北村匠海:「あんぱん」千尋との別れに「言葉が出てこない感情に」 演技中も「記憶がないぐらいの喪失感」 

NHK連続テレビ小説「あんぱん」で柳井嵩を演じる北村匠海さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「あんぱん」で柳井嵩を演じる北村匠海さん(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、柳井嵩を演じている俳優の北村匠海さん。第62回(6月24日放送)では、戦場から帰還した嵩が、海軍士官となった弟・千尋(中沢元紀さん)の戦死を知り、悲しみに暮れる姿が描かれた。北村さんは、この場面にどのような思いで向き合ったのか、話を聞いた。

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 「あんぱん」は、やなせたかしさん(1919~2013年)と暢さん(1918~1993年)夫婦がモデル。2人が出会い、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

 第62回では、復員兵の嵩が御免与町の柳井家に帰還。千尋が戦死したことを知らされた嵩は「父さん、僕なんかよりずっと優秀な千尋を守ってくれればよかったのに。生きて帰ってくるのは、僕じゃなくて千尋なら良かったのに」と絶望する。

 このシーンを振り返り、北村さんは「記憶がないぐらいの喪失感でしたね。どんな芝居をしていたのか思い出せないです」と明かす。

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 「本当は泣くつもりないシーンで泣いた記憶もあるし、とにかく虚無って感じでした。千尋が死んだことで何かが生まれるというよりは、もう何もかもなくなるという感覚でした」

 過酷な戦争や大切な人の死を経験した嵩は、これまでの「たっすいがー(土佐弁で弱々しい、頼りない)」から成長し、今後の展開では、達観した姿を見せるという。

 「弟の死っていうのは、嵩が達観に至るための最後のパズルの1ピースだったのだと思います。どこかにすごく淡い希望を抱きながらも、きっと千尋が戦死するのだろうということは分かっていたし、嵩自身も死ぬと思っていましたから。分かってはいるけれど、実際に千尋の死に直面すると、言葉が出てこない感情になりましたね」

 世界に一人の大切な弟・千尋を亡くした嵩は、どのようにして前を向き、どのような運命をたどるのか。今後の展開から目が離せない。

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