菅生新樹:もうすぐ“丸3年” 芝居というものに「沼ってる」 朝ドラ「おむすび」経て「失踪人捜索班」での挑戦

連続ドラマ「失踪人捜索班 消えた真実」に出演している菅生新樹さん (C)「失踪人捜索班 消えた真実」製作委員会
1 / 5
連続ドラマ「失踪人捜索班 消えた真実」に出演している菅生新樹さん (C)「失踪人捜索班 消えた真実」製作委員会

 町田啓太さん主演の連続ドラマ「失踪人捜索班 消えた真実」(テレビ東京、毎週金曜午後9時)に出演している菅生新樹さん。2022年に俳優業をスタートさせてから、TBSの日曜劇場や、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)といった大きなドラマ枠への作品に起用されてきた菅生さんがキャリアを重ねる中で感じたこととは。今作で演じる“IT のプロフェッショナル”清水透一郎役の話や、芝居に対する現時点での思いを語ってもらった。

あなたにオススメ

 ◇“ITのプロフェッショナル”清水の印象

 「失踪人捜索班 消えた真実」は、人知れず、姿を消してしまった失踪者たちの行方を追う元警視庁捜査一課の刑事・城崎達彦(町田さん)が主人公。自身が立ち上げた民間の失踪人捜索チームに個性豊かな各分野のプロフェッショナルを集め、警察が捜査しない失踪人、そして“最愛の妻”を捜し出すため、捜索班のメンバーたちと奔走する姿を描く。

 菅生さん演じる清水は、自由気ままでマイペースな青年。勤労意欲ゼロだが、城崎からの誘いを「面白そうだから」と引き受けチームの一員となった、ITのプロフェッショナルだ。菅生さんは「“一匹狼”とまではいかないまでも、あまり周りとは群れない人物だと僕は思っています」と話す。

 「清水は自分で考えて自分で行動できるので、普段から周りに頼ることが多い僕からしたらかっこいいなって」

- 広告 -

 好奇心の強さこそ「似ている」というが、「僕はどちらかというと広く浅くで、清水は本当に追及するタイプ」とも感じている。その上で、ハッカーとして優秀な清水の自由気ままでマイペースな部分、周りとは群れない感じをちょっとした動きで示すことを現場では意識した。

 「演じる上で、あまりみんなと同じことはしないようにとは思っていて。みんなが立っていたら清水は座っている、みんなが城崎の話を聞いているときに清水は何かを食べている、とか。そういうところで清水の“らしさ”みたいなものを出したかったので、自由に、何にも縛られていない感じを表現するというのは常に頭の中にはあります」

 ◇清水役を通して新たな発見も

 また清水は、菅生さんにとって非常にチャレンジングな役にもなっているとか。

 「これは僕の主観だったりもするのですが、今まで演じてきた役が、情熱的だったり、感情が顔に出たりするイメージだったので、感情をむき出しにしない清水の、どこかさらっとしている、だけど何か内には秘めている部分は初挑戦。出来上がった映像で見てみると、“自分の知る自分”ではなかったりもするので、大声を出したり、泣いたりって演技をやってきた自分としては全部が挑戦な気がしています」

 そんな菅生さんは清水役を通して新たな発見もあったという。

 「もちろん『自分、こういう表情するんだ』という発見もあるのですが、こういう役だからこそ、ちょっとした笑顔とかが今までの役とは全然違うふうに見えて。感情があまり表に出ない人間が何か表情を見せる、それっていろいろな意味に捉えられたりするから、出し方やタイミングというものがすごく大事だなって感じました」

 ◇今後へ 課題と目標

 今回の「失踪人捜索班 消えた真実」は、菅生さんいわく「自分という存在を世の中に浸透させてくれた」朝ドラ「おむすび」後、初のドラマとなった。2022年6月に俳優活動開始を発表してから数えると、もうすぐ丸3年となるが、改めて感じる“やりがい”とは……。

 「もっとやりたいし、表現したいんだけど、じゃあ、どうすればいいのか分からない瞬間は多々あって。やり方が無数にありすぎて、監督も僕も納得していたとしても、果たしてこれがベストだったのかと、あとから考えたりもする。でも最近は、その考えている時間がすごく面白いと感じるようになってきました。自分で勝手にもがいて悩んで苦しんでいるのはつらいのですが、それでも面白いと思えるくらい、自分はお芝居というものに“沼ってるんだ”って、今までは無意識でそう思っていたことが最近になってようやくきちんと自覚できるようにもなりました。1年目、2年目はとにかく必死で、いまも必死ではあることは変わらないけど、自分の演技が作品に対してどういう影響を及ぼすのか、責任感というものを強く感じるようになり、この仕事をもっともっと続けたいなと思えるようになりました」

 今後に向けては「お芝居の中にもっと説得力が出せるようになりたいと思っています」と課題を挙げる菅生さん。

 「ただお芝居をする、役になりきるだけでなく、普段の生活で培われた人間力を役に投影できると、説得力というか、言葉や役に深みや重みが出てくると思うので、芝居に人間力が落とし込めて、見てくれた方が勝手に背景を感じるような役者になっていけたらいいなと思っています」

写真を見る全 5 枚

テレビ 最新記事