ライオンの隠れ家
最終話 僕たちの新しい始まり
12月20日(金)放送分
伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。主人公・猪爪寅子と彼女を取り巻く愛すべきキャラクター、各キャストの好演や琴線に触れるストーリーで好評を博しているが、そんなドラマの重要なピースの一つとして、毎回オープニングで流れるタイトルバックについて、担当のサード演出・橋本万葉さんに話を聞いた。寅子としてドラマ本編だけにとどまらず、タイトルバックでダンスを披露してる伊藤さんだが、橋本さんの目にはどう映ったのか。また視聴者の反響の声を受け、改めて感じたこととは……。
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タイトルバックはシシヤマザキさんが、実写の映像を撮影し、それをトレースして上に絵を描きアニメーションにしていく「ロトスコープ」という技法によって制作。ドラマの主人公・寅子役の伊藤さんが、米津玄師さんが書き下ろした主題歌「さよーならまたいつか!」に合わせ、さまざまな時代・職業の女性に扮(ふん)したバックダンサーと共に踊りを披露している。振り付けはyurinasiaさんが担当した。
ドラマ本編の撮影をしていても、伊藤さんの眉毛の動きや目の開き方など細かい表情の変化による表現力の高さ、その種類の豊かさにうなる瞬間がたくさんあります。
タイトルバックの素材撮影では、意味合いや表情の説明を行い、音楽に合わせて伊藤さんに動いてもらい、それをシシさんが撮影するという方法を取りました。
タイトルバックの中で、寅子が倒れこみ、カメラが目に寄っていくところがありますが、具体的なせりふもないシーンで、目の表情だけであれだけ表現できるということはすごいことだと思います。現場でも素晴らしいと思いましたが、アニメーションになってもその力強さは全く薄れず、そこにシシさんの表現も加わってとてもエネルギーに満ちたすてきなシーンに仕上がりました。たくさんの視聴者の方から「あの目のシーンが好き」と反響をいただき、「やっぱり!」とうれしく思っています。
視聴者の方から「(録画でも)飛ばさずに毎回見ている」という感想を多くいただきました。ドラマ本編と続きのような感覚で見てくださる方が大変多く、第3週の放送の際、タイトルバックの中で寅子がふらつき倒れこむ姿が「よね」や「よねの姉」にも見える、という感想があり、驚きました。「虎に翼」は猪爪寅子の物語でありながら、さまざまな時代を生きたたくさんの女性たちの物語でもあると考えていますので、そんなふうにその日のストーリーに合わせて見え方が変わり、楽しんでいただけることを幸せに思います。
「虎に翼」は、日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。主人公とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追いつめられた女性たちを救っていく姿を描く、リーガルエンターテインメントだ。
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