高杉真宙:「光る君へ」まひろの“愛すべき弟” 惟規を演じ終えて、思うこと 最後の最後に「書」には「ビビりました」

大河ドラマ「光る君へ」で藤原惟規を演じた高杉真宙さん (C)NHK
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大河ドラマ「光る君へ」で藤原惟規を演じた高杉真宙さん (C)NHK

 俳優の吉高由里子さん主演の大河ドラマ光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)。10月13日放送の第39回では、高杉真宙さん演じる藤原惟規(のぶのり)の最期が描かれた。主人公・まひろ(紫式部、吉高さん)の弟で、家族にとっても視聴者にとっても“愛すべき存在”となっていた惟規が果たした役割とは? 役を演じ終えた高杉さんに話を聞いた。

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 ◇あえて空気を読まない発言も「楽しかったです」

 高杉さんは、「平清盛」(2012年)以来、12年ぶりの大河ドラマ出演。1月14日放送の第2回「めぐりあい」から惟規役として登場し、まひろとは対照的に勉学が苦手で、ひょうひょうとしていながらも、常にまひろのことを気にかけている“姉思いな弟”を好演してきた。

 せりふは現代語に近く、のんびり屋な性格も手伝ってか、今風に語尾を伸ばして話すこともしばしば。いい意味で“軽さ”のあるキャラクターは、高杉さん自身が当初から意識してきた部分だ。

 「最初の頃に『もう少し明るく、軽く』というのは言われていたので、そこは意識しましたし、ある程度、下地を作ることができたと思っています。そこに気が使える、家族思いというのがプラスされて、あとは台本に沿って演じるだけでよかったというか、やっぱり1年、演じているので、『明るく、軽く』の軸さえブレなければ、もう大丈夫っていうのはありました」

 そんな“軽さ”も手伝ってか、いるだけで場が明るくなったり、風遠しが良くなったりと、出番以上に作品にとってなくてはならない存在となっていった惟規。

 「惟規が登場するときに、場の空気を変えられる印象はあったし、それが可能な、自由に動かせるキャラクターでもあったので、僕自身が楽しんで演じていました」

 シーンとしては“姉上”まひろとの会話が多く、あえて空気を読まない、“芯を食った”発言も少なくなかった惟規の役回りについても、高杉さんは演じていて「楽しかったですね」と明かす。

 「(佐々木蔵之介さん演じる)宣孝さんの浮気現場を見たときの話をしたときも、姉上を思っての言動だったり。やっぱり家族が一番大切で。家族を思って言ったことが災いを招いてしまったりもしますが、一番は姉上、父上のためというのが大きかったと思います」

 ◇惟規もこと恋愛に関しては情熱的 先に逝くことには「心残り」も

 そんな惟規にとって唯一例外となったシーンが、9月15日放送の第35回「中宮の涙」で描かれた斎院の中将(小坂菜緒さん)とのラブロマンスだ。

 恋人との密会がバレて、身の危険にさらされるが、まさかの「歌」を詠んで回避と、この展開について高杉さんは「ギャグ」と捉えていたものの、身分違いの恋に身を焦がす惟規の情熱的な一面が垣間見えるシーンにもなっていた。

 「惟規もこと恋愛に関しては情熱的。一方で、なんだかんだうぶな部分も多そうな印象もあって。僕自身、惟規は純情で情熱的であってほしいなと思いましたし、じゃないと、これだけ家族思いではいられないのかなって。勉強の方も、僕は裏で頑張っていたと思うのですが。やっぱりふざけてしまうし、家族の前では隠すっていうのもあったと思います」

 結局は、姉のまひろや父・為時(岸谷五朗さん)よりも、先にこの世を去ることになった惟規。高杉さんは「(最終回まで)あと残り10回くらいなのに」と冗談めかしつつ、家族の中で先に逝くことは「心残り」と本音をちらり。

 息が絶える前に歌を遺そうとする惟規だったが、最後の最後で「書(習字)」を披露することになった高杉さんは「やると思っていなかったのでビビりましたし、最初は何を書いているか、分からかったです」と苦笑い。それでも「最後もみんなのことを思って、というふうに見えたらいいなって思っていましたし、笑ってくれたらいいなっていうのもありました」と思いを口にした。

 では惟規にとって家族とは、どんな存在だったのだろうか。

 「本当に帰ると安心する場所だなって、内裏の方に行ってみたり、外に出てみてから改めて感じました。為時邸のセットの中って、温かい空気に満たされているのですが、姉上、父上、いと(信川清順さん)や乙丸(矢部太郎さん)、きぬ(蔵下穂波さん)が作ってくれていたんだなって」

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