全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
趣里さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)で、大阪・道頓堀の梅丸少女歌劇団(USK)の1期生で、男役トップスターの橘アオイを演じている翼和希さん。翼さんは、ヒロインのモデルとなる笠置シヅ子が在籍していた「OSK日本歌劇団」の“本物”の男役スターで、朝ドラ初出演。朝ドラはもとよりテレビドラマの撮影が初めてという翼さんだが、そのことを全く感じさせない存在感を放っている。翼さんが、出演が決まった際の心境や演じる上で気をつけたことなどを語った。
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「朝ドラで『ブギウギ』という作品を制作すると決まったときから、どんな小さなきっかけでもいいので、何かしらの形でこの作品に関わりたいという話を(OSKの)劇団内でよくしていました」という翼さん。オーディションで出演が決まり、「テレビの現場が初めて」ながら、「とにかくうれしかったです」と当時の心境を語る。
演じる橘はUSKの1期生。同期の大和玲子(蒼井優さん)が“静”なら橘は“動”。橘は迫力ある力強い踊りが得意で、スズ子ら後輩を大きな声で厳しく指導する。
翼さんは自身の体験と比べて、「私たちが所属するOSK日本歌劇団には上級生の方がたくさんいらっしゃって、私たちは先輩から習うことができました。でも、1期生は、ゼロから作り出す責任があり、ものすごくエネルギーがいることだったと思います」と想像を巡らせる。
「橘や大和礼子には習える上級生はおらず、劇団のメンバーや林部長(橋本じゅんさん)、大熊社長(升毅さん)と話し合いながら劇団を作り上げていったのだと思うので、橘もものすごいエネルギーを持った方なのだろうなと思いました」と思いをはせる。
特に同期の大和とは特別な関係に見える。「大和に関しては、憧れを持ちながら、一緒にやってきた仲間として同期ならではの友情もあり、2人の間にはすごく深い関係があると思います」と推察する。
「橘には何度も挫折した経験がきっとあって、そのたびに支えてくれたのが大和の存在だったのだと思います。最終的に同期で残ったのがこの2人だったのは、大和がいてくれたから。橘と大和の2人で切磋琢磨(せっさたくま)してきたから、ここまで残ってこられたのだと思います」と想像する。
“本職”ともいえるレビューシーンの撮影では「本業に戻ったような気分で、正直ホッとしました。初めて共演する俳優の皆さんと一緒に同じ舞台に立つことは、私にとっても新しい経験でした」と少し余裕を持って臨めたようだ。
その上で、「男役として相手をリードするということを改めて考えた機会にもなりました」という。「私は大和と組むことが多いのですが、実際に大和をリードするときに、どうすればちゃんとリードできるのかをいつも以上に考えました。普段からやっていることなので、当たり前のようにやってしまいがちですが、すごく新鮮な感覚でした」と新たな発見もあったという。
「ブギウギ」の見どころを「やはり舞台のシーンを特にご覧いただきたいです!」とアピールする。
その理由を「この作品では、歌劇の世界の普段見られない部分も描かれており、そこが面白いところです。出ている側の悩みや葛藤、同期とのぶつかり合いなどは、本来お客様に見せるべきものではありません。でも、そこはドラマだからひも解いていけるのだと思います。それぞれの意見があり、離れてしまうこともあるかもしれないけれど、結局はみんなが『舞台が好き』というその気持ちで一つになっています」と語る。
その上で「一つになったとき、絆はまた強固なものになり、さらにみんなで稽古(けいこ)をしていくことで、エネルギーはもっと大きくなっていきます。舞台シーンを、そこに至るまでの過程も知った上で見ていただけるのは、とても見応えがあると思います」と力を込めた。
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