伊藤沙莉:「虎に翼」直言の“懺悔シーン”は感情をぐちゃぐちゃに 「違和感のない表現ができた」

NHK連続テレビ小説「虎に翼」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「虎に翼」の一場面(C)NHK

 伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第43回(5月29日放送)では、死期が迫った直言(岡部たかしさん)が、家族に懺悔(ざんげ)するシーンが話題を集めた。あの場で直言の言葉を聞いていた寅子(伊藤さん)をどんな思いで演じたのか、伊藤さんに聞いた。

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 優三(仲野太賀さん)の「死亡通知書」を隠し持っていた直言は、寅子に土下座して謝罪。さらに、はる(石田ゆり子さん)が怖くて「残業ってウソついて飲みに行った」、「直明(三山凌輝さん)ができすぎる子だから、本当に俺の子なのかと疑ったこともある」など、懺悔のオンパレードとなった。

 伊藤さんは「この週はもう、感情がぐちゃぐちゃで。このシーンでは、寅子の気持ちを整理したくて演出の方に相談したんです」と語る。

 「なかでも『でも、お父さんだけだったよ……家族で女子部に行っていいって言ってくれたのは』というせりふを言うときは、寅子としてあふれてくる感情が、喜怒哀楽のどこに属しているのか分からなくなって。感情の焦点をどこにも合わせられなくなってしまったんです。そこで『答えなんか出そうと思わなくていいよ、もうぐちゃぐちゃのままでいい』とアドバイスをいただいて。その通りに、あえて特定の感情に焦点を定めずに演じたからこそ、違和感のない自然な表現ができたと感じています」と振り返った。

 第44回(5月30日放送)では、第1回(4月1日放送)につながる河原のシーンが登場し、伊藤さんにも印象深いものとなった。

 「優三さんの幻影に『トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです』と改めて励まされて、それと同時に新しい日本国憲法を手にするという、終わりと始まりがリンクするところが物語の造りとしてもおもしろいと思いました。続く10週からも、楽しんでいただけたらうれしいです!」と語った。

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