宮澤エマ:第77回トニー賞は思い入れある「メリリー・ウィー・ロール・アロング」に注目 コンビを組む井上芳雄とと「親戚の集まりみたい」

「第77回トニー賞」でナビゲーターを務める宮澤エマさん
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「第77回トニー賞」でナビゲーターを務める宮澤エマさん

 米演劇界の祭典「第77回トニー賞」が、6月17日(日本時間)にニューヨーク・シティ・バレエの本拠地であるデイヴィッド・H・コーク劇場で開催される。WOWOWの生中継番組でナビゲーターを務めるのが、自身もミュージカルで活躍する俳優の宮澤エマさんだ。トニー賞授賞式の雰囲気を「毎日公演をやり続ける経験が生む絆というか、コミュニティー感は唯一無二だなと。その関係性がトニー賞には感じられます」と表現する宮澤さんに、授賞式の見どころや注目作を聞いた。

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 ◇SixTONES・京本大我とのミュージカルトークに期待

 宮澤さんが同番組で初めてナビゲーターを務めた「第74回トニー賞授賞式」は、コロナ禍での延期を経ての開催。「演劇界にとっては特に難しい時期から私も関わらせていただくようになって、コロナ禍が落ち着いてきたと思ったら、全米脚本家組合のストライキもあるなど異例続きだった」と当時を振り返り、「毎年、楽しみながら番組収録するので、『職務を全うできたかな』『来年も呼んでもらえるかな』という思いもよぎりますが、うれしいです」と4回目の出演を喜ぶ。

 ナビゲーターを務めるにあたって毎回勉強して挑んでいるという宮澤さん。番組での役割を「出演者の方がのびのびとコメントできるようにスムーズに回しつつ、私の見解と言うと大げさですけど、私の視点からも伝えられるようにするのが役目だと思って頑張っています」と語る。

 同じくナビゲーターを務めるミュージカル俳優の井上芳雄さんとは4年連続4回目のタッグとなるが、宮澤さんは「芳雄さんとは不思議なご縁。実はまだ舞台での共演は一度もない。この4年に1回くらいあるかと思ったらなかった(笑い)」と意外な事実を明かす。

 「1年に1回会う親戚の集まりみたいな感じ(笑い)。アットホームな雰囲気で、芳雄さんとお仕事ができるのは楽しみです」

 井上さんとの軽妙なやりとりでも毎回盛り上げているが、宮澤さんは「芳雄さんの“突っ込んでほしいオーラ”を感じて突っ込んではいますが、『ちょっと強く突っ込みすぎて怒られないかな』とドキドキしている」という。

 「(私の突っ込みに)批判の声もあるかもしれないけど、喜んでもいただけているみたいです。すべて“愛”を持ってやっていることだけはお伝えしたい」

 今回は人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の京本大我さんがスペシャル・サポーターとして出演する。印象について「華がすごくある方。SixTONESとしての活躍が主軸であると思いますが、日本の演劇界、ミュージカル界に欠かせない存在でいらっしゃる方」と話し、「トニー賞をどうご覧になるのかとか、普段どういう作品を好んで見ていらっしゃるとか、視点も含めて聞いてみたい」と期待する。

 ◇トニー賞の魅力は「“生もの”の底力を見られるぜいたく」

 2013年に上演されたブロードウェーミュージカル「メリリー・ウィー・ロール・アロング ~それでも僕らは前へ進む~」の初舞台から、ミュージカルでも活躍する宮澤さん。ミュージカルの魅力を聞くと、「ミュージカルは懐が広くて深い。常に進化して変わり続けるジャンル。高みを目指す難しさを感じ、挫折や葛藤もあったけど、今は憧れがより強くなったし、リスペクトと敬意も強くなるばかり」と返ってきた。

 そんな宮澤さんはトニー賞授賞式の見どころを、「パフォーマンスのクオリティーの高さ。今まさに上演されているものを、その出演者たちがパフォーマンスをしてくださる。舞台は“生もの”と言うけど、“生もの”の底力を見られるぜいたくが大きな魅力です」と口にする。

 「小さい頃からブロードウェーに憧れてレッスンを重ね、本人の何年にも及ぶ努力や家族の支えがあって、いくつものオーディション遍歴がある。そういった積み重ねを共有できる人々が集うので、称え合う気持ちが全面的に感じられる。その雰囲気も込みで、生の飾り気のない言葉でスピーチしてくださるところも含めて見応えがあるアワードセレモニーだなと思います」

 注目作品として「メリリー・ウィー・ロール・アロング」を挙げた宮澤さんは、「私にとってはとても思い入れがある作品。しかもメアリー役のリンジー・メンデスさんは、『ドッグファイト』ではローズ役。私もその2役をやっているので親近感が湧いています(笑い)。素晴らしい歌声の持ち主であると同時に、芝居も心の機微を惜しみなく出している。ファンとして受賞に期待しています」と熱い口調で語る。

 「舞台は敷居が高いと思われがちですが、この番組は思いっきり敷居を低くして、誰でも楽しんでいただけるように、なるべくわかりやすく進行できればという気持ちで臨みます。パフォーマンスの部分は英語がわからなくても何か琴線に触れるものがあると思うので楽しんでいただければ」(取材・文・撮影:遠藤政樹)

 ※「生中継!第77回トニー賞授賞式」は6月17日午前8時からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信。「第77回トニー賞授賞式」(字幕版)は6月23日午後3時からWOWOWライブ・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。

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