム。視聴者からも期待の声が上がっている“続編”があるとすれば、ドラムの過去や野崎との出会いも描かれるか、今から妄想が膨らむばかりだ。

 全10話で終了した日曜劇場「VIVANT」。最終回の平均視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ・以下同)は、世帯19.6%、個人12.9%と高水準を記録した。ブルーレイディスク(BD)&DVDボックスが12月27日に発売される。

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