俳優の佐々木蔵之介さんが主人公を演じ、人気グループ「なにわ男子」の高橋恭平さんも出演する連続ドラマ「マイホームヒーロー」が、10月24日からMBS／TBS深夜の「ドラマイズム」枠でスタートする。「週刊ヤングマガジン」（講談社）で連載中の山川直輝さん原作、朝基まさしさん作画の人気マンガを実写化するもので、佐々木さんは「映像になった場合、どこまで詳細にできるのか？とは思いながらも、めちゃくちゃ面白かったです」と話す。今作の見どころを、佐々木さんと高橋さんに聞いた。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　◇

　「マイホームヒーロー」は、推理小説オタクの平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄（佐々木さん）が、娘の恋人である犯罪組織のメンバーを殺害した罪を隠し、家族を守るため、ミステリー小説で培った頭脳と家族愛を武器に、半グレとの闘いに身を投じることになる……というストーリー。2024年春に映画が公開されることも決定している。

　おもちゃ会社で働くサラリーマンの哲雄の趣味は、推理小説を読むことと書くこと。日頃からミステリーに使えそうなトリックのメモをためている。佐々木さんは、「ヒーローでありながら殺人犯でもあり、そして普通のサラリーマンという役を演じる機会なんてそうはありません。鳥栖哲雄には、家族への愛情溢れる行為や、ある意味狂気を孕んだ行動などいろいろな要素があります。それに一筋縄では行かせてくれないストーリーの“うねり”も加わるので、非常に多面的な役だと思いました。これができるのは面白いな、役者としてありがたいなと思いました」と振り返る。

　一方、哲雄を殺人犯と疑い、執拗（しつよう）に追及する半グレ集団のリーダー格・間島恭一を演じる高橋さんは、「初めての役柄だったので、メークだったり芝居だったり全部がいい経験だった。やっていて、すっごく楽しかったです」とにっこり。

　撮影現場では、佐々木さんに「僕、人見知りなんです」と“自己紹介”したといい、「最初の方はめっちゃガッチガチで。蔵之介さんに話しかけられたら、ビクッとして緊張していた。でも、学ぶところがいっぱいでした」と振り返る。

　佐々木さんは「優しいお父さん」のような存在だったといい、「蔵之介さんは関西出身なので、カメラがまわっていないときとかでも、ポロっと言うことが面白くて、和ませてくださった。僕が悩んでいたら、すっと話しかけてくださった」と感謝の思いを伝えていた。

　そんな高橋さんの様子について、「役をすごく作って、現場に挑んでいて、常にどうしようかと悩んでいた。反省もしたりしていたと思う」と話した佐々木さん。「（高橋さんは）基本優しいから、首を絞めるとか、殴る蹴るが全部ソフトタッチなんですよ（笑い）。見え方は怖いですが、終始ソフトでした（笑い）」と裏側を明かしていた。

　ドラマには、哲雄の一人娘・鳥栖零花役で「乃木坂46」元メンバーの齋藤飛鳥さん、哲雄の妻・鳥栖歌仙役で木村多江さんも出演する。佐々木さんは、「撮影期間中、常にボコボコにされている僕に、多江さんは『体調大丈夫？』といつも心配してくださった。それがありがたかったです」と話した。零花とのシーンは穏やかなシーンが多かったといい、「飛鳥ちゃんのシーンは毎回、ホッと出来たな（笑い）」と明かしていた。

　最後に、佐々木さんは「タイトルは“ヒーロー”なんですけど、彼は犯罪者。何が正義で、何が悪なのかが非常にグレーで、彼の中でも揺れ動きます。その彼を突き動かす原動力は家族への愛。その一点のみで身体も思考もフル稼働して立ち向かう鳥栖哲雄の姿は、いつしかヒーローに見えてきます。視聴者の皆様には、1秒先がどうなるかわからない展開を見続けて応援してくださればいいかなと思っております」と呼びかけた。

　高橋さんは、「僕個人としてもやりたかったジャンルで、“勉強”と“楽しい”の応酬でした。精いっぱい頑張ったので、見ていただければうれしいです」とアピールした。

　「マイホームヒーロー」は、10月24日から毎週火曜放送。MBSは深夜0時59分から、TBSは深夜1時28分から放送される。