伊藤沙莉:「虎に翼」“母”石田ゆり子の最期のシーン “花江”森田望智の存在が支えに 「私一人だったらどうなっていたんだろう」

NHK連続テレビ小説「虎に翼」第59回の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「虎に翼」第59回の一場面(C)NHK

 伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第59回(6月20日放送)では、寅子(伊藤さん)の母・はる(石田ゆり子さん)の最期が描かれ、視聴者が注目した。最愛の母との別れを、伊藤さんはどのような思いで演じたのか、その胸の内を語った。

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 第58回(6月19日放送)のラストシーンで、突然倒れたはる。第59回では、医師から、脈が弱く夜を越せるかどうか分からないと告げられる。家族写真を抱きかかえたはるは、「これでいい。これで」と安心したような顔を見せる。しかし、寅子は「やだっ! 死んじゃやだっ! いなくならないで!」と子どものようにだだをこねる。

 はるは「母さんはね、何にも悔いはないの。いろんなことがあった人生だったけど、悔いは何一つない。先のことはよろしくね」と言い残し、その日の夜更けに息を引き取った。

 この場面について、伊藤さんは「ここは特に、花江(森田望智さん)のありがたみを感じましたね。一緒に泣いて、母を弔ってくれる親友が家族としていてくれる。それがこんなにありがたいことだったんだと、寅子は母の死をもって実感したんだと思います」と振り返る。

 続けて、「撮影では、望智の存在がすごく支えになりました。日記を燃やすシーンでは、炎に日記をくべるお芝居をしなきゃいけないのに、なかなかできなくて。もし私一人だったら、どうなっていたんだろう。望智に感謝です」と語る。

 第65回(6月28日放送)では、「愛のコンサート」の大成功を祝う酒の席で、寅子が十八番の「モン・パパ」を歌うシーンが描かれた。寅子の歌声と共に、女子部メンバーや花江の姿が映し出される。そして、寅子と亡くなった夫・優三(仲野太賀さん)との思い出が走馬灯のように流れた。

 伊藤さんは「『きっと家裁で働く私を、夫も褒めてくれると思います』と、改めて優三さんに思いをはせるんですよね。寅子の心には常に優三さんがいるということを表現できたことも含めて、このシーンには思い入れがあります」と明かした。

 「10週の第48回(6月5日放送)で、優三さんの幻影が寅子に『何かに無我夢中になっているときのトラちゃんの顔が大好き』と語りかけるシーンがありましたが、そこからここにつながっている流れがすごく好きなんですよ。優三さん亡き今、彼に対してできることが“何かに一生懸命になること”だとしたら、このとき日々の充実を感じているからこそ、再び優三さんを思い出したというか。そして寅子が歌っているときは、周りにいるみんなが泣きそうになっているんですよね。激動の時代、それぞれに人生があり、いろんな葛藤と戦ってきて今がある。全員がそんな顔をしていて、ぐっときました」と語った。

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