解説:松本若菜が大河で見せる“正統派”の顔 凛として美しく 聡明な阿茶局がハマり役に

大河ドラマ「どうする家康」で阿茶局を演じる松本若菜さん (C)NHK
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大河ドラマ「どうする家康」で阿茶局を演じる松本若菜さん (C)NHK

 NHK大河ドラマどうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)に阿茶局役で出演している松本若菜さん。松本さんといえば、昨年4月期の連続ドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)で、顔芸を含む“怪演”が「松本劇場」などと大きな話題となり、年末に発表された「Yahoo!検索大賞2022」俳優部門で1位に輝いたことも記憶に新しい。そんなブレークの年を経て、今回の「どうする家康」では、美しさと才覚を兼ね備えた家康(松本潤さん)の側室として、「松本劇場」とは180度異なる“正統派”の顔を見せている。

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 ◇子を思う母の心情 3年前の大河でも“家康の母”好演

 松本若菜さんが演じる阿茶局は、武芸をたしなみ、家康が数々の戦にも同行させた、美しさと才覚を兼ね備えた側室だ。武田家臣の娘で、秀忠(森崎ウィンさん)の後見役も務め、豊臣家との最終決戦の際には、重要な交渉役を担うことに。

 松本さんが大河ドラマに出演するのは、2020年の「麒麟がくる」以来、2回目となる。3年前の前回は、風間俊介さん扮(ふん)する家康の母・於大(おだい)の方を演じたが、出番は決して多くはなかった。

 それでも、第20回「家康への文」(2020年5月31日放送)では、尾張へと侵攻する今川軍の先鋒(せんぽう)を任された松平元康(後の家康)に、於大が戦から手を引くよう文を送るシーンがあり、涙ながらに子を思う母の心情を体現した松本さんに対して、SNSでは「引き込まれた」などの反響があった。

 元康とは16年間会わず、顔も声も忘れてしまっており、その関係性について「もはや母と言えるのか、子と言えるのか」としながらも、「もはや道ですれ違(ちご)うても、我が子と分からぬ愚かな母ではあるが、この戦で我が子が命を落としたと聞けば、身も世もなく泣くであろうと書きました」と息子への思いを手紙にしたためた於大。それと共に松本さんの醸し出す、はかなげな雰囲気と美しさに魅了された視聴者から「その美しさにハッとさせられた」「松本若菜さんの演技に目を奪われてしまった」「頬に落ちる一筋の涙も美しい」といった声が次々と上がった。

 ◇「阿茶の狐退治」も話題に 凛々しさに目を奪われた?

 「麒麟がくる」から3年がたち、「どうする家康」で大河ドラマに戻ってきた松本さん。阿茶局は「側室にして同志、信頼厚きパートナー」とのキャッチコピーからも伝わってくるように、聡明さも大きな魅力だ。

 直近の放送となった第38回「唐入り」(10月8日放送)では、秀吉(ムロツヨシさん)の側室となった茶々(北川景子さん)が家康へと接近。自分の母を死に追いやった秀吉のそばで暮らすことへの“苦しさ”を吐露しながら、家康の心へと入り込もうとする茶々の動きに“カットイン”した阿茶の姿が話題に。

 「お慕いしてもようございますか」と家康の手を取り、「あなた様に……守っていただきとうございます」と目に涙を浮かべて訴える茶々を、家康も「私にできることあらば、なんなりと」と受け入れようとするが、阿茶は静かな足音で2人に近づき、「殿、そろそろ」と一言。

 阿茶は、自分が家康の側室であることや、男たちと同様の役目を任されていることを、さりげなくアピール。さらに「鷹狩りにも同行する」という阿茶を、茶々は「ここで狩りはできぬと思うが」と茶化すが、阿茶は真顔で「殿下(秀吉)に取りついた狐がいるといううわさを耳にいたしました。我が殿(家康)にも取りついてもなりゆませぬゆえ、狐を見つけたら退治しようと……」と自分が現れた理由を説明。その上で、茶々には「お見かけになっておりませぬか?」と、素知らぬふりをして問いかけた。

 狐を「見てない」という茶々は「狐退治、大いに励んでくだされ」と嫌みを込めて言い返すも、阿茶は涼しげな笑みを浮かべて受け流し……と展開。機転を利かせて“狐(=茶々)”を追い払うことに成功した阿茶の聡明さとともに、松本さんの凛々しさに目を奪われた視聴者も多かったのではないだろうか。今後も、ハマり役となりそうな阿茶局として見せる、松本さんの凛として美しい“正統派”の顔に注目だ。

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