解説:今なお色あせない「最愛」の魅力 「光る君へ」での“トリオ”そろい踏みが話題

連続ドラマ「最愛」のビジュアル(C)TBS
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連続ドラマ「最愛」のビジュアル(C)TBS

 吉高由里子さんが主演を務める2024年のNHK大河ドラマ光る君へ」のキャストとして井浦新さんに加え、松下洸平さんの起用も発表されたことから、SNSでは2021年に放送された連続ドラマ「最愛」(TBS系)を思い起こした視聴者の声が相次いだ。3人がメインキャストを務めて大ヒットした「最愛」の魅力を振り返る。

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 2021年10月期に放送された「最愛」は、吉高さん演じる、殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央と、松下さん演じる、梨央の初恋相手で事件の真相を追う刑事・宮崎大輝、そして井浦さん演じるあらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士・加瀬賢一郎の3人を中心に、さまざまな人々の思いや生きざまを切なく描いたラブサスペンスだ。

 物語のテーマとなっているのが、タイトルでもある“最愛”だ。一口に愛といっても、かつては思いを通わせながら、離ればなれになってしまった梨央と大輝の恋愛模様だけではなく、故郷を離れた梨央に対して自分の全てをなげうって献身的に支える加瀬の生きざまも、また一つの愛の形として視聴者の胸を打った。

 さまざまな愛の形がない交ぜになった人間ドラマを横糸に、連続殺人事件の真相を追うミステリー要素が縦糸となって切なく丁寧に紡がれたストーリーは反響も大きく、TVerの再生回数が初の2000万回超えを記録したほか、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’21/第27回AMDアワード」大賞、「日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビドラマ最優秀賞」、「東京ドラマアウォード2022」の作品賞「連続ドラマ部門」のグランプリなど、さまざまな賞に輝いた。韓国でのリメークも予定されている。

 さて、「光る君へ」は平安時代が舞台で、世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部が主人公。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を映し出すという内容で、吉高さんは紫式部/まひろを演じる。

 井浦さんが演じるのは、まひろの“ソウルメイト”となる藤原道長(柄本佑さん)の長兄、藤原道隆。才色ともに道長を上回り、時の権力者だった父、藤原兼家(段田安則さん)にとって申し分のない跡継ぎという役どころだ。

 一方、松下さんが演じるのは越前にやってきた宋の見習い医師・周明(ヂョウミン)。まひろに宋のことばを教えてくれ、二人は親しくなっていく。優しく穏やかだが、どこか謎めいたところがある男だという。

 メインキャスト3人のそろい踏みに、SNSでは「最愛」ファンが反応。「吉高ちゃんに洸平くんに井浦さんって、それはもう最愛なんよ。ありがとうなキャスティング!」「光る君へに最愛トリオがそろった! 早く見たいー! 年始待ちきれなーい!」といった喜びの声が次々と上がるなど、今なお色あせない魅力をうかがわせた。

 井浦さん、松下さんともに、「光る君へ」での役どころは「最愛」とはおおよそ異なる印象を受ける。吉高さんを含めた3人が紡ぐ新たな物語をファンとしては期待したいところだ。

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