解説:「ブギウギ」ヒロイン趣里の“軌跡” 教師に恋する女子高生から引きこもりまで

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロインを演じる趣里さん
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロインを演じる趣里さん

 「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲を歌った戦後の大スター・笠置シヅ子(1914~85年)の人生をモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン役を務める趣里さん。ドラマには、第3週「桃色争議や!」(10月16~20日)から本格的に登場し、コミカルもシリアスも自由自在な、感情表現の幅が広い演技、歌やダンスのパフォーマンスも話題を呼んでいる。ここでは、趣里さんのこれまでの主な出演作を振り返る。

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 趣里さんは1990年9月21日生まれ、東京都出身。4歳からクラシックバレエを始め、世界で活躍するバレリーナになることを目指して英国に留学するが、練習中に大けがを負い、バレエダンサーの夢を断念。その後、俳優で映画監督の故・塩屋俊さんの俳優養成所で演技の面白さに目覚め、2011年にドラマ「3年B組金八先生ファイナル~『最後の贈る言葉』4時間SP」(TBS系)で俳優デビューを果たす。

 2013年公開の映画「おとぎ話みたい」(山戸結希監督)で映画初主演。教師に片思いする地方在住の女子高生を演じ、思春期特有の自意識を繊細に表現した演技で高く評価された。劇中では趣里さんがバレエを踊るシーンがたびたび登場し、そのしなやかなパフォーマンスでスクリーンを彩った。

 その後は、テレビや映画、舞台にと幅広く活動。2016年度前期の朝ドラ「とと姉ちゃん」で、高畑充希さん演じるヒロイン・小橋常子らが立ち上げた雑誌「あなたの暮し」の新人女性社員・大塚寿美子役で出演し、注目を集めた。

 以降も、連続ドラマ「リバース」(2017年、TBS系)で不倫に走る夫を監禁する狂気的な妻を怪演し鮮烈な印象を残し、同年公開の映画「彼女の人生は間違いじゃない」(廣木隆一監督)ではデリヘル嬢役に挑んだ。

 連続ドラマ「ブラックペアン」(TBS系、2018年)では、クールな看護師、“猫ちゃん”こと猫田麻里を演じ、主演の二宮和也さん扮(ふん)する天才外科医・渡海征司郎との名コンビぶりも話題となった。同年公開の主演映画「生きてるだけで、愛。」では、菅田将暉さんと恋人役で共演。過眠症で引きこもり気味の主人公を体当たりで演じ、第42回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した。

 その後も、連続ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」(日本テレビ系、2019年)、「私の家政夫ナギサさん}(TBS系、2020年)、「レッドアイズ 監視捜査班」(日本テレビ系、2021年)、映画「ホリック xxxHOLiC」(蜷川実花監督、2022年)、「流浪の月」(李相日監督、2022年)など話題作に立て続けに出演してきた。

 今後も、11月17日からWOWOWで放送・配信される連続ドラマ「連続ドラマW-30 東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」で主演を務めるほか、10月27日公開の映画「愛にイナズマ」(石井裕也監督)、11月25日公開の主演映画「ほかげ」(塚本晋也監督)などが控えている。

 「ブギウギ」は、10月23日から第4週「ワテ、香川に行くで」へと突入。趣里さん扮するスズ子ら梅丸少女歌劇団(USK)の劇団員たちによるストライキの行方や、スズ子が生まれ故郷である香川に里帰りする姿も描かれる。スズ子の波乱に満ちた半生を趣里さんがどのように演じていくのか、今後の展開に期待したい。

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