ブギウギ:“タイ子”藤間爽子の「感情が揺さぶられる」魂の演技 制作統括が明かす「スタッフも泣いた」再会シーンの舞台裏

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK

 趣里さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第20週「ワテかて必死や」(2月12~16日放送)では、スズ子(趣里さん)と幼なじみのタイ子(藤間爽子さん)が東京で再会する様子が描かれた。タイ子は貧しい暮らしや病気で伏せっている姿を見られたくないと当初はスズ子を拒絶するも、第96回(2月16日放送)では涙の和解を果たした。一連の藤間さんの演技について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

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 ◇スズ子の“おせっかい”でタイ子のかたくなな態度も氷解

 第20週で、スズ子の母・ツヤ(水川あさみさん)の葬儀以来、久しぶりに再会を果たしたスズ子とタイ子。しかし、タイ子は病床に伏しており、芸妓だった母は空襲で、嫁いだ夫は戦地で亡くなり、息子の達彦(蒼昴さん)が靴磨きをして家計を支えていた。

 タイ子は、スター歌手になったスズ子にそんな惨状を見られることがつらく、「スターさんには関係あらへん。施しを受ける義理はありません」と冷たく言い放つ。

 後日、再びタイ子と対面したスズ子は、「他人のあんたには関係ない」と突き放すタイ子を抱きしめ、幼少期からの2人の思い出を語る。タイ子は「そんなん言うたらますますみじめやわ」「夢かなえたスズちゃんとウチとでは天と地や……」と号泣した。

 第96回では、タイ子が「なんでこうも違てしもたんやろ……ホンマにみじめで恥ずかしい……」と嘆くと、スズ子は「恥ずかしない!」ときっぱり。達彦を優しい息子に育てて立派だと褒め、達彦のためにも病気を早く治すべきだとタイ子を諭し、「ワテが歌手になったんもタイ子ちゃんのおかげなんや。ワテに義理返させてえな」と訴えた。

 スズ子の“おせっかい”にタイ子のかたくなだった態度も氷解し、2人は号泣しながら抱き合い和解。その後、タイ子は医者の診察を受け、スズ子のステージを達彦と見に来るまでに回復した。

 ◇ヘビーな場面では「話しかけるのがはばかられるくらい集中していた」

 タイ子を演じる藤間さんは、1994年8月3日生まれ、東京都出身。俳優と日本舞踊家の二足のわらじで、舞台や映像を中心に活動している。2017年前期の「ひよっこ」で若い頃の立花富を演じ朝ドラ初出演を果たすと、2022年前期の「ちむどんどん」では矢作の妻・佳代役で出演。「ブギウギ」は3作目の朝ドラとなる。

 日本舞踊家としては紫派藤間流の三代目家元として2021年に藤間紫を襲名。日本舞踊では「藤間紫」、女優としては「藤間爽子」を名乗って活動している。

 スズ子とタイ子がお互い泣きながら抱き合って和解するシーンに、視聴者からは「涙腺崩壊」「2人のやりとりにずっと涙が止まらなかった」「幼なじみっていいですね」といった感動の声が寄せられた。

 この場面を撮影する際の藤間さんの様子について、福岡さんは「(撮影に参加するのが)大分久しぶりだったので、(スズ子を演じる趣里さんと)『元気?』とお互いに懐かしんでいたようでした」と振り返る。

 久しぶりの登場で緊張もあり、また「なかなかヘビーな場面なので、藤間さんはすごく苦労されているようでした」という。リハーサルから「話しかけるのがはばかられるくらい集中されていて、近づけないくらいでした」と明かす。

 撮影が始まると、「お二人ともすぐに気持ちが入っていましたね。説明しすぎることもなく、自然に(感情が)出てきたと思います」といい、「藤間さん自身も熱演しようという雰囲気ではなく、演じていくうちにどんどん気持ちが自然に高ぶっていったような感じで、すごく良かったなと思います」とたたえる。

 藤間さんの演技について、「難しいシーンなんですけれど、台本を読み込んで、想像力を働かせ、イメージをしっかりつかんで挑まれたんだと思います。緊張感あるお芝居を見せてくださいましたし、号泣シーンもすごく気持ちを入れてやっていただきました」といい、「見ているスタッフも泣くくらい感情が揺さぶられる場面になったかなと思います」と仕上がりに自信をのぞかせた。

 第20週のラストで、「ジャングル・ブギー」のステージを見てタイ子が笑顔になっていることを確認したスズ子。2月19日から始まる第21週では成長した娘・愛子の子育てと芸能の仕事との両立に苦労する姿が描かれる。周囲の支えもあって、ますますスターとして輝き、日本中を元気にしていくスズ子の活躍を、これからも見守っていきたい。

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